「あきらめない!」のコツ

 どうも!上杉健太です!

 今日は、『「あきらめない!」のコツ』というテーマでお話したいと思います。先日、TBSで放送されていたドラマ『VIVANT』が最終回を迎えたのですが、最後の方で役所広司さんが演じるテロ組織のトップが目指す理想の社会について熱く語るシーンがありました。そこで、「あきらめない!」と力強く言うんですね。その時に僕は、「あ、もうこれこそが最強だな」と思ったんです。そう、結局のところ、能力だとか財力だとか人的ネットワークだとか、人の強さを測るものはたくさんあるけど、「あきらめない!」と心に決めている人ほど強い人はいないと思ったんですね。
 でも『あきらめない』って、精神論で片づけてはいけないと思っているんですね。今日はそのあたりの僕なりの考えと実践例をお話してみたいと思います。


 さて、『あきらめない』というのはどういう状態なのか。それを最初に確認しておきましょう。

取り組んでいる物事に対して、途中で放棄せずに最後まで遣り通すこと。 「途中で諦めない」「最後まで諦めない」のように言う。

https://www.weblio.jp/content/%E8%AB%A6%E3%82%81%E3%81%AA%E3%81%84

 途中で放棄しない。最後までやり通すこと。そういうことですよね。多くの人の理解とほとんど一致している言葉と言って良さそうな気がします。
 でもよく考えると、僕たちが取り組んでいることって、中には”途中”や”最後”が明確になっていないものもありますよね?何となく終わりを設けずにやっていることってたくさんあると思います。例えば、会社勤めの人が転職をしたとして、それは「途中で放棄した」「最後までやり通さなかった」ということになるでしょうか?そう言える気もするし、そうは言わないような気もしますよね。
 つまり『あきらめる』という言葉は、”取り組んでいる物事”なんて広い範囲に適用される言葉なのではなくて、自分の意思によって目標立てられた物事とか、挑戦とか、そういうちょっと強めの物事について適用するものなのだと思います。例えば、どこかの古臭いコーチに、「グラウンド100周して来い!」と言われて、何とか10周くらいはやったけどそこでやめた時に、「あきらめるな!」とか言われるのはちょっと筋違いだと僕は思っているということです。それは自分の意思で決めた目標ではないから、あきらめるという言葉の土俵にはないって感じです。

 その上で、「あきらめない!」という役所広司さんのセリフを思うと、あれは彼の過去の経験や信念、理念に基づくもので、そこには強烈な意思がありました。だから「あきらめない!」なんですね。


 『あきらめない』が最強ということは、ほとんどの人は”あきらめてしまう”ということです。ほとんどの人がやらないからこそ、『あきらめない』という状態は強い。やり続けるということがいかに難しいか、僕たちは既に知っていますよね。

 僕は総合型地域スポーツクラブの活動を始めて約10年。地域スポーツの活動を始めて約21年です。これを『あきらめずにやり続けている』という状態かどうかは判断が分かれるところかと思いますが、たぶんそれなりに”あきらめるポイント”はあったと思いますし、なんだかんだであきらめずに続けている部分はあると思っています。

 例えば、大学生の時に立ち上げて10年ほど運営したフットサルクラブは、メンバーが激減して2~3人で練習をする時期が何度もあった気がするけど、何やかんやで乗り越えてきました。たぶんあの時に、「もう解散しようか?」と提案することはできたと思います。でもしませんでした。
 総合型地域スポーツクラブについても、地域の人から酷い言葉を投げ掛けられて、「やってられるか!」と思ったことは何度もあります。企画したものに人が全然集まらなかった時もあるし、はじめて赤字を計上した時には責任をとってやめようとも思いましたし、本当に色々なところに”あきらめるポイント”がありました。大体、『やめる』みたいな発想がよぎる時は、自分の事を信じられない時だと思います。そこはもう、今でも定期的に襲って来る発想で、僕はどうしようもないものだと思っています。そこは正直、”やり過ごすしかない”と思っています。でも疑ってはいけないのは、理念です。僕の場合だと、「絶対にこの社会には地域で当たり前にスポーツを続けられる環境が必要だ」という考えだけは疑ったことがありません。総合型地域スポーツクラブはその為の手段です。『あきらめない』という行動・状態のコツの一つがこれだと思います。大きいところ(目標や理念)は絶対に疑わない。周りの人や自分のことは嫌いになっても、大きいところは嫌いにならないでください!ということです。目の前では色々なことが起きるけど、目指していた先にある大きなものは、ずっと変わらずに俺のことを待ち続けているではないか。そう考えるんですね。これがコツだと思っています。大自然の中に行くと急に、「これまで悩んでいたことなんかちっぽけだった」と言い出す人がいますが、あの感覚に似ているのかもしれません。大きなものの前では、大体のものはちっぽけで気にするに値しないものなんです。


 とはいえ、一つ目のコツはちょっとだけ精神論に近い気がします。それこそ、そこまで理念を持って挑戦している人ばかりではないでしょう。「何となく面白そうだから」という感じで何かに取り組んでいる人だっているはずだし、それはそれでリスペクトされるべきです。

 そこでもう一つお話しておきたいコツが、「ただでは転ばない」ということです。これは失敗のコツと言ってもいいと思います。『あきらめない』というのは要するに、失敗しても続けると言い換えることができると思うのですが、多くの人は失敗をきっかけに『あきらめる』をしてしまうと思います。でも、実は多くの人が頭では理解しているのは、「失敗は成功の母」ということですよね。失敗するからこそ成功に近づくんです。でも、その時にちょっとした損失を出したり、ちょっとした恥をかいたりすることで、あきらめてしまう。このまま続けても損が膨らむだけだと考えてしまうわけです。確かに成功には近づくんだろうけど、目の前の損失を受け入れられない。そう考えるわけですね。
 だったら、損失に目を向けるのではなく、『得』に目を向ければいいと僕は思っています。失敗には絶対に、『得』が含まれているはずなので。

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5