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横浜に新たにリアルなアメリカンBBQ専門店がやってきた!
そもそもは丸焼きを意味したBBQは、何故か日本では野外で網焼きする事と認知されている。それは、食材の味を大事にする日本の食文化の影響もあって、比較的短時間で調理するスタイルが定着したのだろう。
だが、市販されているバーベキューグリルに蓋が付いている物が多数ある。
アメリカのBBQを知らなかった頃は、その蓋はゴミが入らないようにする付いているのだと思い込んでいたのだが、アメリカ文化に関わるうちに日本のBBQとアメリカのBBQの違いを知る事になる。
そう、アメリカのBBQは長時間加熱して調理(燻製)する物であり、その加熱のためには蓋が無いと成り立たない、という事がわかったのだ。
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アメリカで肉を食うとなれば、真っ先に思い浮かぶのはステーキだ。
写真は、チャコールグリルで調理されたアンガスビーフのリブアイステーキ(500g)で、和牛のサーロインよりもあっさりとしているのでペロッと食べる事ができる。
当然だけど、ステーキだから加熱時間は短く、生でも食べられる様な肉を使う。
だが、BBQ(アメリカスタイル)になると長時間加熱して柔らかく調理するので、適した肉質とされるブリスケット(肩バラ)やリブを使う事が多い。
また、元々が豚の丸焼きだった事からノースカロライナ・サウスカロライナ・テネシー辺りではBBQ=豚が一般的な感覚で、豚のリブは良く使われる食材だと聞いた。
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定番とも言えるBBQ料理の中に、プルドポークがある。
それは豚の肩肉等を低温調理した後フォークなどで裂いた物で、単品で食べるより写真の様にサンドイッチの具として出会う事が多い。
私のプルドポークサンドとの出会いはハンバーガー専門店だったけど、その時はプルドポークがアメリカンBBQ料理だと知らなかった。
そんなプルドポークはBBQソースを絡めコールスローと合わせると、甘酸っぱくてピリ辛も混じる味わいが楽しい。サンドイッチだったらハンバーガー専門店で食べるよりもBBQ専門店でオリジナルソースなどを追加しながら食べる方が楽しいと思っている。また、サルサソースとの相性も良いので、タコスの具にして食べるのも美味いのだ。
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横浜でBBQを検索すると、屋外BBQ場が多くヒットする。
燻製料理で検索しても、BBQを出す店は出てこない。
つまりアメリカンBBQ専門店は少なく、認知不足のままという事だろう。
だがそんな横浜にも、本格的なスモークハウスを持ち込んでBBQを出す店がある、
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ベアードビールが運営する「馬車道タップルーム」。
名前の通りクラフトビール専門店で、タップにはオリジナルビール他が数多く繋がっていて、ハンドポンプでのエールも楽しめるビール好きには有名な店だ。
この店には本格的なテキサスバーベキューを作るスモークハウスがあり、ブリスケットの美味さに驚かされたのは2012年の事だった。(当時は日本に一台しかない大型スモークハウスと言っていた)
BBQなのに燻製?って食べてたコンビーフに使うブリスケが、ホロホロになる位に柔らかくなってビックリ。そしてBBQとは低温で長時間加熱(ローストやスモーク)する料理法だという事や、牛を使うのはテキサススタイルだと言う事も知る事となる。
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このブリスケが食べたくて馬車道タップルームまで行くようになり、クラフトビールにもハマっていくのだが、当時はこんな本格的クラフトビアバーは少なかった。
イギリスのパブはオリジナルビールを出すマイクロブリュワリーを兼ねている店があったが、日本でそんなスタイルのビアバーを出すには法律の壁があった。
ビール製造免許は年間最低製造量が2000キロリットル以上とされていて、事実上大規模生産者しか参入できない現実があったからだ。
ただ、1994年に酒税法の改正で年間最低製造量が60キロリットルへ緩和(発泡酒免許6キロリットル)される。
結果、小規模ブリュワリーが誕生しクラフトビール(当時は地ビールと言われた)ブームが生まれ、ビアバーも色々なスタイルが生まれ、クラフトビールその物も個性的なものが多くなっていった。
度数が高いクラフトビールを多量に飲むのは難しかったが、馬車道タップルームではBBQ以外にアメリカンフードも揃っていたので、BBQとマッケンチーズやチリコンカーン等で晩飯にして、ビールは飲めるだけ飲むというパターンが決まりとなった。
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ただ、そんな客が多すぎたのかビールがメインなんだって事を出したかったのかわからないけど、ある時からフードのボリュームがかなり落ちた。
お気に入りのブリスケットも量が減った様に感じて悩ましかったが、横浜でリアルなアメリカンBBQを楽しめる店が他に見つからなかったので、食べたくなったら行くというペースは変わらなかった。
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だが2019年、名古屋からアメリカンBBQの店が、関内に進出した事を知る。
BBQ以外にもアメリカンフードが揃っているとかで、客層はほぼアメリカ系外国人ばかりらしい。
・・となったら、どんなBBQがあるか気になるではないか。
行くしかないではないか。
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旧横浜市役所前のビルの地下に、その店「ミッドタウンBBQ」はあった。
看板にステーキ&スモークハウスとあるだけで嬉しくなるが、なるほど店員も客もアメリカ系外国人ばかりで、ここは日本?・・と不安になった事を思い出す。
ステーキ、ナチョス、タコス、BBQ、ハンバーガー・・とアメリカンフードに溢れるメニューに加え、外国製クラフトビールも繋がっていて、カクテルも豊富。
そしてサイズもアメリカンだから、そりゃ外国人が押し寄せるよね。(会話を聞いていると米軍関係者が多いかも)
ただBBQがポーク&チキンがメインで、ブリスケは「どうしても食べたければコレを食え」と言わんばかりにA5の黒毛和牛があるだけだった。
どうする?
