8月6日を迎えて

広島に原爆が落とされてから、2020年8月6日で75年がたった。
長崎に生まれ、長崎に原爆が落とされた日は意識していたが、果たして広島のことはどうだろうか。
実際のところあまり、意識していなかったことに今年になって気づいた。
東京にいる知人に原爆のことを啓蒙しているのに、当の本人は長崎に落とされたの原爆のことしか意識していないというのは、果たしていいのだろうか。
それはやはりおかしい。全ての知識を得ることは時間がかかるが、まだ時間すらをかけていない。意識を改める必要があるようだ。
6日の夜、飛行機が家の上空を通過する音が響いた。ああ、75年前だと戦争も終わってないし、当時の人にとっては命が削りるような恐ろしい音に聞こえたに違いない、と考えると、自然と身が縮こまった。
死を意識しながら生活するという底知れない緊張感を、75年前の今日はまだ持っていなければならなかったのだ。
75年前の「今」、その日はまだ訪れていない。