河北検診クリニックがん見落とし問題について
※こちらの記事は、2018年8月22日に投稿されたTweetをもとに再構成しています。
杉並区議会臨時会が開会
2018/8/21-22の2日間、杉並区議会臨時会が開催されました。
杉並区肺がん検診外部検証等委員会について、それに並行し河北健診クリニックにおける肺がんの見落としについて、保健福祉委員会にて質問をしてまいりました。
私としても、保健福祉委員会の委員としての初質問となりました。
今回私が質疑し指摘をしたのは主に三点です。
1.院内検証委員会の報告書非開示について
今回の件を受け河北医療財団が独自の院内検証委員会を立ち上げ報告書を杉並区に提出をしましたが、その報告書が非開示であることを質問しました。
非開示である報告書の存在に何か重要なヒントが隠されている可能性があります。
また本来であれば、河北医療財団の院内検証委員会の報告書が今回の保健福祉委員会の資料として配布され、それを土台として議論すべきということも申し上げました。
2.医師の独立性の担保について
今回の河北検診クリニックの肺がん見落とし問題の根源にあるのは、X線の二重読影を一つの医療機関の中で行うがために読影を行う医師の独立性が失われることです。
つまり、同じ院内で二人の医師が読影すると、どちらかの医師の意見に流されるということがあることです。
杉並には二重読影を一つの医療機関内で完結できるのが河北健診クリニック以外に五医療機関あります。他の五医療機関も読影医師の独立性を確保する必要があります。
実際に河北健診クリニックは院内での二重読影の体制を止め、2回目の読影を杉並区医師会に依頼する形となりました。
3.読影を行う専門医の欠如
X線の読影を行う専門医の欠如も問題です。実際に河北健診クリニックが行った2018年の肺がん検診では、読影を専門医が行わず内科医で済ませてしまっています。
杉並区肺がん検診の要領においては、専門医が読影に関与するよう定めています。
その要領が守られていない現状があります。
また私がそれ以上に驚いたのが、院内完結型の二重読影を行える河北健診クリニック以外の五医療機関においても、専門医不在の状態で肺がん検診のX線の読影が行われていたということです。
専門医不在の状態で肺がん検診を行なっていた医療機関を尋ねましたが現時点では答えられないとのことでした。
さらに踏み込み、一ヶ月以内なのか、半年以内なのか、一年以内なのか、尋ねましたが回答は引き出せませんてました。臭いものに蓋をする、そうした状況はあってはなりません。
ちなみに院内完結型の肺がん検診の二重読影をできる区内の医療機関は東京衛星病院、荻窪病院、荻窪病院、高井戸東検診クリニック、佼成病院、ニューハートワタナベ国際病院です。
(今回の件で河北検診クリニックは院内完結の医療機関から外れました。)
今後もこの問題は追っていきたいと思います。恐らく杉並区だけに限らない問題です。
2.医療維新
[肺がん見落としで河北医療財団と杉並区を提訴、1609万円請求]
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/662530/