夕暮れ少年

先日は、"りっちゃん"こと、RISA COOPER/岡田梨沙のソロアルバム『RISA LAND』のリリースイベントにゲスト出演してきました。

レコーディングに参加した「夕暮れ少年」に加えて「ブックマークセレナーデ」「はばたキッス ロックver.」の計3曲を演奏。
「夕暮れ少年」では、音源にはないギターソロをちょっとロビー・ロバートソン風味で弾いたり、
「ブックマークセレナーデ」では、初体験の"ツインリード"を渡瀬くんとやったり、
自由にやって!と言われた「はばたキッス ロックver.」ではボトルネックで攻めたり、
と、なかなか濃い3曲のステージ。とても面白かった。

りっちゃんと出会って17年か。
出会いは、2005年の2月。
誘われて行ったセッションバンドにいたドラマーがりっちゃんだった。

その1ヶ月前、2005年の1月、年明けすぐに僕は上京した。それまでやっていたバンドが解散することになり、単身東京に出て勝負する道を選んだのだ。

僕は高校時代から、地元・栃木県鹿沼市の隣、宇都宮市を拠点にバンド活動に明け暮れ、地元の宇都宮大学に進学したものの、そこからさらに音楽にのめり込み、大学卒業後は就職せずにミュージシャンを目指す道を選んだ。

上京直前までやっていた「四号線」というバンドは関東一円で活動していて、東京にも毎月来ていた。そしてあるとき新宿レッドクロスの対バンで出会い、惚れ込み、仲良くなった素晴らしいバンド、それが「モノノフルーツ」だった。

そのモノノフルーツのvo.トミーこと相子が、僕が上京するという話を聞いて、「せっかく健ちゃんが東京に来るなら何かやろうぜ」と仲の良いミュージシャンを集めてセッションバンドを組んでくれた。そこに、りっちゃんがいたのだ。

新宿の音楽館という狭いスタジオで、とにかく楽しいセッションだった。田舎から出て来て右も左も分からない僕をみんな温かく迎えてくれた。そして当然の流れで終電まで飲んだ。東方見聞録だったか黄金の蔵だったか。りっちゃんとはとにかく意気投合して、絶対何か一緒にやろう!と熱めにお互い褒めあったりして。それがりっちゃんとの馴れ初め。僕は25歳、りっちゃんは24歳だったんだな。

そのセッションバンドはあくまでも趣味のセッションバンド。数回スタジオに入ったけど、みんなそれぞれの活動に戻っていった。僕は東京での音楽活動を広げていき、色んなサポートをやったり、ウイリアムというバンドに加入して活動を始めたり。りっちゃんは色々やりながら、モノノフルーツのドラマーにもなった。
そして、モノノフルーツの企画ライブで、僕はゲストギタリストとして呼んでもらいスライドギターを弾いたのをきっかけに、スライドギターとしてバンドに参加する形で一緒にツアーに行ったりもした。それはもう、本当に楽しかったな。

後に僕はニコルズを始め、ドラマーにりっちゃんを誘い、出会った日の「絶対何か一緒にやろう」を実現させた。モノノフルーツはというと、そもそも安定した活動のバンドではなく、活動は止まったり動いたり…そしてついにはいつの間にか休止してしまう。

このモノノフルーツというバンドは、僕の人生を語る上で欠かせない。
voのトミー、ギターの稔、そしてベースのハッシーこと橋本大輔(bjonsとかroppenとか色々)。この3人は僕にとって、ミュージシャンとしても音楽仲間としても友達としても、あの頃も今もずっと、色んなものを超越した特別な存在だ。

りっちゃんのアルバム『RISA LAND』でレコーディングに参加した「夕暮れ少年」は、そのモノノフルーツの曲。トミーが書いた曲だ。
僕もその昔、トミーと、稔と、ハッシーと、そしてりっちゃんと、モノノーフルーツとして演奏した曲だ。
今回、谷口くんがリアレンジして新たな息吹が吹き込んでくれ、当時とは随分違ったアレンジに仕上がったけど(これはこれでとても素晴らしいと思う!)、この僕にとっても特別な曲を、今またこうしてりっちゃんとステージで演奏し、それをトミーや稔が観に来てくれていた。
僕にとっても本当に特別なステージになった。

りっちゃんのバンドメンバーもずっと前から知っている人ばかりだし、来ていた関係者も含めて同窓会のようなイベントでもあって。それをちゃんと音楽の場所で会えたということも嬉しかった。
それもりっちゃんらしいな、とつくづく思った。
りっちゃんならでは、と言うべきか。

りっちゃんには、昨年の11月、D.W.ニコルズの新体制のバンドセットにも、サポートで参加してもらっている。

色々を経て、またこうして一緒に音楽ができていること、本当に嬉しく思う。

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