Gerhard Richter: Painting After All@The Met Breuer(3/4~現在休止中) Floor 4
前回の「アートのある光景」で紹介したアートフェアのIndependentと同様、上記タイトルの展覧会を2回に分けてアップします。
今回は、Independentと同時期にニューヨークのメトロポリタン美術館Breuerでオープンしたゲルハルト・リヒターの回顧展(現在休止中)です。キャプションを含めて展示作品のすべてを網羅しました。
上の見出しの写真は、Floor 4で撮影。リヒターの作品の周囲で起きることは、絵になります。
3、4階の展示室に設置されたリヒター作品の解説文では、4階から観賞するよう指示されていますが、どちらのフロアから始めても構わないでしょう。クロノロジカルではなく、テーマ毎にまとめられていますので。4階は表現形式、3階は主題内容によって分類されています。
リヒターについて散々語ってきたので繰り返しませんが、今回の展覧会で改めて感じたことは、リヒターのアートは、死の欲動を乗り越える生の欲動であるということです。ラカンのタームを使えば、「現実界」を越えて(絵画を描けない不能から端的に行動する)、「象徴界」(絵画を描けないのは象徴の死が原因)をすり抜ける「想像界」(再び社会主義の不信の象徴に捕らえられるのではなく)への道行き。その生の技法の数々。
詰まるところ彼の作品は、言語にならないイメージの絵画なのです。
疑問は、東側の象徴から逃れられたとして、西側で成功した彼は、ニヒルな資本主義に捕らえられたのかどうか?
Floor 3の展示作品は、https://note.com/kentaroichihara/n/nbc4aebe30eeb
多分METが製作したオンライン映像より役立つと思いますよ。では、どうぞ。
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