指導者の退任リスク
どうも!上杉健太です。
今日は、『指導者の退任リスク』というテーマでお話したいと思います。総合型地域スポーツクラブにとって、非常に頭が痛い問題です。
クラブマネジャーが最も頭を抱える問題の一つが、指導者の退任です。「来年度は契約しません」
「今月いっぱいで・・・」
「・・・・・・・・・(連絡が取れなくなる)」
色々な退任パターンがあります。その度にクラブマネジャーは、その対応に奔走をします。
指導者がクラブを去っていく理由も様々です。
本業や家庭の都合
引っ越し
クラブや会員と合わなくなる
健康上の問題
とりあえずこのあたりが挙げられると思うのですが、この内、一般の会社などにおいても従業員がやめる理由としてよく当てはまりそうなのはどれでしょう?
「本業の方が忙しくてやめます」というのは、圧倒的少数派でしょうし、「引っ越すので会社やめます」というのもかなりレアですよね。普通は、会社から転勤を命じられて引っ越すパターンです。
「やり方が合わないのでやめます」「上司が嫌いなのでやめます」というのは、よくありそうですよね。これは、マッチングという観点から見れば”やめた方がいい”という前向きな退職ですよね。健康上の問題も同様です。その仕事を続けることで健康を害してしまうのであれば、やっぱりそれはやるべき仕事ではない。他にできる仕事をやるべきでしょう。
つまり、指導者が退任する理由として、総合型地域スポーツクラブが何とかしていきたいのは、『本業や家庭の都合』と『引っ越し』となりそうですが、正直、『引っ越し』については本業(転勤や転職)が理由になっていたり、田舎暮らしがしたいといった価値観の部分だったり、「親の介護」などの家庭の事情だったりするので、結構コントロール不能な領域なような気がします。
となればクラブとして問題解決に取り組めそうなのは、『本業や家庭の都合』のところだけです。要するに、「本当はクラブでの指導を続けたいと思っているが、本業や家庭など優先させなければならないことが増えてしまって続けられない」という指導者を救うということですね。
では、本業や家庭を優先させないといけなくなる状況とはなんでしょうか。10年の総合型地域スポーツクラブのキャリアで経験したことをベースに考えると、ほとんどのパターンは『時間』と『お金』が理由です。
例えば土日に指導をしてもらっているコーチに、まだ小学生以下くらいの子どもがいたとしましょう。その家庭にとっては、家族での時間を過ごせる貴重な土日。お出かけもしたいでしょう。でもクラブへ指導へ行ってしまっては、家族そろっての時間は過ごせなくなります。仮に指導がたった1コマだったとしても、それがあることで予定が組めないなんてことはザラにあるんですね。それが家族の不満となり、「クラブでの指導か、家族か」みたいな選択を迫られ、もちろん家族をとる。そういうパターンですね。家族との時間を優先するからクラブをやめていくんです。
また、クラブでの指導報酬を収入源の一つと期待しているような指導者の場合、もっといい報酬の副業を見つけたらそちらへ移ってしまうことはありますし、それこそ本業が忙しくなったりしたらそちらを優先させます。この場合の退任はシンプルに、”報酬面の条件で総合型地域スポーツクラブが負けた”ということです。指導で食っていく夢を持って取り組んできたが、夢破れて一般企業へ就職していくようなパターンもここに含まれます。
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総合型地域スポーツクラブ研究所
総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…
総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5