幼子のように、自分の中の『感じ』を大事にすると自分に最適な課題が分かります。
幼児を観察すると、言語、思考、身体操作etcにおいて、毎日、ものすごい勢いで成長していくので、本当にすごいなぁと思います。
幼児のこういった成長には「遊び」が必要不可欠です。
「遊び」は「それをすることそのものが楽しいからする」行いです。
この楽しいと感じることがとても重要なポイントです。
楽しいと思えることは『自分の成長にとってちょうどよい課題』であることが多いからです。
ちょうど良い課題かどうかは、それを学ぶ心身の準備が出来ているかどうかで決まります。例えば、まだ歩くことができない子に走る練習を無理にさせようとすると効果がないばかりか、とても危険です。走ることを学ぶのに必要な心身の準備が出来ていないからです。
さらに、そういった無理な練習から苦手意識がついてしまうと、走ることを学ぶ心身の準備が整ったあとも練習をしようとしなくなるかもしれません。
(心理学ではこのような心身の準備をレディネスと呼びます)。
ではどうやって、準備が出来ているかどうかを判断すればよいのでしょうか?
それは「自分の中の『感じ』を感じる」ことで出来ます。
まだそれを学ぶ準備が出来ていない難しすぎる課題は『出来なさそうだからしたくない』と感じますし、もう完全に出来ることは『簡単すぎてつまらなそう』と感じます。
したがって『あ、やってみたら出来そうだし、出来たら楽しそう』と感じる課題が自分の中にそれを学ぶ準備が出来ている最適の課題です。
『なーんだ、当たり前じゃん』と思われるかもしれませんが、大人は自分の中の『感じ』を無視して『テレビで偉い先生がお勧めしてたこの教材をしよう(その先生には一度も会ったことすらないのに)』とか『これくらいの教材を使ってないと恥ずかしい』というように、自分以外の何かで課題を選んでしまいがちです。
そういうことを繰り返すと、自分の中の『感じ』を、よほど精神集中しないと感じられなくなったりします(その場合でも、自分の中の『感じ』を大事にして仲直りすると、簡単に感じられるようになります)。
「自分の中の『感じ』を大事にする」というのはこどもの頃にはみんな出来ていたことです。
もう一度自分の中の『感じ』をよく感じてみましょう、それがあなたの成長にとって最適なことは何かを教えてくれます。
追記:自信を失う経験を続けてするなどして、自分にとってちょうど良い課題が『出来そうにない』と感じられるようになってしまうこともあります。そういうときは信頼している先生等に相談するなどして、自分にとってちょうど良い課題を教えてもらう必要があります。自分の『感じ』は大事ですが、先生もやっぱり大事です。