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入社延期のお告げ【海外就職への道11】

こんにちは。マニラからお届けします。

今回は前回の続き、セブ島留学中の就職活動についてお話しします。内定が取れた矢先、新型コロナウィルスという見えない壁に阻まれます。

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晴れて就職活動先から内定を取った僕は、入社のための諸手続きを始めていました。健康保険の申請や銀行口座の作成、ビザの申請、写真撮影など、入社のためにはいろんなことをやらねばなりません。しかも、会社はそれら要項の書かれた書類を渡すのみで、全てを自分一人で行う必要がありました。

英会話学校との兼ね合いから、朝と夕方にレッスンを受け、お昼前後の時間は申請のため休むことにしました。喜びに浸る暇もなく、内定の翌日からそれらを早め早めに進めていきました。

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僕は英会話学校でレッスンが終わった後、ジムに行ってランニングをするのが習慣でした。ジムのトレッドミルの前にはテレビが設置されており、いつもCNNのニュースが流れていました。音声は聞こえないものの、ランニングで汗を流しながら最新の動向をチェックするのもまた習慣になっていました。

2020年1月後半頃から、CNNでは中国の武漢で勃発した新型コロナウイルス感染症のニュースで持ちきりでした。怖いとは思ったものの、どこか遠い世界のように感じて日々ぼんやり眺めていましたが、2月に入って横浜のダイヤモンドプリンセス、そして3月に入ってから世界各地にその感染症が蔓延していき、モニター越しに世の中が大きく変わっていく様を感じていきました。

英会話学校では、新たな受講生は週を追うごとに減っていき、マスクやアルコール消毒、門限など様々なルールが出来ました。日本より医療が万全ではないフィリピンにいたこともあって、すぐ近くに迫ってくる感染症に恐怖を抱くようになっていました。

会社から内定を取ったすぐ2日後の3月13日、英会話学校の1コマ目のレッスンを終えた後、受講生全員が急きょホールに集められました。代表が出てきて、早々言われます。

「今すぐ飛行機のチケットを取って、例外なく全員帰国してください。」

どうやら、この前の晩にフィリピンのドゥテルテ大統領が、マニラ首都圏をロックダウンする緊急声明を発表し、今後すぐにセブ島にも同様の措置がなされる見立てがあることから、混乱が起こる前に早めに帰させるというものだった。

この時点でセブ島での感染者はゼロ。少し楽観的に思っていた自分にとって、入社のための手続きをやりたかったこともあり、すぐに帰ることには反対でした。びっくりしたものの、できることならここに残りたいと思っていました。その日の午後、僕が就職活動していたことをよく知っている英会話学校のスタッフに、就職先の内定がある状況で帰ることへの抵抗感について相談しました。その方からは、自分を大事にして欲しい、と帰国を促されました。

迷いましたが、その場で帰りの航空券を買い、日本に戻ることにしました。会社へは無期限の入社延期となりました。

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当初の予定だった3ヶ月という期間を全うせずに帰国することになり、仕事もできないことから今後の予定が白紙になってしまいました。

この続きはまた明日。では。

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