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総合型地域スポーツクラブの認証制度

 どうも!上杉健太です。
 埼玉県富士見市の総合型地域スポーツクラブの代表をやったり、スポーツ推進審議会委員をやったりしながら、生涯スポーツ社会の実現を目指して活動しています。自分に合ったスポーツがきっとある!

 さて今日は、『総合型地域スポーツクラブの認証制度』というテーマでお話します。県のスポーツ協会からメールをいただき、そういえばそういう制度設計があったなと、急に思い出す感じに僕はなったのですが、同じような思いの総合型地域スポーツクラブは多いのではないかと思うので、ここでも扱って微力ながら周知に協力したいと思います。もちろん、その是非というか、実際にどうするか?みたいなところまで考えられたらなと思います。

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 ではまず、今回共有された認証制度の説明資料(公益財団法人日本スポーツ協会・総合型地域スポーツクラブ全国協議会)を画像で貼り付けていき、順番にファクトベースの確認をしていきたいと思います。資料画像については読みにくい点があるかもしれませんが、テキストに直すのが面倒過ぎるので、ご容赦ください(;^_^A

総合型地域スポーツクラブ登録・認証制度 認証制度に関する説明 2025(令和7)年1月31日 公益財団法人日本スポーツ協会 総合型地域スポーツクラブ全国協議会

 この資料の部分は、特に新しいものではないかなと思います。令和4年に登録・認証制度の登録部分が始まった時にも、このような資料はあったように記憶しています。ここで理解しておくべきは、登録クラブをさらにタイプ別に分ける(タグ付けをする)のが認証である、ということでしょう。

 では次の資料を見てみましょう。

総合型地域スポーツクラブ登録・認証制度 認証制度に関する説明 2025(令和7)年1月31日 公益財団法人日本スポーツ協会 総合型地域スポーツクラブ全国協議会

 ここの資料で多くの人が注目するのは、唯一の具体的なタイプ別認証として出て来たのが『部活動の地域展開タイプ』ということでしょう。もう2つ、『介護予防タイプ』と『障がい者スポーツ推進タイプ』も具体的に挙げられてはいますが、いずれも”検討中”となっています。つまり現時点では、総合型地域スポーツクラブの認証制度として存在しているのは、『部活動の地域展開タイプ』のみ、ということになります。(※ん?)

 なんかこの時点でかなり気になる点が出てきていますが、いったん次の資料へ進みましょう。

総合型地域スポーツクラブ登録・認証制度 認証制度に関する説明 2025(令和7)年1月31日 公益財団法人日本スポーツ協会 総合型地域スポーツクラブ全国協議会

 「認証制度の基本方針」と題されたこの資料ページでは、認証制度のターゲット・基準のポイント・メリット・制度の発展の4つの観点で説明が書かれています。特に注目すべきは、メリットの部分でしょう。認証を受けることのメリットとして、「補助金/助成金/事業受託の獲得・継続 等」と明記されているのです。いったいこれは、何を根拠としたメリットなのでしょうか?今回の説明の元となっていると思われる『公益財団法人日本スポーツ協会総合型地域スポーツクラブ全国協議会 タイプ別認証規程』には、公益財団法人日本スポーツ協会や総合型地域スポーツクラブ全国協議会が、補助金を用意するといったことや、行政に何らかの働きかけをするといった内容は一切書かれていません。となると、この制度の中だけの話で見るなら、認証を受けたからと言って補助金などのメリットが得られる保証は一切ないと見るべきかと思います。(※邪推は後に送りたいと思います)
 一応、『公益財団法人日本スポーツ協会総合型地域スポーツクラブ全国協議会 タイプ別認証規程』の全文を貼り付けておきます。基本的には、クラブ側に求めることばかりが定められています。

