総合型地域スポーツクラブは経済を後方支援する

 どうも!上杉健太です!
 埼玉県富士見市の総合型地域スポーツクラブの代表やスポーツ推進審議会委員、長野県のクラブのアドバイザーなどをしながら、生涯スポーツ社会の実現を目指して活動しています。

 今日は、『総合型地域スポーツクラブが支えるもの』というテーマでお話したいと思います。たまにビジネス系の動画などを観ていると、「もっと世界で戦わないと」みたいな発言に出会うことがあり、その度に、「俺の仕事はそこじゃないしな~」みたいに、少しだけ仲間外れにされたような寂しさを感じたりするのですが(笑)、それでも僕たちが世界で戦う日本に何も貢献できないかというと、そうじゃないと思っているので、そのあたりをお話したいと思います。


 結論から言うと、僕たち総合型地域スポーツクラブは、世界で戦う日本企業で働く一人一人の支えになれます。これは僕が地域スポーツクラブがこの社会には必要だと思ったこととほぼイコールなのですが、企業を支えているのは多くのサラリーマンであり、彼らの多くはもの凄く疲弊しています。仕事にやりがいがあるかどうかは別として、長い労働時間や通勤時間、人間関係でどうしても疲れてしまうわけです。サラリーマンだった僕も、ある程度そうでした。(※僕は残業しない、休日出勤しないを結構守っていた人だから、疲労度の程度は低かったと思うし、過労みたいなことで倒れたことは一度もない)
 そんなサラリーマンには、絶対に休息が必要なんですね。休息と言っても、家のベッドで寝ることではありません。いや、それはそれで絶対に必要ですが、そういう休息ではなくて、仕事とは関係のない話をしたり、体を動かしたりする、いわゆる積極的休養というジャンルのものですね。シンプルに言えば、仕事以外のことをする必要があるんです。一人でする趣味みたいなものでもいいでしょう。でもそこで他人とのコミュニケーションもあるとなお良いと僕は思っていて、その機能を果たせるのが地域スポーツクラブだと思っています。運動しながらコミュニケーションがとれて、最高の休息ができると思っています。

 総合型地域スポーツクラブの社会的な意義はここにあると思っています。健康も大事ですが、今バリバリ働いている人たちの週1回程度の休息の場となる。そしてバリバリ働ける状態を維持する。僕がサラリーマンの時は、週に1回か2回のフットサル・サッカーを楽しみに平日の仕事を乗り越えていた日もたくさんありました。

 僕たちは直接的に日本のGDPを大きく押し上げることはないだろうし、外貨を稼いでくることもないでしょう。でも、働いている人がこれからも元気に働けるように、休息の場となることができるんです。


 さらに、ここから価値が上乗せされる場合もあります。それは、コミュニケーションが頻繁なクラブにおいて生まれる価値です。交流により生まれる人脈という価値ですね。
 同じ会社の人とコミュニケーションをとっているだけでは、人脈には早く限界が来てしまいます。ところが地域の人はそうではありません。そもそも色々な仕事をしていたり、色々な価値観を持っているから、そこと交流するだけで人脈や価値観、知識が広がります。それはあるいは、直接的にビジネスの役に立つがあるでしょう。大学生の時にフットサルクラブを立ち上げて色々な社会人が入ってくるようになって、本当に面白い話を色々と聞かせていただきました。直接的、意識的にビジネスに活かせることがなくても、そういうものは血となり肉となり、無意識的に何かの役に立っているだろうというのが僕の基本的な考えなので、いずれにしても地域スポーツクラブで人と交流することに損はないだろうと思っています。


 総合型地域スポーツクラブの社会的な価値としてはよく、『健康』が挙げられます。特に、高齢化社会となった日本において、それが重要な観点であることに異論はありません。でも、健康と言っても色々な側面があり、僕はもっと働く世代の健康にこそケアをすべきだと思っているんですね。だから僕は20代の時に地域スポーツクラブの必要性を感じたんです。だってあまりにも倒れていく人が多いんだもの!!!何仕事で倒れてんだよ!って話なんですよね。いや、これは個人を批判しているのではありません。そこに意味はありません。社会の問題と捉えないと、僕たちは前に進めない。頑張る人が倒れてしまう社会。これを僕は否定したい。倒れるほど頑張れるのは、場合によっては素晴らしいことかもしれない。でも倒れたら正直迷惑だし、せっかくの頑張りもほぼ無意味になる。だから絶対に僕たちはもっと、『リカバリー』に目を向けなければならないんです。僕はクラブの子ども達にいつもこう言っています。「頑張って回復する。また頑張って回復する。これの繰り返しだ」


 僕たち総合型地域スポーツクラブは社会のいわば癒しの存在となって、貢献できると思っています。子ども達についてはまだ社会的に何かを生み出す存在ではないかもしれないけど、将来的にスポーツというものを”回復アイテム”として使えるようにする為に、「スポーツが楽しいと思える」「複数のスポーツが選べるようにする」というアプローチをしています。もちろん、自分たちがやりたいことをやるのがクラブですから、個人的な価値観も尊重した上で、ですが。
 さしづめ、RPGのパーティーでいうところの、僕たちは回復魔法を使う僧侶とか白魔導士とかって感じです。前線でバリバリ戦う勇者や戦士などを後方から支援するんです。そういうイメージを持つことで、ちゃんと経済活動に参加している意識を持つことができます。卑屈になる必要はありません(笑)


 ということで今回は、『総合型地域スポーツクラブが支えるもの』というテーマでお話しました。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5