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豚肉の生姜焼き
連休明けは3日間だけの出勤なのに、1週間分くらい濃密な時間を過ごした。
仕事の内容に関わるので、詳しくは割愛するが、要するに急な生産計画変更で現場から大ブーイング。さらに設備トラブルで生産ストップという二重苦に苛まれたということだ。
4連休でリフレッシュできた心と体が、3日間ですっかりボロボロになった。
「だがまぁ、仕事は仕事。適度に割り切ってやっていかなければいけない。」
金曜日、俺は自分にそう言い聞かせて、自分の仕事を片付けて逃げるように退社した。一番大事なのは自分の体だからな。
仕事で荒んだ心を癒すためには趣味に没頭することが大事だ。俺は気晴らしに散歩に出かけ、ついでに銭湯に行った。
4連休の前半は姉弟旅行でホテルの広い風呂に入り、後半は姉の家の近所のスーパー銭湯に出かけたことによって、忘れかけていた俺の「銭湯欲」がまた復活してしまった。
人間ってのは一度生活水準を上げるともう元には戻せない生き物だ。俺は週一の銭湯がなければ生きられない体になっていた。
今回訪れた近所の銭湯は、浴室内が茶色・橙色・黄色・白とレトロな色合いに統一されている雰囲気の良い風呂だった。天井近くの色褪せたステンドグラスのような装飾も一昔前を彷彿とさせる雰囲気だった。
お湯の温度も申し分ない。俺は訪問者に全く媚びない熱い風呂が好きだ。
しばらく湯船につかってポカンとする。当たり前だが風呂には携帯電話は持ち込めないので、風呂に入っている間は現場から電話がかかってきても出なくても良い。
仕事の責任やしがらみを一切脱ぎ捨ててボケっとできるのだから、やっぱり銭湯は偉大だ。この時間は今後も大事にしなければいけないだろう。
風呂から上がって夕陽を眺めながら寮の部屋に帰る。適度にリフレッシュできたので、心持ちは軽くなっていた。
腹が減っていたので料理を作ることにした。料理も俺の趣味だからな。
豚ロース肉を3枚、筋を切り小麦粉をまぶす。
醤油・酒・みりんを1:1:1の割合で混ぜ、砂糖を小匙1くらいとしょうがを大匙1加え、合わせ調味料を作る。。
熱したフライパンにごま油をひいて肉を中火で焼く。表面がこんがりとしてきたら合わせ調味料を加えてさらに過熱。水分が飛んでトロリとしてきたらキャベツを盛った皿にきれいに並べる。
豚肉の生姜焼きの完成だ。かなり食いでがありそうだ。
ガブリとかじると肉の旨味とソースの甘みが口内を満たす。しょうがのピリッとしたアクセントも大変良い。ご飯が進む。
ソースはキャベツにもよく合う。最近野菜不足で、しっかり食物繊維を取らなければいけないので、ソースを絡めてきれいに食べた。
お腹がいっぱいになった。洗い物は多いがそれも料理の醍醐味。後片付けをしていたら今週の仕事のモヤモヤはどこかに霧散していた。
毎週の銭湯通いと料理はこれからも続けていこうと思う。