あらためてEF50mm F1.8 STMに惚れる
撒き餌レンズとしてあまりに有名なEF50mm F1.8 STM。
ミラーレスが出る前からの超人気レンズで、2回目のリニュアルしたSTM版は現在も購入でき、アダプタを使えばRシリーズでも使用できる。(記事作成時:ヨドバシネット販売価格で17,180円)
EOS 5DMarkⅢやⅣで使っていてその性能に惚れつつも、開放時の周辺の荒れ方が乱暴なので、そんなに積極的は使っていなかった。
だが、RF50mm F1.8 STMが発売された時、PMo非球面レンズを使用して周辺画質を向上させたとのレポートもあり、安価な事も後押ししてポチりそうになった。
だが待てよ・・・
F4まで絞れば差別化が難しいとのレポートもあるから、購入する事で使わなくなりそうなEF50mmを使い倒してから考えても良いか・・・
との考えに至った。
この1枚はEF50mm F1.8 STMで撮ったもの。
いつもと同じ様に撮影散歩に出かけ、何の気なしに24−105の代わりに50を着けて撮っただけなのだが、背面モニターを見て驚いた。
Lレンズではでない色合いがある?
晴れた日の午後2時過ぎ、こんな色が出る??
と感じて、慌てて50ミリならでは構図を狙って次の1枚を撮った。
f/5.6まで絞っても出る自然なボケ。
それに加えて独特な発色とピント面の解像度があり、それらが立体感を得やすい特性を持たせるのだが、こういう構図では如実にその良さが出てくる。
RF24-105mm F4L IS USMの50ミリで撮り比べたかったけど、持っていない。
ただ、Lレンズの発色は優等生的で個性的な発色では無いから、面白い色合いにはならないだろう。
ただ、Lレンズを否定するわけではない。
素直な発色があるからこそ加工に幅が広がるし、多少解像度に不満があってもnoteやBlogに使う事が専らなら、リサイズと輪郭補正でカバーできてしまう。
単焦点レンズの性能よりも、面白いと感じた時に即座に対応できるズームの利便性の方が重要なので、50ミリを使う頻度は下がりがちになりやすい。
ただ、それにしても、この発色の面白さは何だろう。
そう思ったから、標準ズームの代わりに50ミリを常用してみよう、と考えた。
雨の日の元町、石畳の道が綺麗なのでカメラを向けてみた。
描写の凄さに惚れ直すと同時に、発色の面白さも再確認。
ただ、夜の元町は色の洪水があるワケでは無いので、モノクロにして描写の面白さを楽しんでみる。
ピント面の精細度と、ボケの自然さが立体感が面白い。
50ミリという焦点距離が生む自然な画像は、人間の視界とは違う世界を楽しめる
広角や望遠とは真逆の魅力があると思う。
慣れとは恐ろしいもの。
標準ズームばかりに頼っていると、この空間を切り取った様な標準レンズが見せる世界を忘れがちになる。例えばこのRF24-105mm F4L IS USMで撮った1枚と比べると、その差が明確になると思う。
RF24-105mm F4L IS USMは、自分としては「f/7.1まで絞らないと使えない」という感触を持っている。
それは、周辺の荒れや全体的にカチッとした解像が出ない事に対応する方法だが、このf/7.1まで絞った1枚でも、EF50mm F1.8 STMの解像には辿り着けていないのだ。
勿論、単焦点レンズで撮り比べないと気づけないレベルの高性能ズームもあるけど、得てしてそのクラスのレンズは高額過ぎで入手する術を探すのが難しい。
だからこその単焦点レンズだし、キヤノンは汎用の単焦点レンズのクオリティコントロールが上手いので助かる。
実際、汎用の単焦点レンズの多くは防塵・防滴仕様になっていないが、多少の雨でも問題無く使えるし、カビが発生する事も少ないのだ。
仕事で使うとか大プリントの予定があるなら、ズームを使うなら大三元レンズになる。だが、元々高額だった大三元レンズは、RF版になるとフルセットで3桁万になるので、アマチュアが気軽に楽しむ世界では無くなってしまった。(カメラも同様の状態だが)
だからこそ、フードと保護フィルターを合わせても2万円程度で済むこのレンズは、最高なのだと思うのだ。
5DMarkⅣで使っていた時は、スタビ無しなので夜景撮影には使いにくかった。
基本的に三脚を使わない自分としては、スローシャッターに対応できるの体幹のコントロールのみになる。なので、バッテリーグリップを装着してカメラ本体を大きくし、肩に乗せて撮るという方法を採っていた。
現在使用しているR5は、ボディー内手ブレ補正機構のおかげで、そんな撮り方をしなくても手ブレに悩まされる事は少なくなるのがありがたい。
また、現像時にDXO PhotoLabのDeepPRIME XDを使えば、高感度での撮影にも耐えられので、手ブレばっかり気を遣う撮影を忘れてしまったかも知れない。
「良いなって思ったら撮る」というのが自分のスタイルだ。
特に夜の街を撮るのが好きなのは、光と影が織りなす世界が魅力的だから。
今までは、非現実的な視界を表現するのが楽しかったけど、こうやって切り取る自分の視界に忠実な世界も、想像以上に楽しいのかも知れない。
「50ミリで始まり50ミリで終わる」とは言ったもので、人間の視界に近いが故に馴染みやすく、人間に視界に近いが故に見せたい物を明確にした構図が必要で、写真での表現を磨けば磨くほど、その難しさに気づかされていく。
でも、美術作品を作るワケじゃ無い。
日々の中で見つけた、魅力的な光景を記録するだけの事。
写真が自分にとっての表現手段だと考えれば、自然な視界を切り取る50ミリはより自分の世界に近いと思えるから、適したレンズと結論される。
まぁ、撮影散歩用の1本として、これからも持ち歩いていこう、とは思っている。
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