NPO法人か、一般社団法人か。

 どうも!上杉健太です。
 埼玉県富士見市の総合型地域スポーツクラブの代表をやったり、スポーツ推進審議会委員をやったりしながら、生涯スポーツ社会の実現を目指して活動しています。41歳、総合型地域スポーツクラブのキャリア11年目に入り、体にボロが出てきています。今は腿が超軽い肉離れ(笑)

 さて今日は、『NPO法人か、一般社団法人か。』というテーマでお話したいと思います。


 総合型地域スポーツクラブは、任意団体でスタートし、法人化していくというステップを踏むところが多いと思います。特に昔は、スポーツ団体が法人格を持つことも少なかったせいかもしれませんが、いずれにせよ最近は法人格を持つように促す流れすらあるくらいです。

 そんな中で僕自身も経験した悩みが、「法人化。NPO法人にするか、一般社団法人にするか?」です。


NPO法人とは

 まずは、NPO法人とは何かをおさえておきましょう。Google先生に聞いてみます。

NPO法人(特定非営利活動法人)とは、特定非営利活動促進法に基づいて法人格を取得した団体で、営利を目的とせず、社会貢献活動を行うことを主たる目的としています。

NPO法人の特徴は次のとおりです。
・法人格を持つことで、団体名義での契約締結や土地の登記など、権利義務の関係を処理することができる。
・収益を上げてかまいませんが、利益を会員等で分配しない。
・営利法人では行うことの難しい社会のニーズに合った柔軟な活動ができる。

NPO法人を設立するには、所轄庁に申請をして設立の「認証」を受ける必要があります。認証後、登記することにより法人として成立します。

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 ここでおさえておきたいポイントは、NPO法人は100%非営利団体だということです。
 もう一つ重要な点に、NPO法人は都道府県の管理下に入るということです。このあたりもGoogle先生に説明してもらいましょう。

特定非営利活動法人(NPO法人)は、原則として主たる事務所が所在する都道府県の知事が所轄庁となります。ただし、事務所が指定都市の区域内にある場合は、その指定都市の長が所轄庁となります。また、2つ以上の都道府県の区域内に事務所を設置するNPO法人の所轄庁は内閣総理大臣となります。

NPO法人の所轄庁には、認証権や監督権があり、法令や定款に違反する疑いがあると認められた場合は、NPO法人に対して業務や財産状況に関する報告を求めたり、事務所に立ち入って検査したりすることができます。

NPO法人は、特定非営利活動促進法に基づいて設立され、非営利を目的として運営される組織形態です。営利を目的とせず、社会的な使命(ミッション)を達成するために自主的に活動しています。

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 NPO法人は、都道府県に対して様々な報告義務が生じるんですね。

一般社団法人とは

 では次に、一般社団法人についておさえておきましょう。

一般社団法人とは、営利を目的としない非営利法人で、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立されます。一般社団法人の主な特徴は次のとおりです。
・利益を社員や役員などに配当・分配することはできない
・利益は法人の活動目的のために使わなければならない
・設立手続きが比較的容易で、法人格を取得しやすい
・事業内容に特に制限はない

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 一般社団法人も非営利法人として説明がされていますが、実は一般社団法人の事業内容は自由だし、場合によっては営利法人になることもあります。ここがNPO法人との違いの一つです。
 また、NPO法人とは違い、都道府県に対する報告義務などを負いません。ここもおさえておきたい重要ポイントですね。

それぞれのメリット・デメリット

 それでは次に、簡単にそれぞれのメリットとデメリットを挙げてみましょう。公正にする為に、Google先生に同じように質問してみたいと思います。

NPO法人

 まずはNPO法人のメリット・デメリットです。

NPO法人(特定非営利活動法人)になるメリットとデメリットには、次のようなものがあります。

<メリット>
・社会的な信用度が高まる
・税制面での優遇がある
・補助金や助成金などの公的資金の申請資格が得られる
・民間からの支援を受けやすい
・団体名による登記や契約が可能になる
・組織の継続性がある
・金融機関から融資を受けることもできる
・活動を行うために必要な職員を雇用できる

