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牛丼

牛丼が好きだ。

吉野家の存在を知ったのは小学4年生の頃で、当時黄金期だったFlashのまとめサイトで見た有名なFlash作品がきっかけだったと思う。

確か初めて吉野家の牛丼を食ったのも同じくらいの時期だった。

俺は当時相当田舎に住んでいたため、牛丼のチェーン店は隣町にしかなかった。そのため食べに行く機会などなかったのだ。

それ以来、そんなに頻度は多くないが、牛丼を食べる機会が増えた。

中学生くらいになると隣町まで一人で自転車を飛ばして買い物に行くことが増えたが、そのときの昼食も大抵牛丼だった。

吉野家はBSE対策の一環で牛丼の販売を停止していたが、すき家は当時オーストラリア産の牛肉を使った牛丼を販売していたため、中学時代はすき家で牛丼を食べることが多かったと思う。

考えてみると俺の青春は牛丼と共にあったといっても過言ではない。

大学時代は俺の近所には松屋があったのだが、何かというとそこでメシを食う機会が多かった。

ライブの前日にサークルの先輩と遅くまで飲んで、翌朝2人とも二日酔いの頭を抱えて牛丼を食べて、グロッキー状態のままステージに立ったことがある。

同じサークルの友だちと夜遅くまでボックス席を占領して語り合ったこともある。今思えば相当迷惑な客だったと思う。

当時バーのバイトをしていたのだが、仕事上がりの牛丼は俺のささやかな楽しみだった。

バーのお客さんに出前を頼まれて、松屋まで走ったこともあったな。

社会人になった後も、比較的近所に吉野家・すき家などの牛丼チェーンがあったため、仕事終わりや飲み会の後に食べに行くことが多かった。

飲み会の後に同じ会社の先輩と牛丼屋で鉢合わせて、少し気まずい思いをしたのは良い思い出だ。

前の仕事を辞めて実家に戻ったあとは、中学の同級生が仕事の掛け持ちですき家でバイトをしていたため、応援に行ったことがある。

夜19:00くらいの忙しい時間に「牛丼キング」を頼んだため、後でしこたま文句を言われたが、あれも良い思い出だった。

最近も仕事で遅くなった後に、どこの飲食店もやってなくて牛丼屋に入ることが増えた。

思い出の味はいつでも変わらない。

最近ネットで料理のレシピを調べているときに、たまたま牛丼のレシピを発見したので、俺も作ってみることにした。自分で店の味を再現できるのならそれに越したことはないからだ。

牛肉はバラの薄切り肉を300gくらい使用する。玉ねぎは1玉くし切りにしておく。

一部界隈ではよく知られていることだが、吉野家の牛丼には白ワインが使われている。そのまんまレシピ通りに作るのもなんだかつまらないので、今回はアレンジとして赤ワインを使用してみた。

鍋に赤ワインを100mlくらい注いで、くし切りにした玉ねぎと牛肉を入れてマリネしておく。

30分くらい経ったらワインと同量の水を加えて鍋を加熱し、玉ねぎがしんなりとして淵が透き通るまで煮る。

煮ている間、しょうがチューブを加える。量は大匙1以上。ここでしょうがを加えないとよく知られた牛丼の味にならないのだ。

具が煮えたらはちみつ大匙1・めんつゆを100ml加えてさらに煮込む。最後に塩コショウで味を調節する。

丼に盛ったご飯に載せたら完成だ。お好みで紅ショウガを載せても良いだろう。

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ご飯と一緒に掻き込むと、馴染みのある味に心がホッとした。これはどちらかというと、チェーン店の味というよりは、定食屋で供される牛丼に近い気がする。

少し食べ進めたとき、ふと思い立って冷蔵庫から卵を1つ取り出して割り入れた。

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やっぱり牛丼には卵だな。牛肉のガツンとした味わいにまろやかさをプラスする。俺はお店で牛丼を頼むときは必ず生卵か温玉も一緒に頼むのだ。

具が残ったので明日の晩飯にも食べようと思った。卵でとじてみてもきっと美味いだろう。

家で牛丼が作れるとそんなにお金をかけずにお腹いっぱい牛丼が食べれるので、コスパが最強だ。

だがいくらコスパを重視しても、味はお店には到底及ばないので、2週間くらい後にまたチェーン店に行きたくなるんだろうな。

もし念入りにレシピを調べて、味を完全にトレースできたとしても同じだろう。俺の青春時代を支えた味は、そう簡単には揺るがない。

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