公益財団法人日本スポーツ協会総合型地域スポーツクラブ全国協議会
タイプ別認証規程

第1条(総則)
本規程は、基本規程第6条に基づき、公益財団法人日本スポーツ協会総合型地域スポーツクラブ 全国協議会(以下「全国協議会」という。)のタイプ別の認証(以下「タイプ別認証」という。)に関するこ とについて定める。
第2条(目的)
タイプ別認証は、総合型地域スポーツクラブ(以下「総合型クラブ」という。)の特徴を可視化するこ とにより、総合型クラブが公的機関をはじめ様々な地域組織との連携を促進することを目的として行 うものとする。
第3条(種類)
タイプ別認証の種類は、全国協議会常任幹事会(以下「常任幹事会」という。)の議決により設定す る。
2. タイプ別認証の種類は、「タイプ別認証基準細則」に定める。
第4条(認証申請)
タイプ別認証は、基本規程第5条に基づく登録クラブが、全国協議会が別に定める当該タイプ別認 証基準を具備したものをもって、都道府県体育・スポーツ協会都道府県総合型地域スポーツクラブ連絡協議会(以下「都道府県協議会」という。)に都道府県協議会が定める期日月までに申請し、都道府県協議会が取りまとめて全国協議会に2月末日までに申請する。
2. 登録クラブは、複数のタイプ別認証を申請することができる。
第5条(認証審査)
全国協議会は、登録クラブからの認証申請に対し、認証審査を実施する。
2. 認証審査については、別に定める。
第6条(認証)
全国協議会は、前条に定める認証審査において、全国協議会が定める当該タイプ別認証基準を具 備していると認められるクラブを認証クラブとして認定する。
2. 認証クラブに対しては、本会会長名および全国協議会幹事長名による認定証を発行する。
第7条(有効期間)
認定の有効期間は、認定後4年以内に終了する事業年度の3月末日までとする。
第8条(認証更新審査)
各タイプ別認証は、4年度ごとに更新する。
2. 認証更新審査については、別に定める。
第9条(特別審査)
全国協議会は、認証クラブが次の事項に該当する場合、認証基準の具備状況を確認するために、 特別審査を実施することができる。
(1)認証クラブにおいて、当該タイプの事業運営に大きな変更が生じた場合。
(2)認証クラブにおいて、認証の信頼性を損なう重大な事項が生じた場合など。
2. 特別審査については、別に定める。
第10条(認定の取消)
認証したクラブが、次の事項に該当する場合、認定を取り消す。
(1)第7条で定める認証有効期間内に、登録がなくなった場合。
(2)当該タイプの認証基準を満たさなくなった場合。
(3)登録規程第11条で定める処分を受けた場合。 ただし、処分の種類が「注意」または「勧告」の場合、第9条に定める特別審査により当該タイプの 認証基準の具備状況を確認し、取り消しについて全国協議会が判断する。
(4)認証クラブから、認証取消の申し出があった場合。
第11条(認証審査料)
認証を新規に申請するクラブは、審査料として1タイプ1回の審査に対して30,000円(税抜)を全国協議会に納めるものとする。
2. 認証の更新を申請するクラブは、審査料として1タイプ1回の更新審査に対して30,000円(税抜) を全国協議会に納めるものとする。
3. 特別審査の対象となるクラブは、審査料として1タイプ1回の特別審査に対して 30,000 円(税抜) を全国協議会に納めるものとする。
第12条(認証認定料)
認証クラブは、全国協議会が定める認定料として10,000円(税抜)を納めるものとする。
第13条(個人情報の扱い)
本規程に基づき本会が取得した個人情報の取扱いについては、別に定める。 第14条(特記事項)
本規程に定めるほか、タイプ別認証に関して必要な事項は、全国協議会常任幹事会の議決を経て、 別に定める。
第15条(改定)
本規程は、全国協議会常任幹事会の議決により変更することができる。
附則(令和7年1月22日)
1 本規程は、令和7年4月1日から施行する。ただし、令和7年5月末までは、第4条第1項に定める都道府県協議会が取りまとめて全国協議会に申請する期限については、「2月末日まで」を「5月末日まで」 とする。

