朝ごはん丼
心地の良い睡眠から目が覚めた。時刻は朝5:00。今日は土曜日で仕事は休みだが、いつもの癖で早起きしてしまった。
横浜に来た当初、「寝心地最悪。」と思っていた寮の備え付けのせんべい布団にもいい加減もう慣れた。今じゃのんびり昼寝だってすることができる。
カーテンを開け放つとどんよりとした曇り空が広がっていた。パッとしないが、最近までの猛暑を考えると、まだ曇りのほうが過ごしやすいかもしれない。
腹が減っていた。俺は平日の朝食は寮の食堂で朝定食を食べるのだが、休日は趣味の自炊を行うため、基本的に朝食は予約していない。
冷蔵庫にはこの間の夜食の残りのウィンナーと、卵が2つ入っていた。せっかく早起きしたので朝ごはんを作ろう。
米を研いで押し麦を入れ、いつもの麦飯を炊く。米は1合。
俺の家のPanasonicの炊飯器は3合炊きだが、こいつを使って米を1合だけ炊こうとすると、なんとなくご飯がべチャっとした炊きあがりになる。多分炊飯器に対して米の量が少ないからだと思う。
だが押し麦を入れてかさ増しすることで、量がちょうどよくなり、ふっくらと炊けることに最近気づいた。ご飯の炊き方にうるさい俺にとっては、偉大な発見である。
フライパンにウィンナーとウィンナーが半分くらい浸る量のお湯を入れて沸騰させる。水分が飛んだらそのまま加熱して焦げ目をつける。
こうすることで茹でウィンナーのパキッとした食感と、焼ウィンナーの香ばしさの両方を楽しむができるのだ。
ウィンナーが焼けたら、卵を2つ焼く。蒸らし焼きはしない。フライパンの蓋は先月床に落としてぶっ壊してしまったからだ。したくてもできないのだ。白身が固まってきたら、塩コショウを振っておく。
卵が焼けたら麦飯を丼に盛り、海苔を手でちぎって載せ、上からめんつゆを少し回しかける。普通の醤油でも良いのだが、出汁の味がついているめんつゆのほうが美味い。俺は卵かけご飯にも出汁醤油かめんつゆをかける男だ。
その上に目玉焼きとウィンナーを載せる。見栄えなんて特に気にしなくて良い。汁物はインスタントのしじみスープ。たまに手を抜くことが、自炊を長く続けるコツだ。
朝ごはん丼。朝から空腹でガッツリ食べたいときにぴったりのメニューだ。
卵は半熟なので、箸で割って海苔にからめ、ご飯と一緒に口に運ぶ。こういう手抜きでシンプルな朝食は土曜の朝にピッタリだな。
ウィンナーも誰かに聞かせたいくらいパキッとした食感が楽しく、美味い。ウィンナー焦げ目の香ばしさと塩気が丁度よく、ご飯を口に運ぶ手が進む。
あっという間に平らげてゲップをしたら、食器を片付けて、歯を磨いてひげを剃る。今日は横浜駅近くのスタジオでサックスのレッスンがある。
レッスン中に現場から電話が来ないことを祈りながら、俺は身支度を始める。こうして俺の休日が始まる。
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