エンジョイスポーツではスモールステップが大事
どうも、上杉健太(@kenta_u2)です。”誰もが、いつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる”総合型地域スポーツクラブを広める活動をしています。これまで7年間長野県のクラブでマネジャーやコーチをしてきて、現在は埼玉県富士見市での立ち上げにチャレンジしています。
今日は『エンジョイスポーツではスモールステップが大事』というテーマでお話したいと思います。
エンジョイスポーツとは
まずエンジョイスポーツとは、エンジョイ志向のスポーツ活動だと思ってください。総合型地域スポーツクラブは多志向の活動を揃えようとするクラブで、志向には主に以下の4つがあると思っていて、その中の楽しむためのスポーツがエンジョイスポーツです。
・競技志向・・・勝ち負けや技術を競うためにやる
・健康志向・・・健康の維持増進のためにやる
・コミュニティ志向・・・仲間をつくるためにやる
・エンジョイ志向・・・楽しむためにやる
エンジョイスポーツの現実的な立ち位置
総合型地域スポーツクラブにおいて、エンジョイスポーツは非常に重要な役割を果たします。エンジョイスポーツと言うのは、本来は競技力などとは関係なく、誰もがスポーツをする時に持っているものだとは思うのですが、現実的には運動能力や技術が比較的低い人が選ぶ傾向が強いです。
例えば初心者。はじめてそのスポーツをやるという人ですね。
初心者の時から競技志向の人がいないわけではもちろんありませんが、最初はエンジョイ志向の人が多いです。ジュニアの競技志向とエンジョイ志向の両方があれば、初心者の多くはエンジョイ志向を選びます。これは私の経験上では明らかですね。
とすると、エンジョイスポーツというのは、『スポーツの入口』という非常に大きな役割を持っていることになります。
(※もちろん、スポーツの入口というのは、エンジョイスポーツの一つの側面でしかありません。エンジョイ志向から競技志向へ移行していくような場合は、まさにエンジョイスポーツはスポーツの入口ですが、ずっとエンジョイ志向のままスポーツを楽しむ人も多いので、エンジョイスポーツは入り口どころか生涯続く一本のトンネルという見方もできます)
入口でつまずかせない
スポーツの入口としてのエンジョイスポーツを考えると、ここでつまずかせるわけにはいかないんですよね。これから長いスポーツライフの最初の部分。スポーツの色々な面白さを味わう為にも、ここで挫折させるわけには絶対にいきません。
技術的にすぐに正式ルールでの試合が難しい種目ってありますよね。例えばテニスや野球。そもそもサーブが入らないとか、ストライクが投げられないとかバットに当たらないとか。
初心者がそこでつまずいて、試合をするところまでたどり着けずにやめてしまったら、スポーツの持つ面白さを感じずにやめてしまったことになり、とてつもなくもったいないです。
初心者が選択する場合も多いエンジョイスポーツでは、とにかくつまずかないことが大事だと思います。最優先事項と言ってもいいと思います。その為に大事なのが『スモールステップ』です。
スモールステップとは
ステップとは『階段』のことですね。スモールは『小さい』ですから、スモールステップは『小さい階段』ということです。つまり、クリアしやすい課題のことを言っています。つまずかないことが大事なエンジョイスポーツでは、1つ1つの課題は、とにかくクリアしやすいことが大事です。
どのような目標に向かう場合も、目の前の小さな課題をクリアし続けることで大きな目標に近づいていくことになると思います。そういう意味では、競技志向でもスモールステップは大事です。
しかし、そこには目標達成のスピードが関係してきます。例えば3年以内に全国大会出場を果たすという目標がある場合、ステップを細かくし過ぎると3年で到達しないかもしれません。そこには、大きくジャンプアップするような課題設定が必要になることもあります。
だから激しい努力をし、時には挫折のリスクを抱えながらアスリートは必死に取り組むわけですね。
このように目標達成のスピード(時間・期限)という観点が入ると、ある程度ステップを大きくしなければならないわけですが、『つまずかない』の優先順位が高いエンジョイスポーツの場合は、『進んでいる』ということ自体が重要なので、スピードは重要ではありません。なので思い切ってゆっくりとスモールステップを上がっていくことができるのです。ゆっくりゆっくりと。根性や努力で上がっていくというよりは、小さな達成感で進んでいくという感じですかね。
(※もちろん、スモールステップでトトトンと速く登っていけば、むしろ早く上達するなんて場合も多くあるとは思います)
スモールステップで大事なのは個別の課題設定
スモールステップの設計の肝は、つまづかない高さ設定です。実はその高さは、低ければ低いほどいいというわけではありません。難しすぎる課題にやる気が出ないのと同じように、簡単すぎる課題にもやる気が出ないものですよね。そこには適切な高さが必要なんですね。
ちなみに、どこかの研究によると、成功確率60%くらいの課題が一番モチベーションが上がるという結果が出ていたはずです。よかったら調べてみてください。 ←丸投げですみません(笑)
適切な高さを設定しようとするとやらなければならないのは、ひたすら人に合わせるということですよね。例えば水泳なら、まだ10mも泳げない人には、まずはプールサイドで壁を持ってバタ足で10秒キープさせるとか。もう15mくらいは泳げる人には、25mまで距離を伸ばしてみるとか。そういう個別の課題設定が大事です。
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総合型地域スポーツクラブ研究所
総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…
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