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【空想科学】ウマ娘の体重は実際にはどれくらい!? ウマ娘空想科学①


はじめ(自分語りが大半なので飛ばしてもいいよ)


ウマ娘公式サイトより。https://umamusume.jp/

別世界の名前と魂を受け継いで、“尻尾と耳”そして“超人的な走力”を持つ。
教育機関である「トレセン学園」に集い、“自身の夢”と“レース”に向けて仲間たちと日々切磋琢磨している。

About|ウマ娘 プリティーダービー 公式ポータルサイト|Cygames (umamusume.jp)

 ウマ娘。今や日本中を席巻している一代コンテンツ。
 少し前に映画が放映され、その映画入場者特典も五段目を迎えた。

 と、他人事のように書いてみたが、自分のウマ娘のファンの端くれである。映画も見に行ってウルっとしたし、特典も大事にもらったし、何ならもう一回見に行こうとも思っている。

 自分は映画をMX4Dで見た。座席がガタガタ揺れるて、風とかがぷしゅーっと出て、霧や水もあがるアレ。

 やはり目玉なのが、映画で何度かあった、ウマ娘のレースシーン。そこで、座席がもうガッタンガッタン揺れる。MX4Dが初めてで、ポップコーンとチュロスとコーラを頼んでしまった自分は、映画の内容にドキドキするよりも、コーラがこぼれないかを気にしていた。

 しかし、それほどまでにウマ娘たちのレースシーンの揺れは強烈だった。

 そしてもう一つ、映画の中で、このようなシーンがある。

 冒頭のウマ娘を解説するようなシーンで、この記事の冒頭にあったような文句の後。映写機のようなものに、走るウマ娘のシルエットが映る。ものすごい足のピッチで走るウマ娘、そしてバックで解説する女性の人。

 この、映写機の走るウマ娘のシルエット。このシーンは、のちになんども出てくる。そのうちの一つ、このシルエットをバックに、アグネスタキオンというウマ娘がしゃべるシーンがある。

 内容はおおむね以下のようなものである(完全うろ覚えなので期待しないでほしい)。

『時速七十キロもの速度で走る脚力とそれを支える骨格、そして常軌を逸した心肺機能。その神秘を、解き明かしてみたい!!』

 それを聞いて、わたしは思った。

 わたしも解き明かしてみたい!!

 ウマ娘は科学的にはどうなのか? ウマ娘は生物学的にはなんなのか? なぜ彼女はあれだけ早く走るのだろうか? 

 というわけで、オマタセシマシタ、本編開始である。

 ウマ娘の体を、空想科学的に解き明かしていこう。

馬とヒトとウマ娘の体

 まず、ウマ娘の体を、色々と比較していこう。

 ウマ娘の見た目は、その耳と尻尾を除けば、全くの人間である。
 二本足で立ち、背筋を伸ばして直立し、汗をかく。とこからどう見ても、立派なホモ・サピエンスの特徴だ。

 だが、ここで大きな問題がある。

 そもそも、ホモ・サピエンス、つまりヒトの体は、比較的走ることに適していないのだ。

 例えば。

 ヒト最速の男、ウサイン・ボルトは時速44.7kmで走る。
 が、我々ヒトとよく似たチンパンジーは、一般的に時速48kmで走る。一般的なチンパンジーでコレである。
 そして、ネコですら時速48kmで走るし、あのウサギでも時速40kmで走るのである。
 ちなにみに、平均的な日本高校生の速度は時速24km程度。どう頑張っても、現代の平均的なホモ・サピエンスたちは張り合えない。

 それもそのはず、そもそも人間は、走るのに二本の脚しか持たない。これで四本足で走る動物たちと張り合えるはずがない。
 ほかにも、直立しているため走ると空気抵抗が大きいこと、なども理由がある。

 だが、それに比べて馬はどうだろう。
 一般的な馬の襲歩(全力疾走)は40~48km、サラブレッドは60km程度、超短距離ならばクオーターホースという種で容易に90kmを超える。

 人間では到底対抗できそうもない。


走るウマ

 が、ウマ娘は時速70km近い速度で走る。


はしるわれらがダスカ

 先ほども言ったように、ヒトの体は走ることに適していない。
 それなのに、ウマ娘はその体で、たった二本の脚で、サラブレッドと同等の速度で走る。
 一体、どのようなことになっているのだろうか?
 果たしてどのような力があれば、人間の体でサラブレッド並みの力を出せるのだろう?

ウマ娘の体重は?

 ヒトも馬も筋肉で動いている。それはウマ娘も同じである。
 しかし、その筋肉は、人間と同じ筋肉なのだろうか。言い換えれば、数字で導き出せるような「空想科学的な」筋肉なのだろうか。
 それとも、ファンタジーの力を借りた、数字ではどうしようもできない不思議パワーな筋肉を彼女たちは持っているのだろうか。

 前者後者を、ここでは両方求めてみたい。

 まず、筋力は、ウマ娘の走る速度や練習風景、そして体重などから求められそうである。

 しかしここでまた問題が起こる。

 ウマ娘の体重、公開されていない!!