公益財団法人日本スポーツ協会総合型地域スポーツクラブ全国協議会 タイプ別認証規程

 さて、気を取り直して次の資料を見ていきましょう。ちょっとザワつくポイントだと思います。

総合型地域スポーツクラブ登録・認証制度 認証制度に関する説明 2025(令和7)年1月31日 公益財団法人日本スポーツ協会 総合型地域スポーツクラブ全国協議会

 いくつか気になる点はあるものの、一番気になるのは「審査機関(外部機関)」だと僕は思いました。「総合型地域スポーツクラブの登録・認証制度って、そんな大げさなものだったの!?」というのが僕の印象です。そしてそこに付随して、”審査料”なるものが書かれています。別で認定料というものもありますから、二重で驚きです。一体どんな審査が行われるのでしょう?
 審査方法について深く調べるよりもまずは、次の資料に目を通してからがいいと思うので、ひとまず先に進みます。審査料と認定料についての資料です。

総合型地域スポーツクラブ登録・認証制度 認証制度に関する説明 2025(令和7)年1月31日 公益財団法人日本スポーツ協会 総合型地域スポーツクラブ全国協議会

 なんと、認証を受ける為の審査料が、1タイプの申請ごとに3万円ということです。しかも、その3万円というのは審査費用のほんの一部で、日本スポーツ協会が負担する分も合わせると、1クラブあたりの審査で20万円もかかるというのです。それが、審査機関に支払われるというのですから、これは本当に驚きです。これは相当気合の入った審査が行われるのでしょう・・・。
 さらに、審査が通ると認定料として1万円かかるので、最低でも認証を受けるのに4万円は必要だということです。ちなみに登録制度の登録料は毎年5,000円で、埼玉県の場合は登録をする為に所属をしなければいけない機関があり、そこの年会費が6,000円です。

 さて、審査については別で定められているようなので、これも全文貼り付けておきます。詳細に見ていきましょう。

公益財団法人日本スポーツ協会総合型地域スポーツクラブ全国協議会
タイプ別認証審査・認定細則
第1条(総則)

本細則は、公益財団法人日本スポーツ協会総合型地域スポーツクラブ全国協議会タイプ別認証規 程(以下「認証規程」という。)第5条に基づき、公益財団法人日本スポーツ協会総合型地域スポーツ クラブ全国協議会(以下「全国協議会」という。)が実施するタイプ別認証の審査(以下「認証審査」と いう。)及び認定に関することについて定める。
第2条(認証審査機関)
認証審査は全国協議会常任幹事会(以下「常任幹事会」という。)が実施する。なお、認証審査は常 任幹事会が承認した外部機関に委託することができる。
2. 認証審査業務を委託する外部機関は、次の要件を満たさなければならない。
(1)適正な審査のための独立性、公平性の確保をできること
(2)運営管理体制(審査員確保・進捗管理など)を確立できること
(3)リスク管理体制(機密保持・個人情報保護など)を確立できること
(4)第三者評価に対する事業活動の実績、知識を有すること
第3条(オブザーバー)
常任幹事会は、認証審査を実施するに当たり、オブザーバーを定めることができる。
2. オブザーバーは、認証を審査する常任幹事会に出席し、幹事長及び常任幹事から求められた場合 には、意見を述べることができる。
3. オブザーバーは、常任幹事会の議決権を有しない。
第4条(認証審査の方法)
認証審査は書類審査及び実地審査を行う。ただし、審査機関の判断で実地審査は省略またはイン ターネット回線を利用したオンラインによる面談審査に代えることができる。
2. 書類審査は、総合型地域スポーツクラブ(以下「総合型クラブ」という。)から提出を受けた別に定める書類を基に行う。
3. 実地審査は、原則として総合型クラブの代表者及び、その他1名以上の当該クラブの実務を管理する者(クラブマネジャー等)が立会いの下、前項により当該クラブから提出を受けた書類内容を客観的 に確認するために実施する。
第5条(認証審査結果の審議)
常任幹事会は、前条による認証審査結果をもとに認定を審議する。
第6条(認証審査結果の報告)
全国協議会は、前条による認証審議結果を審査実施当該年度の 10 月末日までに都道府県総合 型地域スポーツクラブ連絡協議会(以下「都道府県協議会」という。)に通知する。
2. 都道府県協議会は、前項の通知を11月末日までに申請クラブに通知する。
第7条(認証更新審査の方法)
認証更新審査は常任幹事会または常任幹事会が承認した外部機関が実施する。
2. 認証更新審査は、書類審査及び実地審査を行う。ただし、審査機関の判断で実地審査は省略またはインターネット回線を利用したオンラインによる面談審査に代えることができる。
3. 認証更新審査は、4年度ごとに行う。
4. 書類審査は、総合型クラブから提出を受けた別に定める書類を基に行う。
5. 実地審査は、原則として総合型クラブの代表者及び、その他1名以上の当該クラブの実務を管理す る者(クラブマネジャー等)が立会いの下、前項により当該クラブから提出を受けた書類内容を客観的 に確認するために実施する。
第8条(認証更新審査結果の審議)
常任幹事会は、前条による審査結果をもとに認定を審議する。
第9条(認証更新審査結果の報告)
全国協議会は、前条による審議結果を審査実施当該年度の 10 月末日までに都道府県協議会に 通知する。
2. 都道府県協議会は、前項の通知を11月末日までに申請クラブに通知する。
第10条(特別審査の方法)
特別審査は常任幹事会または常任幹事会が承認した外部機関が実施する。
2. 特別審査は、原則として書類審査を行うが、必要に応じて実地審査を行うことができる。ただし、審 査機関の判断で実地審査はインターネット回線を利用したオンラインによる面談審査 に代えることが できる。
第11条(特別審査結果の認定)
常任幹事会は、前条による審査結果をもとに審議する。
第12条(特別審査結果の報告)
全国協議会は、前条による審議結果を都道府県協議会に通知する。
2. 都道府県協議会は、前項の通知を当該クラブに通知する。
第13条(改定)
本細則は、全国協議会常任幹事会の議決により変更することができる。
附則(令和7年1月22日)
1 本規程は、令和7年4月1日から施行する。

