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Photo by
kowai_ohanasi
超常現象、を読んだ。
心霊現象や超能力といわれる超常現象をNHK取材班が科学的に検証していく。民放で同様のテーマを扱う場合、えてして面白おかしく演出する傾向が強い。
悲しいかな、どうしても竜頭蛇尾な感じが否めなかった。これは構成の問題なのか、一個人の取材ではなく取材班という動き方によるものなのか、理由は判然としない。国営放送が同テーマに取り組んだことにひとつの意義を感じた。末尾の対談で恩田陸さんのコメントが鋭いので引用する。
本を読んでいると、「お!」という事実が判明したりするんだけど、その後の、地の文では冷ます方に行くんですよ。「超常現象が存在しました!」というカタルシスを得るための本ではないから、しょうがないか。でもそれはきわめて正しい態度だと思いますけどね。*恩田陸
幽霊がいる・いないや、超能力かマジックかなどの議論ではなく、世の中には人智を超えた何かが存在するという可能性を想像するだけでも、それは楽しいことだと思う。それで十分。
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