体重が明記されていない問題(公式ポータルサイトより

 これは大問題である。その筋力を測るには、その筋肉が動かす体の重さが必須なのだ。

 そこで体重を求めるには、二つの方法がある。
 そして、筆者が立てた二つの問題にも合致する。

 ファンタジーと空想科学。

 その体重とそれを構成する筋肉は、超科学的な不思議パワーからのものか、それともある程度科学的に計算できるものか。

 簡単に言うと、科学そっちのけで現実の少女たちのようなふさわしい体重を求めるか、科学的に筋力などから体重を求めるか、である。

 ではまずは、前者からやっていこう。

 女性の体重を求めるのは少々心苦しいが、ここはいろいろ予測させてもらおう。

 文部科学省が出しているデータによれば、中学三年生(スペシャルウィークをここでは標本とする)、15歳の女子の平均体重は、51kgだという。
 ほかにも、中学三年生で158cmの適正体重は50kg程度とされているので、ここは51kgとしてみよう。
 一つ目の体重候補は、51kgという事になった。

 次に後者、どのくらいの筋肉がついているかというところから、体重を求める。
 そもそも筋肉は、それが動かすものの重量(ここでは体重)が必要なのだが、そもそもその体重がない。

 なので、「ウマ娘の体重ぐらいは無視できるものを運んでいるシーンから求める」、という手法をとってみたい。
 実に都合のいいことに、ウマ娘はよくデカいタイヤを引いている。あの身長をゆうに超えるデカいタイヤである。(下の画像参照)
 ブリヂストンが作った、世界で最大のタイヤがモデルらしい。


ブリヂストン公式サイトより引用(リンク先ページ)

 実際には巨大な重機のためのタイヤらしいが、ウマ娘たちはこれをひいてトレーニングをしている。

デカい。ゆうに身長の倍程度もある。


 重さは5.1t、もしウマ娘が100kg近い体重でも、それなりに無視できる重量である。
 さて、ここからが問題である。実際にあるデータから近似するよりも、はるかに手間がかかる作業の始まりである。
 
 さて、ではウマ娘の筋力をここから求め、人間でいうとどれくらいの筋肉量を持つか計算し、それがウマ娘の皮膚の下にぎゅうぎゅう詰めになっている、という無茶苦茶な仮定をして、体重を算出していこう。

 まず、このタイヤ引きが、どれくらいの負荷になるのかを計算する必要がある。
 それにおいて一つの指標になるのが、仕事量である。仕事量とは、あるものの重さを、どれくらいの速度で動かせたか、で求められる。
 つまり、「タイヤの重さ」、「動かす速度」が分かれば求められる。
 タイヤの重さは5.1t。
 アプリ内のトレーニングでは、一秒ごとに一歩、そしてかなり大股の一歩のため、0.5メートルほどと仮定して、

 5100(タイヤの重さ)×0.8(地面とタイヤの摩擦係数)×9.8(重力加速度)×0.5m/s(動かす速度)=19,992

 得られた値は19,992W(ワット)
 どれくらいのものかピンとこないので、データを提示すると、

 人間のアスリートが全力で出す時の仕事量が、2,000W

 つまり、ウマ娘たちは、トップアスリートの軽く十倍近くの仕事量を出せるということである。

 そして、仕事量は、筋肉の1㎤あたりの筋力量の3乗に比例する。
 アスリートの筋肉量をしらべても出てこなかったので、計算すると、

身長158cm、体重58kg、体脂肪率10%のヒトの筋肉量は、体重の27〜37%程度

ということが分かった。間をとって34%ということにしてふたたび計算すると、アスリートの筋肉量は19.72kg、ということがわかった。
 筋肉は1kgで910cm³の体積となるので、19.72kgの筋肉の体積は、17945.2cm³となる。

 仕事量は筋肉の体積の3乗に比例するのでつまり、その十倍の力を出せる筋肉量は、10の三乗根で、約2.15倍の筋肉があればよい。

 つまり、

 17945.2×2.15=38582.18

 そしてこれを、逆算して重量に戻すと…………

 38582.18÷910=42.398kg

 ウマ娘の筋肉は、42.398kgあるということが分かった。
 そこから、他の重量を戻して計算すると、81.398kg

 う〜ん、なんとも現実的な数字!
 しかし、81kgとは、普通のアスリートやボディビルダーならば到達できそうな数字であるようにみえる。
 だが、忘れてはならないのは、この体重を、身長158cmの少女が有していることである。
 158cmの体重81kgは普通にバケモンすごいことである。超肥満か超筋肉かの二択だ。

 というかこの場合、ウマ娘は81kgの体重のうち、51%、つまり半分以上が筋肉で占められている。
 先ほどのアスリートの筋肉量が、体重の27〜37%ということだったので、51%のウマ娘は人間の尺度にするととんでもなくムッキムキということになる。

 まあこれくらいの筋肉であれば、皮膚の下にみっちり詰めてもなんとかなりそうだ。

 正直百キロとか行くんじゃないかとおびえていたが、実に意外! ウマ娘のパワーと体重は、かなり現実的な関係にあった!

普通の女の子と筋肉ダルマ

 ということで、ウマ娘の体重は

 筋力を不思議パワーに任せれば51kg

 筋肉量で求めると81.398kg

 ということが分かった。

 筆者は天を仰ぎたい気分である。
 これほどにもうまくいくとは。

 不思議パワーに任せずとも、計算的にはかなり現実的な数値になってくれた。
 それでも現実のヒトの筋肉の体積にすればかなりの筋肉ダルマと化すだろうが、そこはご想像にお任せする。

 ということで、かなりいい感じの体重が求められた。
 今回はここで筆を置かせていただきたい。

 読者の方々も四千文字以上に渡る文面を読むのに疲れただろうし、何より筆者もここまで書くのに色々調べながら、いろいろ頭を絞っている。

 アグネスタキオンが苦労して研究している理由がわかった気がする。

 というわけで、次回に続く。
 ウマ娘という深い研究対象を研究しつくすには、果たしてどれけかかるのだろうか……


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