<デメリット>
・設立に時間がかかる
・行政への事業報告が必要
・設立時に10人以上の社員が必要
・活動に制約がある
・特定非営利活動促進法に厳格に定められた手続きに従わなければならない

NPO法人を設立するには、設立認証や定款、事業計画書の作成、設立登記など、膨大な資料作成や手続きが必要です。株式会社や合同会社と比べて手続きの数が多いため、起業家にとってはより負担が大きくなります。

NPO法人の設立手続きは、法律の専門家である行政書士に依頼するケースが多いです。

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 簡単にまとめると、NPO法人は社会的信用性が大きく高まる可能性がありますが、その分、事務作業のコストが大きくなるのが特徴だと言われています。また、Google先生の説明を一つだけ補足すると、雇用に関しては別に任意団体でも代表者が雇用主になることで可能です。

一般社団法人

 次に一般社団法人のメリット・デメリットです。

一般社団法人を設立するメリットには、次のようなものがあります。

・設立手続きが簡単で、官庁の許認可は不要
・社員2名から設立でき、設立時に財産は必要ない
・任意団体と異なり法人格を持つため、信用力がつく
・事業内容の制限がなく、収益事業を主目的とすることができる
・法人名義で銀行口座を開設したり、不動産の登記名義人になることができる
・国や地方自治体と契約する場合に有利
・法に定められた法人運営により組織の基礎がしっかりして、社会的信用が得られる

一方、一般社団法人を設立するデメリットには、次のようなものがあります。

事業利益が出たとしても社員や構成員に利益分配ができない
・非営利型にしなければ株式会社と同じである
・社会的信用力の面で弱い場合がある
・公益認定を受けるには高いハードルがある

 簡単にまとめると、簡単に設立ができるけど、その分信用度の向上はNPO法人ほどではない、という感じだと思います。

総合型地域スポーツクラブの法人格の実態

 さて、では実際には総合型地域スポーツクラブでは、どちらの法人格が選ばれているのでしょうか?スポーツ庁の調査結果を見てみましょう。

令和5年度 総合型地域スポーツクラブに関する実態調査結果

 まず、そもそも法人格を取得しているのは全体の35%です。半分にもいっていませんね。それ以外のクラブは、任意団体として活動をしているか、あるいは行政の事業として活動をしていて、会計を持たないクラブなんかもあるかもしれません。

 さらに法人格の種類についてみると、NPO法人が73.9%、一般社団法人が18.2%と、圧倒的にNPO法人が多くなっています。しかも、トレンド的に最近では一般社団法人の方が多くなっているのかなと思いきや、前年度よりもさらにNPO法人が増えているというのが実態のようです。

 ちなみに、平成28年度の結果も確認してみると、法人格の取得は全体の27%。その内、NPO法人は86.4%、一般社団法人は7.7%なので、大きな流れで見ると一般社団法人の割合は増えてきていると見ることができるかもしれません。

平成28年度 総合型地域スポーツクラブに関する実態調査結果

結論

 一応結論めいたことを出しておきます。NPO法人にしろ、一般社団法人にしろ、メリットは社会的信用度が高まること。これに付随して、契約が取り易かったり、雇用がしやすいなどの効果が生まれてきます。また、経営の透明性などの向上にも繋がるでしょう。その効果がより強いのがNPO法人です。
  一方、NPO法人は毎年の事業・決算報告を都道府県に行わなければならなかったり、設立のハードルが高かったりと、色々とコスト面が大きくなります。事務局がそれなりに大きい組織ではないとNPO法人の経営は大変でしょう。事務局機能が小さい組織の場合は、一般社団法人を選択しておいた方が無難と言えるかもしれません。

 ちなみに僕は、2つの総合型地域スポーツクラブの経営を経験していますが、どちらも一般社団法人を取得しました。その中で、「一般社団法人じゃなく、NPO法人にしておけばよかった」と感じたことは一度もありませんので、一般社団法人の不都合というのはそんなにないのかなというのが僕の印象です。


 というわけで今日は、『NPO法人か、一般社団法人か。』というテーマでお話しました。誰かの何かの参考になれば幸いです。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

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