非営利ってそういうことだったんだ
何事も、自分なりに理解して、自分の言葉にして表現できるようにしておくことが大事ですね。
どうも、ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。
今日は、『非営利ってそういうことだったんだ』というテーマでお話します。ふと、そう思ったんです。「あ、非営利ってそういうことだったんだ」って。だからそのまんまのテーマで書いてみます。
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営利と非営利の誤解みたいなお話はよくさせていただいています。その時によく使う説明は、「非営利っていうのはね、稼いではいけないということではなくて、儲けを分配してはいけないということなんだよ」です。
これはまったく正しいわけですが、これを言われてもたぶんほとんどの人がピンと来ないと思います。
他にも、「非営利っていうのはね、一人で経営したり、親族で経営したりしてはいけないんだよ」という説明や、「解散後の財産は公的なところに譲渡しなければいけないんだよ」という説明もあるわけですが、たぶん90%の人が「ふーん・・・」としか思いません。
私は、その本質は何かを説明できないといけないのだと思いました。利益を分配しないのは何故なのか。なぜ個人事業主ではダメなのか。なぜ親族で経営してはいけないのか。なぜ財産を公的なところに譲渡しなければならないのか。
これらの疑問に答えられる本質。それは、「財産をみんなのものにする」だなと思いました。ポスティングをしながら思いました。
非営利事業で作った財産は、みんなのものにするんです。非営利組織としてやっている総合型地域スポーツクラブなら、集めた会費は会員みんなのお金だし、活動によって作られた財産(お金、仕組み、信用など)も会員のものだし、もっと言うなら、それらのものは解散後に市町村などの公的機関に譲渡されるものだから、ある意味では市民全員のものだとも言えるわけです。
これが非営利の本質だなと思いました。特定の誰かの財産を作るのではなく、みんなの財産を作る。これが非営利事業の本質です。
(※もう言い切っちゃう!)
創業者が死んだら何も残らないのではなく、お金が残り、仕組みが残り、後に引き継がれていく。それが非営利組織なんです。(※誰も引き継がなかった場合には財産が公的機関に譲渡されて活用される)
利益を分配しないとか、個人事業や家族経営ではダメとか、財産のこととか、そういうのは全て、『みんなの財産にする』という本質が体現されたものだったんです。
・・・これって当たり前のことでしょうか?何だか大発見をしたみたいに書いてしまいましたが、実はもうみんな、「いや、そんなこと知ってたし」って感じでしょうか?
だったらもうごめんなさい。私はこういうことがよくあります。凄い遠回りしてやっと、世間の常識を理解するみたいなことが。「みんなが言ってたアレって、そういうことだったのね!」つって。
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もし、あまりそういう意識でやっていなかったという私みたいな人がいるなら、ここから行動が大きく変わるかもしれませんよ。私たちはみんなの財産を作りにいっているわけです。みんなの為に使うお金、みんなの為に使う仕組み、みんながいつまでもいられる場所。
そう考えると、私には一つ重要なキーワードっぽいものが浮かんでくるんです。『残す』ということです。財産って、残すものじゃないですか?何かをやってうわーッと盛り上がって後には何も残らない。財産ってそういうイメージじゃないですよね?何かをやって後に何かが残り、それを基にまた何かをやってまた何かが残り、それを誰かが引き継ぎ、また何かをやって何かが残り・・・。財産ってそういうイメージじゃないですか?財産って残すことが重要なんです。
私たちがやろうとしているのはこれですよね。総合型地域スポーツクラブを市民の財産として残していこうぜっていうことですよね。それが非営利でやっている総合型地域スポーツクラブのメッセージですよね。非営利が発するメッセージは、「安いよ安いよ~」ではないんです!「みんなの財産作ろうぜ!残していこうぜ!」です!
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少し前に、総合型地域スポーツクラブが公共施設を使う理由というものを書きましたが、それも同じ考え方ができると思います。誰もが使う権利がある公共施設で活動するからこそ、その活動自体が財産になる。後に引き継げる状態にできるわけです。もし、その時のクラブ代表の私有地で活動していたら、その代表が死んだり、あるいは何らかのトラブルでクラブに使わせない判断をしたりした場合に、活動が継続できなくなる。自分たちで自由にできないものは財産とは呼べません。公共施設の場合、仮にクラブ自体が解散してしまっても、メンバーが活動だけを引き続く行っていくことができるわけです。実際、解散してしまった総合型地域スポーツクラブにはよく見られる現象です。個々の活動として残っていくんです。
みんなの財産を残していきたい総合型地域スポーツクラブは、だから公共施設を優先的に活動場所として考えるわけですね。決して、「安いから」という理由だけではないんです。
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というわけで今回は、『非営利ってそういうことだったんだ』というテーマでお話ししました。私たちは、非営利事業によって、みんなの財産を作っているんです。そう考えると、私が長野県喬木村であれほど頑張って育てたクラブを手放したのも、自分でも納得ですよね。非営利組織のリーダーは、いつでも退き方や終わらせ方を考えておかないといけないんです。それはみんなの財産だから。リーダーが独占するものでは絶対にないし、囲い込んだり、しがみついたりするものでもないから。
あ、一応誤解のないように言っておくと、『みんな』の中にはちゃんと『自分』も入れて設計しないと、余程の聖人でない限り続かないと思いますから、ちゃんと自分のメリットも考えてやるべきだと思っています。誰かの何かの参考になれば幸いです。
今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!
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総合型地域スポーツクラブ研究所
総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…
総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5