カジュアルにやめられることが生涯スポーツには大事
全国を見ると、まだまだ最高気温35℃以上の日はありそうですね。油断禁物。
どうも!上杉健太です!
埼玉県富士見市の総合型地域スポーツクラブの代表やスポーツ推進審議会委員、長野県のクラブのアドバイザーなどをしながら、生涯スポーツ社会の実現を目指して活動しています。総合型地域スポーツクラブのキャリア10年目に突入しました!
今日は、『自分に合う=ハマる』というテーマでお話したいと思います。今日の教材は、新R25チャンネルさんのこちらの動画です。
こちらの動画は、基本的にはビジネスパーソン、特に会社員に向けたものだとは思いますが、総合型地域スポーツクラブにおいても学びが多い回だったなと思います。
先に、こちらの動画で改めて学びになった点を挙げておきたいと思います。
人の『好み』『向き不向き』『やりたい・やりたくない』は変わる。
個人は”飽きる”。
ハマったものを、僕たちは「自分に合っている」と言い換えているだけなのかもしれない。
ずっとハマり続けることはなく、いつか冷める。
飽きたものをやり続けるのは辛くて、次のハマるものを探せばまた夢中になれる。
自分から「やりたい!」と言ったことに対して「飽きた」とは言いにくい文化・風習・価値観がある。
飽きたらやめるということが、人のエネルギーを無駄にしない方法。
飽きた・冷めたものは頑張れない。それが人間。無理矢理やらせてもパフォーマンスは下がる。
辞めたい時に辞められる方が長続きする。
「飽きた」「冷めた」を言いやすくすることが大事。
飽きている人に対して、「次はこれをやってみない?」と提案できるマネジャーが最高。
常に、よりハマるものを探す方がみんなにとって幸福。
最近、退会する人が立て続けに出て、頭ではある程度仕方がないと分かっていても、やっぱりちょっと精神的にはダメージを受けるんですよね。でも、よく考えたら人がスポーツに飽きるのなんて当たり前なんだよなということを思い出すことができました。
問題は、やめてしまったことではなくて、クラブの中で次の活動を提案することができなかったことなのですが、それは経営的な問題であって、会員個人の問題として見た場合には、最近の退会者はやめる目的が明確で、次の活動が決まっている人たちだったから、不幸になっていないんですよね。前向きな”やめる”だった。だったらもう、そこはシンプルに、「次はクラブの中で次の選択をしてもらえるように、さらにコンテンツを充実させていこう」という反省だけでいいなと思いました。
よく考えたら、僕自身が何度もスポーツをやめてきた人間です。
小学1年生から通った剣道の道場は、そもそも親にやらされていたものだったので、「野球がやりたい!」と言ってやめました。その野球は、小学3年生から中学2年生まで続けたのですが、所属していた野球部が部員不足と顧問不在というダブルパンチによって廃部になったことがきっかけでやめました。この2つは、飽きたからやめたという感じではありませんが、次のテニスは「飽きたから」とも言える理由だったかもしれません。
テニスは高校の3年間やりました。初心者から始めて、都立高校の団体戦でベスト8までいきましたし、部長なんかもやったりして、本当に熱中してやっていました。でも、高校卒業とともにやめました。その頃の正確な気持ちは覚えていませんが、「次はフットサルをやろう」というのをずっと思っていて、実際に1浪した後に大学へ入学した時には、地元にフットサルクラブを立ち上げていました。何となくですが、自分にはテニスなどの個人種目よりも団体種目の方が向いているという感覚はあったのだと思います。シングルスよりもダブルスの方が好きだったし、個人戦よりも団体戦の方が好きでした。個人戦の時の僕のメンタルの弱さは一級品です(笑) なので、飽きたという感覚とは少し違いますが、テニス熱があの頃冷めていたのは間違いないと思います。それが総合型地域スポーツクラブのキャリアをスタートさせるや否や、再びテニスをすることになるのだから、「やめたら終わりということは全くない」ということを僕はめちゃくちゃ実感しています。
大学生の頃にスタートさせたフットサルは、総合型地域スポーツクラブのキャリアをスタートさせるに伴って移住をしたことをきっかけにやめることになりました。これも飽きたとかではないですね。今でもフットサルはチャンスがあればまた始めたいと思っていますからね。
こうやって振り返ると、僕は色々とスポーツをやめては始めてきたけど、飽きたとか冷めてやめたのはテニスくらいですね(笑) それも今では仕事として10年近くやることになっていて、「結局お前は何一つ飽きてないやないかい!」ということが分かりました(笑) でも僕は、結構気軽にやめてしまうからこそ、テニスのようにまた再び始めることができているのは間違いないと思います。野球だって、大学生の頃だったか、中学時代の友人に誘われて草野球チームにちょっとの間入っていたことがありましたから、野球に何ら抵抗はありませんでしたし、何ならやっぱり野球は楽しかったです。(※これ、今久しぶりに思い出しました)
ただ、明らかに自分には向いていないと思って続けなかったスポーツもたくさんあります。例えばスノーボード。大学時代に何度か友人と雪山に行ってやったことがあるのですが、何度かやってある程度転ばないようになった時には、もうすっかり飽きていました(笑) 水泳も好きではないし、マラソンも好きではありません。結局、お喋りが大好きな僕は、一人で黙々とやる系の種目が向いていないのだと思います。そういうものは一度やってみて、「あ、これは楽しくない」と思ったら基本的には近づかないようにしますね。(※嫌いになる前に離れる。水泳は学校で無理矢理やらされたから完全に嫌いになった)
さて、総合型地域スポーツクラブの話に戻します。生涯スポーツ社会の実現を目指す総合型地域スポーツクラブは、「人は絶対に飽きる」を前提に事業を展開する必要があるということです。今テニスをやっている人が、一生テニスだけをやって過ごせるとは思わない方がよくて、必ずそれに飽きたり冷めたりする時が来ると思っていた方がいい。(※もちろん、稀に死ぬまでハマり続ける人もいます。)
そうすると、特定の種目や特定の志向だけの活動だけを用意していても、生涯スポーツ社会の実現にはなかなか近づけないことが分かります。他団体と相互送客をするような関係性を構築していれば話は別ですが、今のところの地域スポーツ社会にそのようなシステムを構築できているところはほとんどないでしょう。利害関係というものが複雑に入り組んでしまい、非常に調整が難しいからです。だったら1つの総合型地域スポーツクラブの中でできるだけのコンテンツを用意するというのが現実的になってきます。何かに飽きて別のことがやりたくなった時に、払ってしまった会費を無駄にすることなく別のスポーツに変えることができる。気軽に変えることができる文化をクラブ内で作り上げることができれば、「やめる」「変える」ということがよりカジュアルになり、それが結果的には自分に合ったスポーツをやり続けることになり、生涯スポーツ社会を実現する。そういうことなのだと思います。
会員が退会してしまう時には、やめる理由ばかりを反省するのではなく、次の選択肢を提示できなかった規模の不足を反省することも大事だということですね。総合型地域スポーツクラブのマネジメントには非常に重要な視点です。
ということで今回は、『自分に合う=ハマる』というテーマでお話しました。その時その時でハマるものが存在し続けているクラブを目指して、これからもゆっくりクラブを成長させていきたいと思います。長い道のりです(笑)
今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!
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総合型地域スポーツクラブ研究所
総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…
総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5