インド最大の聖地で観た「死生観」
僕は今友達2人とノリでインドでバックパッカーしている真っ只中だ。
6日目にヴァーラーナシー(以下バラナシ)という都市に立ち寄った。
ここ↓
インド北部地方にあるバラナシはガンジス川沿いに位置し、ヒンドゥー教の聖地として国内外から多くの信者、巡礼者、観光客が集まるインド最大の宗教都市である。
ここで見て、感じて、聞いて、臭って、考えたこと、彼らの宗教、「死生観」について、自分の考えをまとめるという意味でも、ちょっと紹介したい。
一つ注意なのはインド人は非常に多宗教だということ。ヒンドゥー、イスラム、キリシタン、ブッダ、他にも僕らの知らないような宗教の人々が互いをリスペクトし合って高いレベルで共存している。これはヒンドゥー教の話だということを分かって欲しい。
それと
写真を撮ることは厳禁だったため、ちょっと想像しにくいかもしれない。
それを踏まえて簡単に説明していく。
ここバラナシのガンジス川沿いには、死体を燃やす火葬場がたくさんある。信者は死期が近づくとここに集り、特別な施設で死を待ち、そして灰になる。
日本の火葬と違って焚火のようにして薪で焼くため温度は高くならず、胸とお尻の部位は燃え残る。24時間燃やし続け、約3時間で一体が焼き終わり、全体で1日に約300体ほど燃やすそうだ。
種火は3000年も前から灯され続けており次の世代へと受け継がれる。
僕たちはバラナシ最大の火葬場、
マルカルニカー・ガートにて、実際に死体が燃やされる過程を目の当たりにした。
なんというか、一言で言い表せない感情が押し寄せてきた。
目の前で人が焼かれているという事実は意外とすんなり受け入れることができた。
しかし、周りの人々の様子などを見て、自分たち日本人には到底理解できない世界が、今ここに存在していることを思い知らされた。
彼らにとって「死」というものは怖いものでもなんでもない、非常に日常的で身近な存在なのだ。
死ぬと肉体から解放され、灰になり、聖なる河ガンガー(ガンジス川)に流されると魂が来世へと転生する。そしてふたたびこの世に生を受けると信じられている。
そのため、子どもや、事故死、自分の人生を全うできなかった人たちは、燃やされずにそのままガンガーへと流される。だからヒンドゥー教徒は墓を作らない。
周りの遺族の様子を見ても無表情で悲しそうでもなんでもないし、その辺をうろついてるウシやイヌが、燃やされる順番待ちをしている死体、燃え残った肉片をつついても何ともない。
周りの人はしんみりした空気など微塵もなくヘラヘラしながら、灰や燃え残った死体をせっせと河に捨てている。
日本では考えられないカオスな光景だった。
死というのは伝染すると言われているので、死体を扱う人は、カースト最底辺の不可触民たち。扱いは非常に雑で、綺麗に燃やすために死体を棒で叩いてバラバラにする。
とにかく「死」というものは特別でもなんでもない。
おもしろいのはここからだ。
ここは紛れもなく神聖な場所。
しかし、インドらしい、カネに支配されている俗の部分も表裏一体存在している。
この場所で詐欺が横行しているのはよく聞く。僕たちも家族がいない人やホームレスを焼くための薪を5000ルピー(約1万円)で買えと言われた。
ガイドも含め7.8人の大人に囲まれて、カルマの心が何たらかんたら言われ、なかなか帰らせてもらえなかった。結局1000ルピーだけ払ってなんとか逃げた。
インド全体的に人を騙してカネを取るのは当たり前のことだ。いちいちチップを要求してくるし、親切にされればされるほど詐欺じゃないかと人間不信になってしまうような国だ。
それは神聖な場所だろうがどこだろうが変わらない。
調べると、火葬場よりさらに下った所では、河へ潜って死体についていたアクセサリーなどの金銀を集めてカネにする人たちもいるらしい。
聖地といえどカネに支配されている。まさに、聖と俗が入り混じった世界である。
でもこれが僕たちの生きている現実の世界だ。
何度も言うが「死」というものは私たちにとってごく当たり前なもので、と同時に「生」もごく当たり前なものである。
死んだら灰になってまた生まれ変わる。それはインド人も日本人も変わらない。私たち日本人は宗教にあまり関心がないから理解に苦しむが、本質は同じだと思った。
うまく説明できないけど、ようするに
「人生は有限である」ということ。
人はどうせいつか死んで灰になる。
だからこそ、僕の答えは至ってシンプルで
当たり前のように生かされている「生」を全力で全うすべき。
だと思った。
今与えられてる「生」に対してどれだけ丁寧に向き合って今を生きられるか。常に自分をアップデートできていたら尚更いい。数秒後死ぬかも知れないし、人はどうせいつか死ぬんだから。。
最後に、ちょっと脱線するが、
インドにきて一週間経ったが未だにカルチャーショックはでかい。人、食事、交通、匂い、動物、全てが日本じゃ考えられないことの連続だ。
けど僕がこの旅で得たいのは、
いい意味での日本的な常識と固定概念の破壊である。
インド人は自分第一って感じ。他人の心にズカズカ土足で入ってくるし、商売上手、口達者が多い。ちょっとでも気を許すとたちまち身ぐるみ剥がされる。
それ自体を全く良いとは思わない。こっちに来て思ったのは、結局日本って最強! ってこと。
けど、日本で成長するため変化を求める上で、自分たちの良さも悪さも外から見直し、彼らの考え方を少しでも吸収出来たなら、かなりの刺激になるのは間違いない。
だから僕は海外、特に途上国に行くのか好きだ。
自分の生活に物足りなさを感じたなら是非一度外から客観的に日本と自分を見つめることをオススメする。
そういう意味でインドは「人生がぶっ飛ぶ国」と言われているくらいだから、特にオススメする。
以上です。残りの旅頑張ります!
ありがとうございました!
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