僕ら裸のまま ただ確信だけあった

先日、Orca-Lucaはおよそ3ヶ月ぶりほどになるライブを行った。
有観客のライブはもう半年以上ぶりくらいでもある。
新横浜にあるデジタルアーツという専門学校の現役生徒が主催するゼミライブというやつで、PA、照明、ステージ周り、同時進行されるYouTubeでのLive配信含め、全て学生さん達の手で作られる1日だ。

もともと、この学校にはケントカキツバタ個人としてはすごく昔からお世話になっていて、毎年学園祭にゲストとして呼んでもらっては、体育館のステージでライブをさせてもらっていた。
ケントカキツバタのソロ活動が止まってからはしばらく音沙汰はなかったが、今回生徒さんからのオファーをいただいて久々にあの体育館ステージに返り咲くことができた。

体育館でのライブは、難しい。
皆さんご存知の通り、あの場所は「防音」という概念のない、音がどこまでも反響しまくる世界で、ライブハウスのように吸音、防音が設備としてしっかり整った環境ではないため、
鬼クソでかい音でドラムが鳴り、ベースやギターが唸ろうものなら一瞬でステージ上は爆音の渦で飽和し、演奏者側としては「ハイパー何やってるんだかよくわかんねータイム」になる。

当然、まともに演奏をすることは難しい。
だが、それがいいのである。アガるのである。

ゴワッゴワに反響されまくった体育館の中、自分の歌声もモニタースピーカーからよく聞こえず、体の感覚と、壁に跳ね返る楽器の音を頼りに、全神経を集中させるあの感じ。
体育館という特別な場所でしか感じることのできない演奏体験だし、それは同時に、自分が高校生だったころ
こんな音響的カオスの中で拙い演奏をしていた事を思い出させる。

かつて自分はとてつもない全能感の中、ギターを弾き、歌っていた。人の曲なのに。
今自分が世界で一番最強にカッコいいと思いながら、ライブをしていたのである。コピーバンドなのに。
体育館で鳴らすバンドの音は、青春そのものなのだ。

残念ながら、あの時の全能感は今の僕の脳味噌を麻痺させてはくれず、
久々のライブはしっかりとトチる所はトチり、なかなかに課題の多い結果とはなったけれど
まあ、俺たちここからだよな。という踏ん切りのようなものはついた気がします。


横浜デジタルアーツさん本当にありがとうございました。
Orca-Lucaまだまだもーーっと伸び代あるよ。



もうすぐ秋も終わって冬が顔を覗かせようとしてる。
僕らは今、新しいうたを作っています。

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