my roots 10〜Kent Kakitsubata編〜

・my roots 10とは
自分に影響を与えた、自分のルーツになったと思う10枚の音楽アルバムを紹介してもらおう!というコラム企画です。

この企画は、もともと僕がかなりの音楽ヘビーリスナーで、
SNSや雑誌などでよく人が発信している「私の好きな音楽ベスト○○」みたいなものを発掘するのが好きというところから、
誰かの人生においてルーツになった音楽アルバムを知りたい!そしてそれを雄弁に語ってもらいたい!という超個人的欲求に基づき始まりました。

記念すべき第一回なのでまずは発案者である私ケントカキツバタのマイルーツ10枚を皆さんにレコメンドしていきたいと思います!
本当に10枚絞るのがしんど過ぎたので、“原体験”という裏テーマを設定して臨みました。

〜ルール〜
・10枚の音楽アルバムをジャンル、国、時代問わず
何でもいいので選びます。(公式から出ていれば収録曲のyoutubeのリンクも載せます)
・1枚ごとに140文字前後のキャプション(文章)を書いてもらいます。
秘話、思い出話、アルバムの魅力、何でも語ってください。


それでは、ケントカキツバタのmy roots 10、開始です。



1:SOULS/Hawaiian6


実は僕のギターとの最初の出会いは、メロコアがきっかけでした。
このアルバムに収録されているFlowerという曲を弾きたいというのが始まりで、中学の音楽室に雑多に置かれていたクラシックギターをひたすらジャコジャコ弾き狂って興奮する毎日。当時バンドスコアなんてなかったので、耳コピするために繰り返し聴き続けてました
当時のシーンとは一線を画す哀愁のメロディラインと切なくド暗いコード進行、歪むギターと滅茶苦茶速い2ビート、1曲だいたい3分以内。熱中する要素しかない。今でもたまに聴き返す名盤です。


2:Stadium Arcadium/Red Hot Chili Peppers

みんな大好きレッチリ!ぶっちゃけた話、一番大好きなアルバムは「Mother's Milk」なんですけど、自分の原体験という視点で考えると最初の出会いは確実にこのアルバムがきっかけでした。メンバー4人が完全にそれぞれの方面でスーパーヒーローとして独立した魅力を持っていて、幼心に「ああ、バンドってこういうものなのか」と思い知らされたバンド。二枚組28曲入りでジュピターとマーズに分かれてますが両方の中で好きな曲だけ抜粋したプレイリストとかも作ってたなぁ。ジョンフルシアンテからはプレイスタイルから音楽に向かうスタンスまで様々な影響をもらいました


3:SAPPUKEI/NUMBER GIRL

当時中学生で吹奏楽部員だったケント少年は前述したメロコアをきっかけにTHE BACK HORNやthe band apartなどのいわゆる00年代邦ロックにハマり始めており、同じ打楽器パートの友達から「これいいよ」と薦めてもらい貸してもらったのが、SAPPUKEIでした。その時使ってたイヤフォンの音質が煉獄級に悪く、なんだこの叫んでてジョキジョキしてるだけの音楽は、と頭に?をずっと浮かべていたケント少年でしたが、次第にこのアルバムの持つ凄まじく圧の強い魅力に取り憑かれていき見事どっぷりとナンバガに嵌っていきます。こないだ聴き直したけどU-REIがホンッットに好き


4:少年アリス/坂本真綾
※公式動画なし!普通に聴いてくれ!

あんまイメージないかもしれないですがめちゃくちゃに影響を受けているアーティストです。というよりも坂本真綾×菅野よう子というタッグにただただ影響を受けているだけなのかもしれない。
作品全体から感じるスケール感と各楽曲のアレンジメントの幅広さ、心の芯を突く美しいメロディライン。そして「少年アリス」というタイトルを体現したかのような、少年とも少女ともとれる真綾さんの歌声。
このアルバムを最後に菅野よう子氏はデビュー当初からずっと続いていた真綾さんのプロデュースから一旦離れますが、個人的に最高の一枚だと思ってます。みなさんは音楽を聴いてあまりの美しさに涙を流すという経験はありますか?ないのであれば是非このアルバムの「光あれ」を聴いてください。


5:Nevermind/Nirvana

ど定番中の定番!もはや説明不要のロックアイコンになっているバンドですね。
(うちのバンドにもニルヴァーナって曲がありますが、それがこれです)
ちょうどレッチリを聴き始めたことが自分の洋楽開拓のきっかけになったのですが、レイジアゲインストザマシーンのバトルオブロサンゼルスとこのネヴァーマインドは狂ったようにリピートしてました。
ロックバンド好きな人の教科書みたいなアルバムだと勝手に思っていたのですが、結構昔に高校生と話す機会があった時には「Nirvana?誰それ」状態だったので戦慄しました。時代は過ぎていくね。
MVで挙げたLithiumとかBreedとかがめちゃ好き!


