病歴と現状 (成人先天性心疾患)

1989年生まれで現在31歳の僕は生まれながらに心臓病を患っています。
自分と同じ病気を持つ親御さんや難病児の参考になればいいなと思い書いてみることにしました。

僕の病名は完全大血管転位症。
心臓に繋がっている大動脈と肺動脈が逆に繋がって産まれる病気。
普通は全身の血液が心臓に送られた後に肺に送られそこで新鮮な酸素が血液に含まれ、心臓に戻ってきた後に全身に送られる。
しかしこの病気の場合は心臓の循環と肺の循環が混ざることないので、身体中に送られる血液に新鮮な酸素が含まれない。
併発している他の症状によって三種類に分けられるが、僕の場合はⅠ型。
心室中隔欠損がないので二つの循環が混ざる機会が一切ない。
放置した場合は1、2ヶ月で確実に亡くなる。

幸いにも産院の先生がチアノーゼが酷かったので詳しく検査したところ病気が判明。
当時手術ができる先生がいるのは福岡の福岡市立こども病院か東京の東京女子医大とのことで実家が山口県だったために福岡市立こども病院で手術することに。
事前にICUに直接連絡してあったために到着早々ICUに入院して術前検査。
幸いなことに二つの血管が逆に繋がっている以外は左心室や右心室の大きさなど全てのバランスが良かったらしく緊急に手術が決定。

生後11日目にその日予定されていた手術をキャンセルして僕の手術が決行された。
執刀医は安井久喬先生。
当時小児心臓外科では世界でも五本の指に入ると言われたいた偉大な方。
先生の偉大さは後に知ることになるがそのことはまたの機会に。
手術当日の僕の体重は2770グラム。
生まれた頃よりも300グラムほど体重が低く、先生もこの症例でこれほど小さい子を手術するのは初めてでそれだけが唯一の不安材料とのこと。
ちなみにジャテネ術が日本でされるようになったのは僕が産まれる数年前からで当時はまだ歴史が浅かった。
結果的には先生をもってして完璧というできだったよう。

その後はしばらく入院生活が続き安定した後に退院。

現在は年に一回の定期検診で状態を確認。
幸いなことに再手術や服薬もなく過ごせている。
普段の生活でも特に制限されることなく自由気ままに生きている。

今後も子供の頃の話や海外生活、受験や勉強、大学など病気にまつわる色々な体験談を定期的に投稿しようと思います。

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