スパイスのみで作るカレー
3連休以上の連休はカレーが作りたくなる。理由は単純で、作り置きできるものを作っておけば翌日料理する必要がないからだ。それに俺は3日連続でカレーの日が続いても文句一つ言わないカラッとした性格だ。まぁ単純にカレーが好きだからというのもある。
俺はカレーが好きだ。カレーは幼いころから好物に必ずランクインしている。夕飯がカレーというだけで気分が晴れやかになる。
店で食べるカレーも言うまでもなく美味いが、カレーは家で作って家で食べるものだと俺は思う。家族や気の合う友人と一緒に作って食べるカレーは最高だ。
学生時代、俺の所属していたサークルでは学祭でカレーを提供していた。俺が3年の頃、学祭の片づけ後に友達の家で余ったルーを使い、カレーを作ったことを思い出した。あの少し焦げたししとうと手羽元と目玉焼きが載ったカレーが懐かしい。
というわけで、今日はカレーだ。我が家のカレーは市販のルーを使わない。理由は父親がルーを使ったカレーをあまり好まないからだ。そのため我が家では市販の瓶詰のカレーペーストを使う。俺が作るときはS&Bのカレー粉を使うことが多い。
だが、俺は今回、そういった市販の調合済みのカレー粉や、混ぜるだけのカレーペーストを使わずにスパイスのみでカレーを作ろうと思った。何故ならやることがなくてとても暇だったからだ。
まずは下ごしらえだ。玉ねぎ2個を千切りにし、トマトを1個角切りにする。先日の鶏皮ポン酢で皮を剥いでおいて冷凍していた鶏むね肉は常温で解凍しておく。
使用するカレーのパウダースパイスは以下の調合だ。
★カレースパイス
・クミンパウダー小匙1
・ターメリック小匙1/4
・チリペッパー小匙1
・コリアンダー小匙2
昨日タコスの材料を揃えたときに一緒に購入した、クミンシード・シナモンスティック・クローブと、以前から家に常備してあるローリエをホールスパイスとして使う。
フライパンにクミンシード小匙1・シナモンスティック1本・クローブ4粒・ローリエ2枚、にんにくチューブとショウガチューブをそれぞれ約3cm程度入れ、オリーブオイルを垂らす。
シナモンスティックとローリエは入れるときに半分に割っておく。理由は良く知らないが、何となくそのほうが香りが出るような気がするからだ。
寮の共同キッチンで弱火でフライパンを加熱し、ホールスパイスを炒める。焦がすと苦いだけで香りもへったくれもなくなるので、火力には十分に注意する。
にんにくとしょうがからパチパチと音が出るようになったら、千切りにした玉ねぎを入れて、飴色になるまで炒める。火力は中火でも良いが、目を離すとすぐに焦げるので注意する。実際に俺は部屋に調味料を取りに行って玉ねぎを少し焦がしてしまった。…まぁ少しくらいは許容範囲だ。
玉ねぎが飴色になったら、ヨーグルトを大匙山盛り2杯分くらい入れ、同時に調合したカレースパイスも一緒に入れる。全体に色がなじむくらい混ぜながら炒めたら、カレーベースができる。
カレーベースを鍋に移して、角切りにしておいたトマトとトマト缶400g、トマト缶と同じくらいの水を入れる。缶があるのに、わざわざ生のトマトを使うのは、味がフレッシュになるからだ。別にあってもなくてもいい。
鶏むね肉を投入したら、20~30分くらい煮る。この間にはちみつ、マンゴーチャツネ、ウスターソースをお好みの量入れる。隠し味として、ビターチョコレート1片入れる。これにより苦みと甘みを追加できるというわけだ。
最後にガラムマサラを大匙1くらい入れ、缶詰のひよこ豆をボトボトと入れてひと煮立ちさせて、味を塩で調節したら、完成だ。見栄えをよくするためにバジルをご飯に振り、カレーをよそう。ホールスパイスは香りを出し続けるため、食べる直前に取り出す。
今回は初めての試みであったため、失敗しないように何度も味見をして調整したが、これがまぁ大成功だった。
角切りのトマトの清涼感と各種スパイスの辛味と酸味、それらが調和して複雑で深い味わいを構築していた。市販のルーではこうはいかないだろう。
ただ単に辛いだけというわけではなく、はちみつとマンゴーチャツネが程よいまろやかさとフルーティな味を演出しており、カレーの味わいを際立たせていた。対となる甘みがあるからこそ、辛みが引き立つのだ。まるで同じ舞台に立つ対照的な役柄の役者のようだった。
スパイスカレーを作るのにハマる人がたくさんいるのが、今回よく分かった気がする。自分好みにスパイスを調合して作れば、できたカレーは必ず良い結果を示してくれる。
今度はスパイスの調合を少し変えたり、何か足してみてもいいかもしれない。こういった楽しみがあるからこそ、料理はやめられないんだな。
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