50mm
皆さんは、標準レンズと言うとどんなレンズを想像しますか?
フィルムカメラ年代だと、多くの人が50mmや55mmと答えるだろう。
それは、レンズ付き一眼レフカメラのレンズがほぼその焦点距離だったからで、
ひねくれ者のメーカーで58mmを付けて出すところもあったけど、
多くの人が50mmを使っていたと思う。
その50mmというレンズの画角は人間の視野に近いと言われていて、ファインダーの倍率にもよるけど、見たままの画像がフォーカシングスクリーンに映るので、
両目を開けて縦位置で構えても、視界に違和感が無い状態で撮る事ができた。
でも50mmは基本の基と言われながらもかなり難しいレンズで、撮り方で個性が
出やすくても、ちゃんとした写真にするには、間違い無くキャリアが必要だった。
何故なら、35mmフレームはかなり狭く限定的な範囲しか写らないので、明確に
被写体を意識して撮らないと構図が破綻しやすいのだ。
人間の視野に近いので、パースペクティブも自然で違和感が無い。
逆に言えば独特の世界観を演出しにくく、そのために街撮りではちゃんと構成して
撮らないと面白くないのだが、気になる物を見つけてフッとカメラを向けて撮る
には楽と言えなくもない。
今日は横浜中華街を50mmのみで撮ってみた。
普段は35mmをメインに使っていて、広角が欲しい時は16mmというのがパターン
なので、中望遠レンズで撮っている様な気分にもなるが、お?っと思って狙った時には画角に悩まずに済むのが想像以上に楽しかった。
自分の感性が求めるモノを切り取っていく作業は、現像して組んでいくと面白い。
組む事で生まれる流れやリズムは結構大事で、その気持ち良さがわからないまま
組んでいくと、見ている人もどこかで安定感を失うのでは?と思ったりする。
今日から新型コロナウィルス感染症は、インフルエンザと同じ扱いになった。
横浜中華街もオーバーツーリズム気味で、午前中が雨で連休明けであっても、
かなりの観光客がいてかなり歩きにくい。
歴史ある焼き物屋兼飲食店は、オリジナルレシピで作った叉焼などの焼き物を
店先に吊しているが、その美味さを知らないとこの色合いの意味もまた、違って
伝わるのかもしれない。
EF50mm F1.8 STMって、こうやって使うには良いレンズだと思う。
f/2.8以上を使っていれば周辺の破綻も少なく、
質感の表現はそのコストからは想像できないほど秀逸。
RF50mmを導入しないのは、この写りが好きだって事が大きいのだ。
レンズをコロコロと交換して撮るのが好きだしスタイルにもなっているけど、
単一レンズと撮るのも面白いと感じさせてくれたのは、やっぱり50mmと言う
焦点距離の為せる技なのかも知れないね。