自分に合ったスポーツの選び方

 どうも!上杉健太です。
 埼玉富士見市の総合型地域スポーツクラブの代表をやったり、スポーツ推進審議会委員をやったりしながら、生涯スポーツ社会の実現を目指して活動をしています。お盆を過ぎても暑いですね。
 さて今日は、『自分に合ったスポーツの選び方』というテーマでお話したいと思います。


 僕が目指している生涯スポーツ社会というのは、「誰もが自分に合ったスポーツを生涯にわたって続けられる社会」のことです。とにかくサッカーが好きな人が、そのライフステージによって競技レベルや志向、体力などが変わっても自分に合った環境で続けられるとか、何かのスポーツに飽きたりして種目を変えたくなった時に、すぐにその時の自分に合った種目に変えられるとか、そういう環境がある社会です。すごく乱暴に言ってしまうと、様々な選択肢が常に選べる状態としてたくさん存在している社会のことです。

 でも実際に、選択肢がたくさんあっても、何が自分に合っているのかを選ぶのって難しかったりしますよね。例えば、「ここに100個の選択肢があります。さあ!あなたにピッタリ合うものを選んでいいですよ!」とか言われても、正直困りますよね。この、選択肢が多すぎると逆に選べなくなる心理効果を『ジャムの法則』と言います。
 そう思うと、一つの総合型地域スポーツクラブでたくさんの種目をやり過ぎるというのは、実は地域住民の為にならないのかもしれませんね。ジャムの法則では、選択肢は5~9の間がいいとされています。総合型地域スポーツクラブの場合、種目で考えた時に、5~9に納めた方がいいということが言えるのかもしれません。それを越える場合は、別のクラブとしてやった方がいい。ジャムの法則に則るなら、これが正解かもしれません。

 いや、今日はそっちへ話を進める気はありません。選択肢が5~9個だろうと、30個だろうと、結局は試してみないと自分に合ったスポーツかどうかは分かりません。例えば2~3個の種目に試しに参加してみた時に、どうやって自分に合ったスポーツを決めればいいか。実はここに迷う人も多いんじゃないかと思うんですね。僕はシンプルに、どれが一番楽しかったかで判断すればいいと思うのですが、たぶん決めるのが苦手な人は、どれが一番楽しかったかも分からないということがあるのだと思います。

 自分に合っていると判断する材料は本当にたくさんあります。ちょっと挙げてみると、

・楽しいと思える(これはもう理屈じゃない)
・自分の体格に合っている(ネットやゴールの高さ、用具の重さなど)
・体力的にきつすぎない
・痛みが辛すぎない(接触スポーツや衝撃を受けるスポーツ)
・技術的なハードルが高すぎない(そもそも当たらないとかは辛い)
・コーチや仲間とコミュニケーションがとれる(誰とも話せないのは辛い)
・コストが高すぎない(参加費、用具費、移動時間など)
・目的が達成できそうか

 もっと挙げようと思えば、たぶんあるのだとは思いますが、とりあえずここくらいにしておくとして、要するにもの凄くたくさんの要素がある中で、僕たちは総合的に判断をして自分に合ったスポーツかどうかを判断します。

 例えば僕は、小学1~3年生で剣道をやっていて、市内の大会で優勝するくらいには強かったのですが、防具の重さや暑さ、そして打たれた時の痛みが嫌でやめました。周りよりも強くても、楽しいと思えなかったんですね。また、小5とか6年生の時に水泳をやったことがあったのですが、これはあまりにも泳げなかったことと、水が冷たいのが辛すぎて続けられませんでした。

 続けるスポーツを選ぶ時には、現実的には、やっぱり「楽しいかどうか」というところになるのだと思いますが、仮に楽しかったとしても、コストが高いと感じたらそれを選ぼうとは思わないし、楽しみ以外の目的がある人の場合は、その目的が達成できないと思ったら選ばないということはあると思います。例えばダイエットがしたくてスポーツをしたい人は、いくら楽しくても運動量が少ないものは選ばない可能性が高いですよね。(※でも、いくらダイエット効果が高くても、楽しくないと続かないとは思います)

 まとめると、自分に合っていると判断する材料としては、

  1. 楽しいか

  2. 継続可能なコストか

  3. 目的が達成可能か

の3つかのかなと思います。


 一方、この判断基準はあまりよくないのでは?と僕が思っていることがあります。それが、他人との比較で決めることです。例えばよくあるのが、周りの性別で決めることです。周りに自分と同姓の人がいないからといって、そのスポーツを選択肢から外してしまう人はよくいます。これは、実際にその状況でプレーしてみて、楽しいと思えないならその感情に従ってOKだと思います。でも、楽しいと思えたんだけど、何となく周囲の目が気になってとか、そういうことで選択肢から外してしまうのは非常に勿体ない。なぜなら、その状況は、極めて一時的な状況だからです。それこそ、体験した日がたまたまそういう状況だっただけなのだとしたら?たったその瞬間だけで判断するのは非常に勿体ないですよね。間違った判断をしてしまっている可能性もかなり出てくると思います。
 年齢で比較してしまう人も多いです。小学生などの場合は自分と同じ学年の子がいない、大人の場合は自分と同年代がいないということで、何となくの”場違い感”みたいなものを感じてしまったりする人がいます。繰り返しますが、その状況が楽しくないのであれば、それを選択しない方がいいでしょう。問題は、楽しかったのに、そういう状況だからとって選択しない場合です。同年代がいないのは、その瞬間だけの可能性があるということをもっともっと考えなければいけません。逆に、同学年とか同年代、同じ性別の人が多くいてしっくり来た場合も、その瞬間は来年には変わっているかもしれないんです。要するにこれは、誰にもコントロールできない領域の話だからです。似た状況としては、仲のいい友達がいるからやる、といったものですね。これも、仲のいい友達がいる間はいいかもしれませんが、その子はコントロールできる対象ではありませんから、明日にはやめてしまうかもしれません。
 大事なのは、そういう他人を判断基準にするのではなく、自分自身の中だけで完結する判断基準を持つことだと思います。これは何もスポーツの選択に限らない話ですね。「周りがこうだからこうする」、ではなく、「自分がこう感じたからこうする」であるべきなのだと思います。そうすれば、周りに振り回されず、本当に自分に合ったスポーツが見つけられるようになるのかなと思います。(※仲のいい人とやれば楽しいというのも間違いないのですが、肝心なのは、その人がずっと一緒にいるとは限らないということなんです。他人は勝手に変わるということなんです)

 どうしても周りを見て判断してしまう気持ちは僕もよく分かります。でも、それをやっていても仕方がないというか、正直勿体ないです。それはあくまでも枝葉の部分で、あったらいいなというくらいに考えておいて、もっと幹の部分、めったなことではな変わらないスポーツの特徴の部分などで楽しいと思えるかどうかを重視すると、自分に合ったスポーツに出会える確率が上がるのではないかなと思います。


 ということで今日は、『自分に合ったスポーツの選び方』というテーマでお話しました。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!


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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

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