日本代表批評について


中国戦、サウジ戦を終えた日本代表について、感じたことをつらつらと。
といっても、なにか話の「軸」がないと取りとめもなくなってしまうので、昨今の日本代表の話題の大半を占める「森保監督批判」をテーマに書こうと思う。

【世間の批判①:メンバーの固定】
最近の代表批判といえば、とにかくこれ。
ただ、僕にはこれがよく分からない。2点ほど疑問がある。
 
まず、メンバーの固定化ってそんなに問題か?という疑問。
コロナ禍でテストマッチが組めず、絶対負けられないW杯の予選が続く中で、日本のみならず他国も選手入れ替えは進んでいない。
加えて、レギュラー2名の怪我で緊急登板したCBの谷口と板倉が先の2試合で好連携を披露したように、試合に出ていないメンバーも練習で練度を高めていることがうかがえる。
それに、3月にW杯出場権が確保できれば、6月、9月、10月とテストマッチの機会はある。
メンバーが固定化されていたとして、そこまで目くじら立てることだとも思えない。
 
そして、そもそもメンバー本当に固定化されているの?という疑問。
最終予選8試合に先発した選手は計22名。過去の日本代表と比べても、日本がお手本とするべき世界の強豪と比べても、まったく問題ない水準だと思う。
中盤に至っては、ホームの豪州戦で構成まで変更して、そこで先発に抜擢された田中と守田は抜群のパフォーマンスを披露している。
理想的な流動性だとまでは言えないが、メンバーの固定化を嘆くほどの危機感はない。
 
あえて批判サイドに寄り添うなら、「交代パターンが固定されている」という指摘であれば、うなずける。最終予選8試合に、途中交代も含めて出場した選手数は計28名。先発選手のカウントから6名しか増えていない。これは少ない。現に、大迫・南野⇒古橋or前田・浅野、長友⇒中山あたりの交代カードは時間帯も含めて完全に決まっており、戦術面でやや稚拙な気がする。

【世間の批判②:ワクワクしない】
これに至っては、なにをどうして欲しいのかもよく分からない。
代表戦なんて、W杯の本大会や予選の大一番なら試合内容を問わずドキドキワクワクするし、消化試合なら退屈なものなんじゃないのか?
そもそも、オシム監督以降、日本代表の試合内容自体がワクワクしたことなんてあったっけ?
現代サッカーにおいて、ワクワクするサッカーを構築するには膨大な準備を要する。見たいなら、UCLで欧州のトップクラブを見るしかないというのが実情だと思う。
 
…と、言い切ってしまうのも雑なので、勝手な想像を含めて言語化するなら、「ワクワクしない」という人たちは「こういうサッカーを目指す!という理想像が見えないので、今が発展途上なのか到達点なのかも分からない。なので、代表と思いを一つにすることもできないし、希望を持って良いのか悪いのかも分からない」ということが言いたいのかな?と思う。
だとしたら、大いに共感はできる。
 
【僕の批判①:無修正っぷり】
とにかく、どんなに課題が浮き彫りになろうが、攻めあぐねようが守備がほころびようが、森保監督は修正しない。厳密にいうと、その試合の中で、采配を通じて修正ができない。
基本的には次の試合までに何とか修正してくるが、中3日くらいであれば修正が追い付かなかったりするし、中には1~2年放置しているリスクポイントもあったりする。
これ、上のほうで書いた「交代パターンの固定」にも通じる点ではあるが、とにかく見ててモヤモヤする。
 
ずっと放置しているリスクポイントというのは、たとえば具体的には「サイドの幅を使えていない問題」。特に左サイド。南野は自分が得意な「中に侵入してボールを触るプレー」をしたがるし、長友がそれを踏まえてタッチライン際に張るわけでもない。結果、田中がしかたなく自己判断でフラフラサイドに流れていく。こんなの、監督が指示すれば一発で解決する問題だと思うけど、ずっと修正されない。
世の中的には、「長友を中山に交代するべし」という指摘が盛んらしいけど、僕はそういう問題でもないと思う。確かに中山のほうがまだマシかもしれないが、しっかり指示すれば長友でも対応できるし、しっかり指示しなければ中山だろうが対応できない。そもそも、人を替えるというなら旗手がベストだと思う。
 
【僕の批判②:記者会見とインタビュー】
あえてやっているとしか思えないほど、徹底的に、中身のあるコメントを発しない。
質問を露骨にかわすかのごとく、薄い精神論に終始する。僕は地味にこれが一番イヤ。
 
なぜって、上でも言った通り、チームの目指す理想像や現在地が見えないので、応援のしようがないから。「なんや、よう分かれへんけど、とりあえず勝ってW杯決めてくれ」としか言えない。
もちろん、試合を観戦していたら自然と狙いが見えてくるわけでもない。
 
なんでもかんでも情報開示する必要はないけど、今のインタビュー対応の姿勢はさすがにサポーターに対して不誠実だと思う。
この点、過去の代表監督の中ではオシム監督が理想だった。返す返すも、幸せな時代だったなぁ…と心底思う。
 
【じゃあどう戦うか?】
というわけで、僕なりの日本代表を考えてみる。これぞサッカー観戦の醍醐味。
GKシュミット。
DF右から酒井、冨安、吉田、旗手。
MF今と同じで遠藤、守田、田中。
FWセンターに久保をリバプールのフィルミーノ的に使う。伊東、南野がサラーとマネ。
後半に点が欲しい局面では堂安や三笘を入れて、逃げ切りたいときは体を張れる大迫や中山で安定させる。

とにかく、吉田と冨安もカウントすれば、今の日本代表の選手の質は歴代最高クラスだと思う。
どうにか、彼らが実力を発揮する姿をW杯で披露して欲しい。

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