生きろ
・野暮
何か文章を書くときでも、歌を作るときでも、
「あえて具体的に言わない」ってことで余白を作るってことを普段モノつくりの際に意識してる。
例えばラブソングを作りたいと思ったとして
「愛してる」「好き」などの直接的な言葉を使えば
どんなに読解力の無い人がそれを聞いてもこの歌はラブソングだって分かるけど
それをそのまんま何の技法もなくぶん投げるのはあまりに野暮でしょう。
野暮なこと言う人ってカッコ良く無くない?
というわけで、自分がもしラブソングを作るとしてその時に気をつけるのは
愛してるや好き、恋などの単語を利用せずに
「じゃあこの主人公は相手を好きなんだけど、その時の気持ちを別の形で言い換えるとしたら何?」とか
「この主人公が見てる景色はどんな景色?時制はどれくらいの期間?何時何分の話?」とか
周囲のディテールや比喩等の言葉の使い方を駆使して「好き」やら「愛してる」を表現できるように頑張るってことをよくやる。
まあこれ結構塩梅が難しくて、あんまり捻くれすぎると何が言いたい作品なのかがぼやけて分からなくなるし、わかりやすすぎてもマジ普通になる。
メロディを考える時も一緒。
作曲技法や音楽理論を前面に出した難解なアプローチを意識するとメロディが立たなくなってグッとくる曲にならないんだけど、グッとくる部分だけに力入れてもかえって普遍的になってオリジナリティは出づらくなるし、言葉もメロディも良い塩梅を突き詰める、という考え方は割と共通。俺の中ではね。
・かつて夏目漱石は
「I Love you.」(あなたを愛しています)を「月が綺麗ですね」と例えたらしいけど、これは今を生きてる人々への伝わり方としてはギリ分かるくらいの危ないボーダーラインだと思う、ただ言い回しとしてはマジでかっこいい。
この“I Love You.さぁ貴方なら何て言う?”っていうのが「作家性」なんだよな。あなたなら何て言いますか?
・今日
朝目覚めて1日の始まりを迎えた瞬間から頭がとにかく痛く同時に堪え難い倦怠感に襲われ、1日完全電源オフ状態のままYoutubeで岡田斗司夫がもののけ姫についてめっちゃ考察を語る動画を見てて思ったんだけど、この「あえて野暮なことは言わない」の極地にいるのが宮崎駿という人なんだなぁって思いました。
死ぬほど時間ある人は一回見てみると良いと思う。
・というわけで
曲をとにかく作ってるんです。
Orca-Lucaは今とことん制作モードです。今年入ってから制作ばっかやってんじゃねえかなってくらい。
理由はあるんで、今はとにかく春の傑作hayateを思う存分聴き狂ってくださいね。