富士見市スポーツ推進審議会に参加する前の振り返り
スポーツ行政とどう向き合うか。
どうも、ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。
今日は自分の為の勉強回とさせてください。
明日、私にとって2回目の富士見市スポーツ推進審議会があります。そこで、第2期の富士見市スポーツ推進計画の策定について意見交換をすることになっているので、改めて第1期のスポーツ推進計画と第1回の会議で示された第2期の素案について確認をし、持っていく意見を決めておこうと思っています。
(※実は第2回の会議資料は既に手元にあるのですが、現時点でその内容を公表するのはNGかもしれないので、会議後に共有したいと思います)
第1期富士見市スポーツ推進計画の振り返り
まずは第1期のスポーツ推進計画を振り返ってみましょう。概要版というのが富士見市のホームページにアップされているので、よろしければそちらもご覧ください。あ、もちろんこのマガジンで扱うのは、総合型地域スポーツクラブの部分が中心になります。
実は概要版は冊子になっているのですが、最初の見開きに『総合型地域スポーツクラブ』の文字が出てきます。そのページがこちらです。
『さらにスポーツを推進するには』という見出しに続いて、7つの項目が挙げられており、その1つにこう書いてあります。
⑦総合型地域スポーツクラブの創設に向けた取り組みを行う。
こんな序盤の目立つところにこの記載があるところに、当時の計画に携わった方々の想いを感じますよね。
第1期のスポーツ推進計画では基本目標が4つ立てられました。
【基本目標①】
すべての年齢層に応じたスポーツ活動の推進
【基本目標②】
スポーツをする機会の充実及び活動への支援
【基本目標③】
健康づくりに向けた取り組みの推進
【基本目標④】
スポーツ活動ができる環境整備の推進
これらの基本目標のそれぞれに指標と施策展開の方向性が紐づけられているのですが、総合型地域スポーツクラブは基本目標④の『スポーツ活動ができる環境整備の推進』の部分に入っています。
基本目標④の指標と施策展開の方向性は以下のように記載されています。
○基本目標④
「スポーツ活動ができる環境整備の推進」
【指標】
・誰でも気軽にスポーツを行える環境の整備とともに、計画的なスポーツ施設の整備・拡充を目指す。
・総合型地域スポーツクラブ創設に向けた支援
平成28年度現在のクラブ数「0」→平成33年度目標クラブ数「1」
【施策展開の方向性】
4-1 総合型地域スポーツクラブ創設への支援
4-2 公共スポーツ施設の整備・効果的活用
4-3 地域施設の有効活用
4-4 企業や大学との連携
ここは大事なのでしっかり確認しておきたいのですが、『富士見市は総合型地域スポーツクラブを創設しようと計画している』。これがまずは重要な事実ですね。
そしてその狙い・目的は、『スポーツ活動ができる環境整備の推進』だということです。
つまり、富士見市が創設したかった総合型地域スポーツクラブは、ただ”総合型地域スポーツクラブ”という冠をつけたクラブではなく、”スポーツ活動ができる環境整備の推進に役立つクラブ”ということです。総合型地域スポーツクラブだったら何でもいいというわけではありません。市民が期待した効果があるかどうかが重要です。
さて、さらに総合型地域スポーツクラブに関する部分を見てみましょう。施策展開の方向にはさらに『事業内容』と『区分等』という項目がくっついています。
画像でも読めるかもしれませんが、一応抜粋してみます。
【総合型地域スポーツクラブ創設への支援(4-1)】
①啓発活動の推進
総合型地域スポーツクラブの理念や仕組みなどについて情報の収集と提供を行うとともに、必要に応じて各種団体や地域に対して啓発活動を行っていきます。
<区分:新規>
・実施団体への聞き取りや近隣団体の視察
②推進母体の発掘とスポーツ団体等への理解の促進
総合型地域スポーツクラブの推進母体となる団体や核となる人物の発掘を行うとともに、スポーツ団体や学校等と協議の場を設け、総合型地域スポーツクラブ創設に対する理解と連携協力の促進を図ります。
<区分:新規>
・意見交換の実施など
③創設後の支援の在り方の検討
総合型地域スポーツクラブのクラブハウスや活動拠点の確保など、創設後に必要な支援の在り方を検討していきます。
<区分:新規>
・継続して運営できる仕組みの検討
ここからも総合型地域スポーツクラブをちゃんと作って、作った後もしっかり市として支援していくんだという姿勢がすごい見えますよね。具体的にここまで言っているのですから。
ここまでが第1期のスポーツ推進計画の振り返りです。現在、令和3年度(平成33年度)が第1期の最終年度にあたっているというわけです。
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第1期の評価
まだ最終年度を数か月残している段階ではありますが、市が第1期の計画をどのように評価しているのか、それを確認したいと思います。ちなみに私の情報元は『令和3年度 第1回富士見市スポーツ推進審議会』。傍聴も可能ですし、議事録がホームページでも公表されている開かれた会議です。
(※もう明日に日程が迫っているのに、日程や会場が『未定』となっています・・・。全然開かれた会議になっていない・・・(;^_^A)
