夢雑記20210213
僕は友達と電車に乗っていました。
満員ではなく、座ろうと思えば座れるほどの密度の車内で、2人の友達と輪をつくるように立ち、スマートフォンで時間を潰しながら目的地を目指していました。
ふと視線を下ろすと、目の前に立つ男の手に、ナイフが握られていることに気がつきました。状況を理解できない僕は、恐怖で強ばる足をめいっぱいに動かして、その男から距離をとり、ドア付近の肘掛けのところに身を潜めて、様子を伺いました。逃げる際、大きく声を出して叫んだのですが、乗客は一人として僕に目も呉れず、皆同じ姿勢で、うつむき、ただスマートフォンを見つめているのでした。2人の友達も逃げた僕に気づかず、その場に立ったままでいました。
ナイフを持った男と目が合うと、男は静かに笑い、近くいた乗客の首にナイフを刺しました。鮮やかな血が、壁や床に拡がり、男の姿を赤く変えました。赤い男は、刺したナイフを抜いては刺し、これを数回繰り返したあと、次々とほかの乗客も同様に殺して、僕の方へと近づいてくるのでした。
相変わらず周りの乗客は静かで、僕だけが一人息を荒げて惨状を見ているのでした。男が少しずつ自分に近づいてくる恐怖、その恐怖を自分だけが味わっているという孤独、助けのない絶望の淵の中、最後に男は大きくナイフを振りかざし、僕の首を刺すのでした。