6:家庭教師/岡村靖幸

1990年リリース、僕と同い年のアルバム。びっくりするくらい名曲しか入ってない。
僕はケントカキツバタという名前で昔ソロアーティストとして活動をしていましたが、その時に目指していたのが、「ハマの岡村靖幸」というポジションでした。全然たどり着けてないのは言うまでもありませんが、でも確かに当時は原動力になっていたんです。それくらい自分の音楽感において根源を流れているアルバムです。「家庭教師」の淫猥変態家庭教師靖幸ちゃん劇場から動画曲「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」に一気に開けるあの爽快感は何回聴いても鳥肌モノ。


7:感受性応答セヨ/eastern youth

邦楽で一番かっこいいアルバムタイトルなんじゃないかな?ってくらい僕の中では聖書みたいな作品です。人生の中で大事なタイミングに聴き直すことが多く、その度に「お前はどうなんだ?」と強い問いかけを食らっているような感覚になる大事な一枚。
夏とエモの権化のようなギターの音、僕はエレキギターを鳴らす時、このアルバムの音をいつまでも理想として追いかけ続けています。「踵鳴る」のイントロは聴くと条件反射で涙が出るような身体になってしまいました。


8:クロノ・クロス  オリジナル・サウンドトラック/光田康典

(公式の動画というのが出てなかったのでクロノクロス20周年で光田康典バンドが行ったライブイベントのダイジェストで。)
ゲーム音楽、というジャンルに傾倒していったきっかけになったのは間違いなく光田康典さんの音楽でした。なるけみちこさん、下村陽子さん、植松伸夫さん等、尊敬するゲーム音楽の作曲家は挙げたらキリがないですが、「アレンジ要素としての民族音楽の波及」という点において光田さんの功績というのは本当にでかいと思います。クロノクロスが原因で僕はアイリッシュ・ケルト音楽にむちゃくちゃ嵌っていく時期が生まれました。ケルト音楽は酒がとにかく美味く飲める…感謝…


9:Doppelganger/The Fall of Troy

その昔、mixiというSNSのコミュニティで「凛として時雨が好きな人にオススメのバンド」というスレッドが立っていて、時雨大好きだった僕はそのスレにかじりつき色々と文献を漁っていたのですがそこで見つけたのがThe Fall of Troyというバンドとこの曲でした。ギターボーカルのトーマス・エラックがとにかく天才で、超絶テクニックなギターを弾き狂いながら同時進行で普通に歌ったりシャウトかましたりとマルチタスク系のギターボーカルですごくプレイスタイル的に影響を受けた記憶があります。
これを境に僕はポストハードコアという底なしの沼に落ち、今は亡き横浜モアーズ時代のタワレコにあった「エモ柱」というコーナーで試聴機をガン聴きするというだけの存在に一時期なってました。


10:cakebox vol.2/cakebox

今回のコラムで唯一サブスクにもないしyoutubeにも公式の動画はないしタワレコやHMVでは買えないアルバムです。しかし僕はこのアルバムをメロンブックスというお店で買いました。メロンブックスは良い店なので皆行きましょうね。
良い曲の定義ってなんだろう、というのは古来より人間社会の中で散々議論され意見はぶつかり合い最終的に血みどろの抗争にまで発展し、音楽シーンは現在に至るのですが、このアルバムがリリースされた2012年以降の僕の中の「良い曲の定義」をある一方向から決定づけた作品のような気がしてなりません。cakeboxさんは現在ヒトリエというバンドでギターボーカルをしています。


・というわけで

いかがだったでしょうか。
自分のルーツを改めて振り返るって実はすごく難しい側面もあって、
まず「俺何が好きだったっけな〜?」と思い出さなきゃいけないというのと、単純に数多すぎて選ぶのが大変っていうのがあるんですよね。
影響なんてありとあらゆる部分から受け続けて今があると思うので。

でも自分の好きな音楽が誰かにも響いてくれたらそれって本当に幸せなことだと思うし、自分のルーツが誰かにとっての新しい発見になりえるっていうのも今の時代だからこそ生まれる尊い現象だと僕は思うので、今後も定期的に続けていけたらと思います。

そんなケントカキツバタがやってるOrca-Luca、めちゃ良い音楽やるバンドだし去年から季節ごとに音源出しまくってるのでぜひ聴いたってな!!


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