山下公園辺りの銀杏を撮った後、横浜中華街で「葱油拌麺」を食べる。
やっと銀杏が色付いてきたと思ったら、どんどんと散っている気配もあったのであわてて山下公園界隈へ向かう。
陽の当たり方や風の流れが影響して、まだ緑色の葉をつけた木もあるが、既に葉がだいぶ落ちてしまった木もあってビックリ。
それでもこの色付きだから、撮りに来て正解なのだろう。
山下公園前のストレートは銀杏並木。
紅葉前に始まるのは銀杏の落下だ。
たわわに実る木が結構あって、風が吹くと一斉に落ちる・・なんて光景も見る事があった。
そしてあの匂いがきつく、しかも道で踏みつけられるので、歩く時は要注意。
ビブラムソールのハード系なブーツを履いていると、しっかりソールにお土産をもらったりもする。
こんなシーンを撮るなら、やっぱり望遠。
ピントは山下公園前というロケーションからガス灯へ。
今回のレンズセットは以下の通り。
・RF100-400mm F5.6-8 IS USM
・SIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM Art
・SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM Art
シグマのArtシリーズはかなり優秀なので、5DMarkⅣに合わせて2本購入したのだが、24−70は性能的に今ひとつ満足できないものの、それでもEF24-105mm F4Lよりはかなり良好で、かつ簡易型だが防塵防滴構造になっているので重宝したレンズだった。
EOS Rで使う場合、EFレンズの資産が多い事から購入したマウントアダプターが使え、手ブレ防止装置も仕様変更で問題無く作動したのでそのまま所有していたが、そこはArtシリーズならではの大きさ&重さで、使用頻度が落ちていた。
今回は綺麗な画像を出す14−24を使うので同時に使ってみたのだけど、結構良い画像を作る事ができて嬉しかった。
SIGMAはちょっと独特な色を出すレンズだが、光学性能を突き詰めるために巨大化する事を良しとしている。
この24−70でさえ結構な迫力で、これが14−24となるとさらにでかくなる。
実際、この2本のレンズを使う場合はバッテリーグリップを装着しないとバランスが良くなく、仕方無しに装着すればもう・・・重い!って叫びたくなる。
しかも、仕事ですか?・・・な感じに目立つので極力使用を控えるのだけど、14−24じゃないと撮れない写真もあるのが悩ましい。
銀杏の紅葉を撮るなら外せないポイントがこのポーリン橋からの風景。
撮影日はウィークデイだったが、結構多くの人がここで写真を撮っていた。
この1枚はみなとみらい方向を見たもの。
逆に新山下方向を見ると、こんな1枚が切り取れる。
銀杏の紅葉を撮る場合、青空は絶対的に大事。
何故なら、黄色と青(若干紫系だが)は補色関係にあるので、色のコントラストが出て黄色がより綺麗に写るからだ。
なので、銀杏を撮る場合は青空かマジックアワーなど空の青が出やすいタイミングを狙う方が、カラフルで綺麗な画像が作りやすい。
そして、秋〜冬の澄んだ空気によって強く見える日差しをコントロールすれば、こんな風に色を出す事も可能だ。
SIGMAには、12-24mm F4 DG HSM Artという「ゼロ・ディストーション」を謳うレンズがある。
フルサイズで12ミリという焦点距離はかなり衝撃的なレンズであり、初代は2003年に発売されていたが、3代目がArtシリーズとして登場したのは2017年の事だった。だが翌年、14-24mm F2.8 DG HSM Artが登場した。
f2.8とf4の明るさの差は、夜間とかステージ(芝居等の暗い照明下)とかを撮ると、その差が大きいと気づく。
そして、自分のニーズとしてはf2.8という明るさこそが大事だったので、12ミリという超広角に惹かれながらも14−24を買ったのは言うまでも無い。
勿論、昼間に外で撮る時には何の問題も無いのだが、12ミリという焦点距離を十二分に使うのはかなり難しいし、被写体も選ぶ。
だから、そんなレンズは欲しくなった時に買えば良いと思ったまま時が過ぎ、なんとキヤノン純正で10−20ミリという化け物レンズが登場してしまった。
ただね、キヤノンの広角レンズって、周辺がアレなんですよ。
RF15-35mm F2.8Lでやっと全域で良好な画質が得られるようになった感があるけど、それでもピンを外すとボケ方がうるさめで、今ひとつに感じる事もある。
だからF4とは言え、フルサイズで10ミリと言う超広角を必要としない限り、40万近い価格のレンズを買う勇気は起きないのです。
そしてSIGMAの14ミリならここまできっちりと写るのだから、おそらく購入する事は無いだろう・・と。
で、このレンズじゃないと撮れないモノがある、と前に書いたのは、例えばこんな写真で説明したい。
この1枚だけは、是非クリックして大きなサイズで見て欲しい。
長辺1920ピクセルで仕上げてあるので、24インチモニター相当の大きさになるわけだが、SIGMAならではの緻密な解像が見られるはずだ。
そして、こんなモチーフを撮りたいがために、午前中を狙って山下公園まで来たワケで、運良く好天に恵まれて切り取れた事は嬉しかった。
さて、中華街へ抜けて、最近妙にハマっている「葱油拌麺」でも食べよう。
拌麺はバンメンと読み、汁無しの麺料理を意味する。
ちなみに冷やし中華は冷拌麺なので、その温かいバージョンだと思えば良い。
実はそのバンメンと呼ぶ麺料理はちょっと面倒で、横浜には辦麵という同じ発音の麺料理があって、姿としては汁無し麺と言うよりもあんかけ麺料理と言うべきスタイルを取っていて紛らわしいのだ。
その上横浜中華街には、汁無しの麺料理が色々とあって、例えば汁無し担々麺とか葱そばの汁無しバージョンなんかも、あったりする。
そんな横浜中華街に最近、本格的な上海の「葱油拌麺」を出す店が複数出てきた。
ちなみに「葱油拌麺」とは、茹でた麺にネギ油と醤油ダレをかけ、焦げた葱と干し海老を乗せただけのシンプルなもの。
ただ、元々がB級グルメなので高い料金設定が難しい。
店によっては590円なんて低価格でやってたりするが、「コストが低い=それなりのクオリティ」になってしまうのが悩ましい。
と言う事で味優先で探しまわり、気に入ったのが「双囍 上海本帮麺」という店。
ここはそれなりにコストがかかるけど、かなり楽しい拌麺が食べられるのだ。
ここは正統的な上海料理の店で、店内も上海によくある店をイメージしているとのこと。
麺料理店で、汁無し麺は勿論、雲呑や汁麺もある。
ベーシックな麺等を頼んで、豊富なトッピングを合わせて頼むのが上海的な頼み方だと聞いている。
「葱油拌麺」の食べ方は、攪拌の拌に麺とあるようにサーブされたらひたすら混ぜるのが基本。そして底に溜まっているタレと麺が混ざった後に、別皿でサーブされるトッピングを乗せて食べるのが決まりらしい。
まだまだ認知度が低いので混んでないけど、このチープなのに止められない美味さが知られたら・・と思うと、ちょっと恐い。
中華街に来る観光客の目当ては食べ歩きと食べ放題だろうから、当分はゆったりと食事ができるのではないか・・と期待しているけど、混んでしまうと色々とトラブるのが中華街の常。
どうなる事やら・・・ですな。