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経済格差がスポーツ格差に繋がる問題。からの、部活動的プロジェクト活動を広げようという提案。

 どうも!上杉健太です。
 埼玉県富士見市の総合型地域スポーツクラブの代表をやったり、スポーツ推進審議会委員をやったりしながら、生涯スポーツ社会の実現を目指して活動しています。部活動の地域移行についての考察が僕の中で止まらなくなってきています。(※それだけ課題が多いということなのか、様々な意見や情報が溢れているということなのか)

 さて今日は、『部活動がなくなるとスポーツ格差が広がる?』というテーマで考えてみたいと思います。

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 先日の記事で、部活動が地域移行されると家庭の費用負担が増え、経済的な理由でスポーツをできなくなる生徒が増えるというのは、誤解を含んでいるというような旨を書きました。というのもこれは、民間事業者などが運営する地域クラブに生徒が入会して活動した場合の話であって、部活動の指導を継続したい教師などが任意団体を作って活動を継続した場合などは、そのようなことにはならないと考えられるからです。(※教師がこれまで通りに諸々のコストを負担することにはなる)

 今日は、ちょっと思考を変えて、地域移行によって家庭の費用負担が増えるということを大前提にしてみたいと思います。その上で、スポーツが一部の裕福な家庭だけのものになってしまう!という意見の妥当性を考えていきます。


 中学校の部活動の地域移行をするということは、もの凄く単純に考えると、”小学校と同じ環境になる”と考えることができます。一部の地域の小学校には部活動があるらしいですが、きっと少数派でしょう。多くの小学生は放課後や休日に、地域のクラブや民間の教室などに行ってスポーツをやっています。そして月謝や会費などの費用を学校が負担するということはなく、各家庭が負担をしています。中学生になっても、この状態が継続されると考えると、とてもシンプルで想像がしやすいかと思います。

 さて、中学校の部活動が地域移行されることで、経済的な理由でスポーツができなくなるという主張が認められるのであれば、それは小学生年代にも適用されなければならない問題でしょう。つまり、既に小学生年代では経済的な理由でスポーツができない子がいるということになります。これは事実、そうなっていると思います。共働きが増え、地域の遊び場が減り、子どもだけで遊べる環境がなくなっていく中で、多くの子どもは”習い事”としてスポーツをやるようになっています。そこには多かれ少なかれ金銭的な費用や、保護者のマンパワーなどのコストが生じていますから、経済的に苦しい家庭ではスポーツ機会は少なくなってしまっていると思います。

 当然、小学生よりも中学生の方が人権的に優位などということはありませんから、これは社会としてどうするか、選択を迫られている状況なのかもしれません。小学生にもこれまでの中学生のようにスポーツ環境を整えるのか、中学生にも小学生と同じように地域でスポーツ活動をしてもらうようにするのか。現状の政府の方針を見る限り、後者を選択しているように思えます。


 さて、そうなってくると、一つ気になることがあります。それは、多くの小学校にもクラブ活動の時間があるということです。ちょうど息子は来年度から小4になるのですが、この前、クラブ見学の時間があったそうです。小学4年生になると、週に1回、授業時間としてクラブ活動が行われます。もしも地域移行をするにしても、中学校で週1回のクラブ活動を”授業として行う”というのが認められるべきなのかもしれません。小学校に合わせるのなら、です。
 もしも中学校の部活動の地域移行の正当性の一つに、「小学生と同じ状況にする」があるならば、週1回の授業としてのクラブ活動も同時に認められるべきでしょう。それが実現されれば、経済的に余裕のない家庭でも、週1回のクラブ活動でスポーツをすることができます。あと、そもそも体育の授業があります。そして教師からすると、ちゃんとした業務として顧問や指導をすることができるようになります。結構”あり”な打ち手かもしれません。

 ただ問題は、これを認めてしまうと、「じゃあこれまでの部活を週1回にすればOKってことね。地域の受け皿とか用意しないから、もっとやりたい人は勝手にやってね」という言い分も、可能性としては生まれてしまうかもしれない問題が出てきます。(※こんなことを言う勇気のある人はいないと思うけど)


 ここまで書いていて思い出したのですが、以前何かのメディアで、「学校はもっとプロジェクト活動的なことをする場になった方がいい」という主張を見た気がします。要するにこれは、部活動の価値を言っています。確かに、その方向性は十分にあり得そうな気がします。基礎学力的なものは小学校に任せてしまって、中学校ではもっと自主的なインプットやアウトプットに寄せていくんです。スポーツに取り組んでもいいし、科学に取り組んでもいいし、プログラミングなどのITに取り組んでもいい。要するにこれまでの部活の要素を、むしろ授業時数として拡大する方向性です。その分、授業時数を減らす科目は出てくるわけですが、選択科目を増やすことで、自分に合った科目の履修だけはしっかり確保できると思われます。もちろん、思い切った改革であることは間違いありませんが(笑) でも、これは結構ありな気がしませんか?何となくですが、その方が生徒たちの学ぶ意欲みたいなものは湧く気がしますし、社会に役立つスキルも身につくし、社会人として会社などが人材採用する際にも、判断がしやすいのではないでしょうか?「中学校では○○というプロジェクトに取り組んでいました」って、みんながそれぞれ語れるっていう。国語の成績が5とか言われるよりも、よほど判断しやすそうです。


 なんか話が完全に変わってしまったのですが、僕はこの方向性が結構気に入ってしまいましたね(笑) なんかワクワクします、この方が。顧問となる教師も、実用的な知識やスキルを身につけなければいけなくなって、教師のセカンドキャリアの為にもなるのではないでしょうか?(※それは期待し過ぎか?) あー、もう何か完全に学校が目指す方向性はこっちのような気がしてきてしまいました。どうしよう(笑) とりあえず日を改めてもっと深く考察してみようと思います。


 ということで今日は、『部活動がなくなるとスポーツ格差が広がる?』というテーマで考えてみた結果、「むしろ部活動的なプロジェクト活動を授業として学校でやった方がよくない!?」という仮結論に至ってしまいました。あとでChatGPTと壁打ちしておきたいと思います。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5