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ポストモダン終焉宣言、第3弾!(ポストモダン40年の簡単なまとめ)

ポストモダンのアートは、理論的には三つの原理(相互に絡み合っている差異、シミュラークル、小さな物語)によって駆動され制御されてきた。だが実際に、ポストモダンアートの歴史を動機付けたのは、モダンの行き詰まりを打開するアートのサバイバル本能だった。
モダンアートは1970年代までに、新規なものを生み出すことができず、オリジナリティも、その連続が形成する進歩の輝かしい歴史も期待できなくなり、閉塞状況に喘いでいた。その袋小路を破る方便として編み出されたのが、ポストモダンである。
アンチではなくポストという名目で、モダンの進歩主義に対立する借用や過去回帰の戦術が練られ、普遍的理念をかなぐり捨てたアートは多数の小さな物語に砕かれた。モダニズムの歴史観を逆撫でするイデオロギーの布置(イデオロギーの終焉という先手を打った上)で、ポストモダンはモダンに取って代わったのだ。
そして、それに成功したのである。
だが20世紀末までに、ポストモダンの方法論である引用の命綱の美術史と文化のアーカイブのアイテムが底をついてしまった。その窮地を救うかのように、世紀末から21世紀にかけて資本主義経済のグローバル化が進行し、それに現代アートが呑み込まれた(その一番顕著な例が、中国への現代アートの普及である)。その結果、現代アートは延命どころか拡大再生産で経済的に興隆し、勢いが増したのだ。
21世紀に突入しても、グローバル化はリーマンショックで一時的な低迷を経験したものの、先進諸国の財政・金融政策でアートマーケットには大量の資金が注ぎ込まれ、たちまち回復しただけでなく、バブル崩壊以前を上回る成果を出している。
その安定した経済基盤の上で、2010年代はポストモダンとモダンの最強の折衷主義が、アートマーケットを席巻している(それゆえ新動向が生まれにくい)。それが、新型コロナウイルスのパンデミック直前まで続いてきたのである。
写真は、好景気に沸き立つ香港のArt Baselの模様(2019年)。

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