8年半

 大学を卒業して、最初に就職した会社で従事した仕事をひと言でまとめるならば、フィールドエンジニアか。実に多くの貴重な経験をさせてもらい、その経験値から自信を身につけることができた期間だった。その期間は8年半。

 同じIT業界内で転職した会社は、機器メーカーの代理店であり、SIerであるということで、レイヤーの違う仕事となった。そこではフィールドエンジニアの経験値をふんだんに活かし、さらに広く深い範囲の経験ができ、また、中間管理職という立場でマネージメント業務も進めることで、会社の仕組みや構造もそれまで以上に理解できた期間だった。その期間はやはり8年半。

 これら2つの8年半、計17年間サラリーマンとしての日常を経験してきた。

 脱サラ後、「映画」という大きなもの、それまでの自分にとっての非日常に、まさに飛び込んでいったわけだが、製作、配給、興行、それぞれの過程、その周囲の事柄に、あらゆる方向からがむしゃらにトライし、サラリーマン時代以上に広く深く濃い経験をさせてもらった。

 8月に独立し、ユーステールを立ち上げてから、もうすぐ1ヶ月半。ここへ来て、これまで「映画」に関わってきたことが総合的に関係し合い、これまでにはなかった動きが出始めている。

 そしてそれは、俳優のマネージメントに全て繋がっていくことだと強い実感があり、これから法人化するための原動力と意義が感じ取れる。

 明らかに、次のステップに進む時が来た。

 この9月が終わると、脱サラしてちょうど8年半となる。

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