人流抑制の無意味さと儚さ
最近の施策で、軽症者は入院せずに自宅療養というのは、批判もあるけど中等症以上の患者に限って入院させることにより、限られたリソースを重点的に投入する意味で正しいと思う。
テレワークが進んできているとはいえ、直近の調査によると、2021年7~8月のテレワーク実施率は27.5%にとどまっている(出典)。仕事で外出することは、業務や業種によって避けられないこともあるし、人流を抑える施策には限界がある。
直近では市中感染率が3%にまで上がってきていることを考えると、この感染症は人の力で抑制できることではなさそう。ワクチン接種を進めて重症化率を抑えつつ、感染者の増減は許容する覚悟が必要。
デルタ株が広まった結果、欧米でも感染者数は増えているけれど死者数は激減している。これは、感染力は高まったものの毒性は弱まったことを示唆している可能性がある。(ただし、ワクチン接種が進んだためかも知れず、現時点では弱毒化したかどうかの判断はできない。)
人間の規制ではどうにもならないので、イギリスでは規制しないことにしたらピークアウトして安定した。
今できる即効性があって効果がみられる施策は、ワクチン接種を進めて重症者を抑えていくこと。医療の負担を減らすのはワクチン接種が最優先。
重症化するのは、基礎疾患がある人のほか肥満の人が多いと言われている(エビデンスはないがほとんどが肥満という話も聞いた)ので、食生活を含む生活習慣の見直しも大事。
ちなみに、うちは夫婦2人ともテレワークだけど、スタンディングデスクで仕事しつつ、家でできる運動や筋トレを毎日やってます。毎日。
人口当たりの感染者数を見ると、日本は欧米と比べてかなり少ないのに、医療の逼迫度合いを示す病床使用率が非常に高い。これは、新型コロナウイルス感染は専門病院でしか受けられないことが大きな要因で、医療機関と保健所を含む負担増に繋がっている。
感染症への対応としては、インフルエンザがゼロにならないのと同様、新型コロナウイルスもゼロにはならないと考えるのが自然。直近の新型コロナウイルス感染時の致死率はインフルエンザとほぼ同等であることを考えると、どの病院でも診察できるよう(インフルエンザと同等の扱い)に扱いを変えていく必要がある。
日本医師会は医療体制の改革の話をせず、自分たちでできる改善をしないまま、市中の人流抑制の話ばかりしていて、感染拡大の原因を国民に押し付けている。必要な対策に正面から向き合っているとは到底思えない。
医療の現場だけが現行の枠組みの中で負担を強いられているように見える。
日本は、海外と比べて感染者に対して入院者の比率が異常なほど高い。
ではそのおかげで致死率が低いかというと、致死率はほぼ同等。つまり、入院できないから死亡に繋がるという批判は、(もちろんそういう例もあるだろうが、)必ずしも正しくない。
人流抑制を発展させるとロックダウンに繋がる。ただし、海外の例を見てもロックダウンのように強力な人流抑制をしたところで感染者は減らなかった。つまり、人流抑制は有効な施策とはいえないし、実際のところ、対応の長期化もあり、抑制効果は完全に薄れている。外に出る人を非難するのではなく、人流抑制以外の施策を考える必要がある。
なので、今はやっぱりワクチン接種が最優先。
失業率の上昇と自殺者の増加は相関関係にある。人流抑制は飲食業、小売業、観光業などに壊滅的な打撃を与えている。飲食店の閉店時間を20時にしたらなぜ感染者が減ると思うのか謎。それで感染者数が減った試しはない。
人はお金がなくなったから自殺するのではない。誰にも必要とされない、自分の存在意義がなくなったと感じるから自殺するのだ。
表参道のように大きな繁華街でも結構前から空きテナントがかなり目立つ状態になっていて、まるで焼け野原のよう。本気で経済を回していかないと、それこそ国が滅びるよ。