電子先幕シャッター&Pモードで撮ってみた
メイン機「EOS R5」で撮影する時の露出は、通常Av(絞り優先)モードでシャッター速度限界を1/30秒とかに設定し、ISOは固定にして撮っていた。
勿論メカシャッター使用で限りなくフィルムカメラに近い設定だけど、ニュアンスに影響が強い絞りを固定し、感度もある程度規制しないとイメージとは違った写りになる事があるので、ずっとその形でやっている。
だけど、R5になって1/8〜1/60秒程度のシャッター速度で手持ち撮影すると、微少な手ブレが出やすい傾向はやっぱりあって、街撮りを手持ち撮影する場合にはそぐわない設定ではないか・・と思うようになっていた。
先日、所用もあって函館へ出かけていた。
最近では機内でカメラを使っていても注意されなくなっていたので、窓越しにちょこっと撮影してみたが、映りこみが結構あるので対策していない自分としてはあまり納得できる写真にはなりそうになかった。
RF28mm F2.8 STMはRFレンズのパンケーキタイプとして先日販売されたが、その光学性能は素晴らしい。またコンパクト故に機内で扱うにも便利だったが、あのお世辞にも綺麗と言えない2重窓を通してこれだけ写っちゃうのにはちょっと驚いた。
函館と言えばこの夜景があまりに有名だけど、写真を撮りたい人達が展望台を占拠しいつまで経っても動かない事から、満員電車の様な状況で30分以上立たされた。
そういう時は、雑踏の中で撮ってきたキャリアがモノを言う。
「すいません、ちょっと撮らせてください!」
と声を出しつつ最前列に身体をすり込ませ、縦位置と横位置で連写する。
「どうもです〜」と謝意を示しつつその場をスルッと退散。
周りは呆気にとられて文句を言う人もいなかったけど、それは最前列で動かない人達への怒りに似た感情があったからかも知れない。
プロの現場では撮影しないまま現場を明け渡さないのは特別な理由がある時だけで、目的を果たしたら速やかに他のカメラマンに場所を明け渡すのが常識。
お互い気持ち良く仕事したいし、要らぬトラブルや嫌がらせを受けないための流儀でもあり、挨拶と文句を言わさない早い作業は技術の証明でもあったりする。
勿論、設定は電子先幕シャッター&Pモード、ISOはオートで上限を6400にして撮ったが開放でもシャッター速度は1/20秒。
レンズとボディ内ISの複合調整によって手持ちでもブレずに撮れたのは言うまでもない。
今回の基本設定は
①電子先幕シャッター
②Pモード
③ISOオート(調整範囲:400ー6400/日中は100ー6400)
④シャッター速度限界 1/500秒
⑤セイフティシフト
所謂、初心者向け設定に近い。
感度上昇で画質が荒れても手ブレ無しで撮れれば良し、とメーカー側は考えて上記の様なセッティングを勧めるが、ISOのオート調整範囲は上限がもっと高くなっていると思う。
実のところ、DXOのPureRAWやPhotoLab上のDeepPRIME XDを使えば、感度設定がISO6400であってもご覧の様な画質で仕上がってしまうので、感度の上限をISO12800まで上げても良いのかも知れない。
Pモードにしてシャッター速度限界を1/500秒にしたのは、その結果感度が爆上がりしても現像で充分に救えるし、絞り開放になってもRFレンズは破綻しない事を理解できているから。
EF24-105mm F4L IS USMだったら自分としてはf/7.1まで絞りたいと思っていたし他のEFレンズも開放で使う事は避けていたが、RFレンズは開放撮影であっても充分な性能がある事が理解できていたので、今回の撮影はマニュアルや絞り優先で撮る事を我慢して、Pモードだけで撮ってみたわけだ。
それにしてもRF24-105mm F4Lは想像以上に良い、と再確認できた。EF24-105で開放だと条件にもよるけどフワッとした中に芯があるような解像をしていたが、RF24-105の開放で撮ったこの1枚を見ると次元が違う能力があると認めざるを得ない。
同時に、Pモードにしてピンの位置のみ気にする感じの雑な撮影方法は、ハッと感じたらすぐ撮るようなシチュエーションにはピッタリで、楽で良かった。
今回はズーム2本とパンケーキ1本の軽装備。RF15-35mm F2.8L IS USM・RF24-105mm F4L IS USM・RF28mm F2.8 STMといった組合せでチョイスの悩んだのはRF24-105mmの代わりにRF70-200mmを選ぶべきかどうかだった。(その場合はパンケーキじゃなくてEF50mm F1.8 STMかRF35mm F1.8 MACRO IS STMになったろうけど)
ちなみに街撮りでは使わなかったパンケーキレンズRF28mmは料理写真にうってつけなので、こんな写真を撮る時に活躍しましたとさ。
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