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京都で撮影散歩


EOS R5 RF24-105mm F4L IS USM
ISO400 f/6.3 1/640s 24mm

坂東玉三郎が琴・三味線・胡弓を奏でる「壇浦兜軍記 阿古屋」を京都の南座で公演するとの情報を得て、多分最後の阿古屋になるだろうと考えたらどうしても行きたくなった。チケット販売日にダメもとでアタックしたらなんと、25日の一階桟敷席が取れたので、一泊の弾丸ツアーな感じで向かう事にする。
 
ならばついでに、京都の街撮りも楽しみたい。
南座のそばには祇園があるわけだしね。

EOS R5 RF24-105mm F4L IS USM
ISO400 f/7.1 1/1000s 85mm

南座から少し八坂神社方向へ歩くと有名な「花見小路」に出る。
5月29日に私道で進入禁止の看板が立てられた、との報道があったが、ご覧の通りインバウンドの数は多く、車道なのに歩行者天国のように歩いていて驚く。
ウィークデイでこれなのだから、週末や観光シーズンだったら想像するのも嫌だと感じたが、クラクションが鳴らせずに困ったタクシーを何度か見ていて、看板を立てる必要性があるのは現実だとも思った。

EOS R5 RF24-105mm F4L IS USM
ISO1250 f/7.1 1/640s 24mm

横浜中華街ではさすがにここまでの看板は立っていないけど、完全な生活圏に進入する観光客が多くて悩んでいると、住民から聞いている。
祇園は歴史的な建造物を保存し、内部を店舗などに改装しても外観は極力変えない努力をしているのだろう。
同時に、清掃等も行き届いていて全体的に綺麗に整備されているから余計、観光客はテーマパークに来た気分に浸ってしまうのかも知れないが、公道と私道がわかりにくいのもあって、無粋な看板を立てざるを得なかったのが現実なのだと思う。

EOS R5 RF24-105mm F4L IS USM
ISO800 f/7.1 1/500s 87mm

実際、看板が無いと公道と私道の区別はわからない。
飲食店の多いこの通りは公道だと思うがその脇に入る道は判断に悩むので、店舗があって看板が無い道だけを通る事にした。

EOS R5 RF24-105mm F4L IS USM
ISO640 f/7.1 1/640s 43mm

旅先での街撮りの面白さは、文化の違いの発見にある。
京都はその歴史故、建物等にも独特の文化が保存されていて、それは日本人観光客から見ても非日常的風景に見えるのは当然だ。
だから余計、そこで生活している人達の気持ちを想像する気持ちを忘れがちになるのだろう。

EOS R5 RF24-105mm F4L IS USM
ISO1000 f/7.1 1/640s 105mm

玄関にこんなしめ縄があるのも祇園らしく、鍾馗さんが飾られるのも京都では多く見る。
日常的に見ていればきっと気にならないこういった様式が、旅人目線では被写体として選びたくなる魅力があるワケで、横浜の観光地で動く自分としては見落としている「横浜らしさ」を考えるが、街撮りの大事な要素だとも考えている。

EOS R5 RF24-105mm F4L IS USM
ISO2500 f/7.1 1/500s 43mm

勝手口にはこのような長暖簾がかかっていたりするが、京都には独特の暖簾文化があるのは、素人でもわかるくらいに多く見る。
 
色によってある程度業種がわかるようになっていて、藍は呉服屋や飲食店、商家などが使い、白は菓子・薬屋・紙屋が使っていて、柿は江戸時代に茶屋や置屋、島原の揚屋にのみ許されていた色だと記憶している。
  
情報化が進んで、そんな業種を示す必要が無くなった今、それでも周りの環境に合わせようとしてこんな暖簾を出すフランスのファッションブランド店もあったが、さすがはデザイナーブランドのカフェ&ブティック、そのセンスの良さに惹かれてつい1枚撮ってしまったのは言うまでもない。

EOS R5 RF24-105mm F4L IS USM
ISO640 f/7.1 1/500s 79mm

余裕があったらこのカフェでゆっくりしたかったのだが、時間的に難しかったので南座に向かう。
 
今回は初の一階桟敷席での観劇となったが、歌舞伎座に比べて小さい事もあって目の前に花道があるように見える桟敷席は、最高の席だった。

EOS R5 RF16mm F2.8 STM
ISO3200 f/5.6 1/125s

そんな最高の場所で観た「壇浦兜軍記 阿古屋」は最高であったが、玉三郎が琴・三味線・胡弓を演奏するくだりで、あろうことか携帯の着信音を鳴らす馬鹿がいてかなり驚いた。(よりによって桟敷の並びにいた人だ)
まぁ、起きてしまった事はどうしようもない。
それもまた、記憶の鍵になるのだろう・・と笑い飛ばし、宿へと向かう。
それにしても京都の街並みは、撮影したい建物が多くて楽しかった。

EOS R5 RF24-105mm F4L IS USM
ISO3200 f/7.1 1/400s 24mm

有名な割烹旅館なら、夕食の開始時刻に縛られる。
日本版オーベルジュとも言うべきそんな旅館は、当然だが宿泊代も高くなる。
会席料理を食べたい場合は良いけど夕食は酒とアテだけで良い自分としては重すぎるので、利用する気はサラサラ無かったりするワケだ。
  
と言う事で夜は、町屋を改造した居酒屋で地酒とアテを楽しむ事にする。

EOS R5 RF35mm F1.8 MACRO IS STM
ISO3200 f/5.6 1/3s

通り庭の奥が店舗になっていて、京町屋っぽい風情を楽しみながら飲むのだが、コストパフォーマンス良く、料理も若者に受けるタイプのものが揃っていて、かなりの人気店だった。
 
それにしても、こういう家屋構造って京都ならではなのだろうか。
暗い場所に黒い板塀では歩きにくいから、と付けられた明かりが面白い。
 
と言う事で、今宵のアテは鱧と鯛のお造り。
鱧を炙ったお造りは、ちょっと面白くて飲み過ぎた。

EOS R5 RF35mm F1.8 MACRO IS STM
ISO3200 f/5.6 1/40s

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