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すき焼きぶっかけうどん

ようやく仕事納めだ。

俺の会社は12/28に仕事納めだったのだが、棚卸業務と稼働停止した設備のメンテナンスの立ち合いで、俺は翌12/29も休日出勤という形で出社した。

締め業務は俺だけではとても終わらないので、現場のオペレータも3人道連れにした。

案件の積み残しがあったが、休出も残業としてカウントされるため、すでに労働組合に2ヶ月連続で申請している俺は、これ以上残業時間を増やすまいと定時に仕事を切り上げた。

休出のお礼にオペレータ3人に焼肉を奢り、来年も頑張りましょうと檄を送って、この日は終了した。


考えてみると今年は本当に散々な目にあった。

年が明けていきなり前の職場で設備トラブルが相次ぎ、解決の糸口を見つけたと思ったら、コロナ禍真っ只中の関東圏への異動が決まる。

それでもアーバンライフへの期待に胸を膨らませ、横浜に赴いたら、翌週に緊急事態宣言が出され、外出自粛に…

かといって仕事が在宅ワークになるわけでもなく、毎日出社。前の職場よりはるかに多いトラブルで、深夜も電話が鳴りやまない日々…

赴任して2週間後、2日連続で現場から火が上がり、同じ週に大雨で天井から滝のような雨漏りがあって、是正対応に追われ…

それでも何とか乗り切って、生産も軌道に載った矢先に、前任者の不祥事が明るみに出て、結果すべての尻ぬぐいを俺がする羽目に…

それも解決したと思ったら、派遣のリーダーが部下からクーデターを起こされ、頼りにしていた派遣社員が2人も現場を去ることに…

その後は相次ぐ客先クレームと、他部署からの依頼案件の対応で、深夜まで残業するようになり…

派遣社員からパワハラで密告されて、罪滅ぼしのために現場の作業も一部肩代わりするようになり…

パワハラで去った人と入れ替わりで入社した派遣社員が、2週間連続で会社に来なくなって、上司から仕事の進捗が悪いことを咎められ…


書き出してみると本当によく今まで心身を病まずにやってこれたと思う。

自分で自分を褒めてやりたいが、そんなことしたところで俺の気が紛れるはずもない。

でもまぁ、とにかく仕事は一区切りだ。最近は旗日も出社していたので久しぶりの連休ということになる。

「6日間、思い切り羽を伸ばそう。」
そう思って迎えた12/30。連日の晴天を嘲笑うかのように雨が降った。

相変わらず運が悪い。

髪が鬱陶しくなってきたので、朝一で散髪の予約を入れて、髪を切って染め直してもらった。

4月から月1で通うようになったこの床屋の理容師とも、もうすっかり顔馴染みだ。

腕は確かなのだが、俺がウトウトしているときでも平気で話しかけてくるのが玉に瑕だ。

散髪を終えて、「来年もまたお願いします。」と月並みな挨拶を交わしたあと、俺は電車に乗って映画を見に行った。

予想以上に良かった。感動の余韻に浸っていると劇場の前にケバブのフードトラックが止まっていた。そこで初めて自分の空腹に気づき、昼食を摂った。

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ケバブのブリトーを腹に納めたら、帰宅して掃除。大掃除という程大規模なものではないが、何だかすっきりした。

その後は定額動画配信サービスで映画を2本立て続けに見た。

見終わったら腹が減っていたので、夕食を摂ることにした。

年末年始も無休でやっている、近所のコンビニみたいなスーパーに行き、冷凍うどんを購入。

冷蔵庫にあった賞味期限の2日過ぎた牛肩ロースの薄切り肉と鍋用のカット野菜の袋を取り出し、フライパンと鍋と一緒に寮の共同キッチンに持っていく。

帰省している人は少ないはずだが、なぜか寮の廊下はひっそりとしていて少し不気味だった。

鍋に水を張り、沸騰させている間に牛肩ロースと野菜をフライパンに入れて軽く炒め、めんつゆ・酒・みりん・砂糖を入れ、ひと煮立ちさせる。

牛肉に火が通ったら、鍋に冷凍うどんを放り込んで、包装に記載された茹で時間を守って箸でほぐしながらうどんを茹でる。

茹で上がったらどんぶりにうどんを入れ、上からフライパンの中身をぶっかけて真ん中に卵を落として完成だ。

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すき焼きぶっかけうどん。甘辛い味付けの肉と野菜がうどんとの相性抜群だ。

うどんを啜りながら、ふと実家に思いを馳せた。俺の家では大晦日にすき焼きを食べることが多かった。

家族全員で囲んだあのすき焼きが懐かしい。こっちに来てから1人ですき焼きを作ったこともあったが、やっぱり大人数で食べるのとは違い、味気なかった。

年始は東京に住んでいる姉と弟と過ごす予定だが、やっぱり家族全員に会えないのは少し寂しい。

来年は今よりも状況が良くなるといいなぁ。


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