公益財団法人日本スポーツ協会総合型地域スポーツクラブ全国協議会 タイプ別認証審査・認定細則

 これを見ていると、この認証制度というのがもの凄く重要な契約を結ぶ為の前段階のものに思えてきます。まるで”調査”のような。つまり、この認証を受けるということは、それくらいの価値があるものということなのかもしれません。4万円を支払い、実地検査なども受け入れてもなお、上回るメリットがある。社会的にも、20万円の費用をかけて審査をする必要があるほど、この認証というのは”重たいもの”だと捉えられている。そう考えるべきなのでしょう。(※ただ、実地検査は省略またはインターネットでの面談でもOKと規定されているところがちょっと引っかかるのですが・・・。そこがマストでないなら、かかるコストはだいぶ変わって来る気がするのですが・・・)

 さて、またまた気を取り直して次の資料へ進みたいと思います。申請書類などの手続き的な資料は飛ばして、唯一具体名が出されている部活動の地域展開タイプについての資料です。

総合型地域スポーツクラブ登録・認証制度 認証制度に関する説明 2025(令和7)年1月31日 公益財団法人日本スポーツ協会 総合型地域スポーツクラブ全国協議会

 ひとまず僕たち総合型地域スポーツクラブは、この認証制度に乗っかるかどうかは、イコールこの『部活動の地域展開タイプ』に申請するかどうかということになります。
 ただ、この申請条件を見ると、「③部活動の地域展開における、地域スポーツクラブ活動の運営団体を担っていること」とあります。そもそも認証制度のメリットに、「受託事業の獲得・継続」のような文言がありましたが、既にその役割を担っているクラブだけが認証を受けられるというのは、なんというかちょっと理解が追い付きません(;^_^A もう認証を受けなくてもいいのでは・・・?という突っ込みをしたくなります・・・。

 さて、提供された資料ではセルフチェックシートなど、申請にあたっての細かい説明がされているのですが、ここでは割愛させていただきます。ひとまず、令和7年4月からの認証制度の運用というのは、部活動の地域展開の為に”活用される”という立ち位置になるようです。


 ではここからは、僕の感想というか意見に入っていきたいと思います。

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

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