明らかに高額だし、BBQにしたらA5ってフワフワ(グズグズ?)になっちゃってないか??
・・と言う不安が湧いてくる。
だけど、ブリスケットを食べてみないと、タップルームとの違いがわからないじゃんね・・と勇気を振り起こしてみた。
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なんと20時間加熱したとの事で、さすがにA5だけあって柔らかいけど美味さが半端なく、ブリスケットとは違うBBQを食べている気分にさせられる。
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美味い、いや美味すぎる。
だけどコレじゃない感がやっぱりある。
ゴージャス過ぎる味わいはアメリカンBBQじゃない感があるし、バーガーやステーキもオプションで和牛に変更できるので、明らかに日本人向けの設定だろう。
となるとこのミッドタウンBBQは牛を使うテキサスバーベキューではなく、豚がメインな地域のBBQをメインにやってる店なのかも知れない。
ポークリブやチキンをガシガシと食べたいわけじゃないので、ブリスケットが食べたくなったら馬車道タップルームへ行き、バーガーやステーキを食べるのならミッドタウンBBQと棲み分けができたけど、それでも馬車道タップルームのポーションの少なさは悩ましかった。
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ところがこの夏、テキサススタイルのバーベキュー専門店「ローンスター・スモークハウス」が、関内に誕生した。
なんと馬車道タップルームで15年働いた人がテキサスで指導を受け修行、そしてテキサススタイルのBBQを楽しめるレストランとしてオープンした、との事。
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Creekstone社のブリスケット(ブラックアンガス)を国内唯一で取り扱い、500ガロンのスモークハウス(オフセットスモーカー)でスモークする。
ブリスケットは10時間加熱するとの事。
・・と、そこまでしかわからないのだが、7月オープンなのでネットにはほぼ情報が皆無。
と言うワケで行くしかない、ね。
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店は地下にあるのだが、エントランスの階段は既にスモークの匂いが凄い。
アメリカンBBQが好きな人なら、この時点でもう待ちきれない気分になるだろう。
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訪れた時刻が14時ちょい前って事もあって、店内に客は2人組が1組のみ。
壁のデコレーションがテキサスをイメージしているのかわからないけど、ゆったりとしたスペースが心地よい。
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バーカウンターにはタップがあって、5本繋がっている。
その日のラインナップは、ペールエール1、ラガー1、残りはIPA3種で、全てUSA産クラフトビールだ。
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BBQソースはブリスケット用、ポークリブにはヴィネガー、お好みでペッパーソースを使えって事らしい。
と言う事で、ブリスケットとポークリブの2ミートプレート(3600円)にソーセージ(@800円)2本を加え、食べた事が無いコラードグリーン(950円)なるサイドも追加した。
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量としては穏やかな感じ。
ソーセージは120gという事だが、想像より重い感がある。
まずは、ブリスケットを・・・
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お〜〜
コレは良いよ。
この店でしか食べられないと言われるブリスケットは、確かに美味いと思う。
ただちょっと歯ごたえがある感じがあって、塩辛さが気になった。
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BBQソースをつけてバランスさせながら、ビール飲め!って味わいを楽しむが、基本3種なオーダーをした事を若干後悔しつつある。
続いては、ポークリブを。
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あ・・・
ポークだわ(爆)
でもやっぱり、ちょっと塩が立つ。
ビネガーソースを合わせると楽しいかも。
ブリスケットもそうだけど脂がそれなりにあるので、ミートは単品でサイドと合わせるスタイルの方が良いのかも知れない。
そしてソーセージは?
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あ〜〜〜
これは結構、塩辛いわ。
ゴツゴツとした食感は楽しいけど、これはビールが無いと辛い。
2ミートプレートで選べないようにしているのは、ビールのアテとしての立ち位置を考えているのかも。
オプションで追加した、テキサスではポピュラーな食べ物と言われたコラードグリーンは、どうだろう。
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コラードグリーンって、食べた事が無い。
キャベツやケールの仲間のようで、アメリカ南部〜南米でよく食べられている、とグーグル先生が教えてくれた。
確かにキャベツに近い食感がありつつ、クタクタに煮たほうれん草も思い起こさせる葉物だが、煮込んだスープがやっぱり塩が立っている。
塩加減なのか、使っている塩の個性なのか、
テキサスの気候に合わせた塩加減なのだろうか。
これが本場の味付けなのかも知れない・・と思ったけど、厨房にあるデカいスモークハウスのそばで調理してたら塩味に対する感覚も変わりそうなので、もうちょっと店が軌道に乗るまでは、味の判定は難しいと思う。
まだまだオープンしたばかりで周知がされていないだろうけど、客が増えれば色々と意見が出て、その内容に応じて味付けは変わるだろう。テキサススタイルBBQの味を守りつつ、日本人の味覚に合わせていくことは想像できるしね。
いずれにしろ本格的アメリカンBBQが関内近辺に3軒ある事は、かなり嬉しい。
食べたい物、飲みたい物で店を選べる贅沢があるってだけで、幸せだ。
と言う事で次回は、まだ食べていないプルドポークか平日ランチセットのプルドポークサンドを狙ってみようと考えている。