(※↑は第1回の議事録です)
この会議では、行政の担当課による評価が共有されました。評価はA~Eの5段階で付けられており、『A すぐれて順調』『B 順調』『C 概ね順調』『D やや遅れている』『E 遅れている』ということです。
総合型地域スポーツクラブに関連する部分の評価はというと・・・
【基本目標4】スポーツ活動ができる環境整備の推進・・・C
・4-1 総合型地域スポーツクラブ創設への支援・・・d
となっています。ちなみに、dが付けられたのは、総合型地域スポーツクラブ創設支援以外にはもう一つしかありません。それも同じく基本目標4の『公共スポーツ施設の整備・効果的活用』について。このあたりの計画実行が”やや遅れている”という評価を行政担当はしているということです。
さらにここから、各項目の事業実施数及び評価内容も共有されました。総合型地域スポーツクラブ創設については、
①啓発活動の推進
②推進母体の発掘とスポーツ団体等への理解の促進
③創設後の支援の在り方の検討
が実施する事業として計画されていましたが、それぞれの評価は以下の通りでした。
①啓発活動の推進・・・d
②推進母体の発掘とスポーツ団体等への理解の促進・・・d
③創設後の支援の在り方の検討・・・d
まさかのオールdです(;^_^A
また、平成29年度から令和2年度までのそれぞれの事業実施数は全て『3』が記載されており、気になった私は会議の場で担当者に質問をしました。すると、この『3』の内容は、県などが主催する研修会への参加や、近隣の総合型地域スポーツクラブへのヒアリングなどだそうです。私の正直な感想を申し上げると、「それを事業を実施したと評価するのか・・・」でした。かなり甘めに評価したdと言わざるを得ないと思っています。なぜe評価を付けないのかというツッコミもできそうですが、きっと内部評価などの色々な事情があるのでしょう。dが実質的な最低評価と見て間違いないかと思います。
いずれにせよ、市としては総合型地域スポーツクラブに関する計画を全然実行できなかったと評価しているということです。
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第2期の方向性(前の示されたもの)
さて、この評価を受けて第2期はどうしていくか。その課題や方向性も、第1回のスポーツ推進審議会で示されていました。いただいた資料には、『第1期富士見スポーツ推進計画から引き継ぐ取り組み』として、
(1)健康に関する内容
(2)未達成だった内容
が挙げられており、未達成だった内容の部分で『総合型地域スポーツクラブ創設への支援』が入っています。これを目にした私は非常に安心しました。私が総合型地域スポーツクラブを作ろうとしていることで、市の動きにストップがかかってしまうことを私は一番恐れているからです。その事態になると、「上杉はやらない方がよかった」ということになってしまうからです。私がよかれと思ってやったことが、実は富士見市民の利益を損なってしまうかもしれないのですから。(※本当なら市が全面的にバックアップして総合型地域スポーツクラブを創設したかもしれないのに!上杉が勝手に小規模クラブを作ったせいで市が動かなかったじゃないか!!ということです)
でも、ちゃんと第2期に総合型地域スポーツクラブ創設への支援を引き継ぐと書かれていて、私は本当に安心したんです。富士見市の皆さんに恨まれずに済みそうです(;^_^A
ここまでが前回私が出席した会議で共有されたものです。
総合型地域スポーツクラブについて言えば、第1期の計画をどのように引き継ぐのかが注目すべき点だと思います。もう私は既に市が示そうとしているものを持っていて、実は非常にモヤモヤしています。このモヤモヤを解消すべく、会議ではしっかり案を作ったかたに質問しようと思っていますが、回答次第ではふじみスポーツクラブを総合型地域スポーツクラブと名乗るのをやめようと思っています。少なくともオフィシャルには。ただし、toto助成金にもかかわってくるので、県スポーツ協会に率直に相談しよう思っています。
いずれにせよ、今はまだ何とも言えません。
令和3年度 第2回スポーツ推進計画審議会
10月27日(水)19時30分~@富士見市 市役所 分館3階 会議室
ここでは、『富士見ガーデンビーチの跡地利用についての意見交換』という結構重大な議題も含まれています。もしご都合よろしければ、ぜひ傍聴にいらしてください。
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ということで今回は、富士見市のスポーツ推進審議会の出席に先立ちまして、確認の意味を込めて勉強を共有させていただきました。会議後、上杉がどんな感情を持って帰ってくるのか、ご期待ください(笑)
今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!
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総合型地域スポーツクラブ研究所
総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…
総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5