コストを下げて持続可能性を上げる
どうも、ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。
今日は、『コストを抑える』というテーマでお話ししたいと思います。日頃、学びと楽しみの為に拝聴している中田敦彦さんのYoutubeチャンネル『Youtube大学』で、飲食店経営についての授業をやっていたんですね。それを見て、総合型地域スポーツクラブの経営においても、大事にすべきポイントがあるなと思ったので、今日はその中からコストカットについて取り上げてみます。
授業で一番と言ってもいいほどに強調されているのは、「守りを固めろ」です。これは飲食店経営に限らず、資本運営とかお金の増やし方とか、そういったあらゆるジャンルにおいて共通して言われていることです。「攻めより守りだ」と。
そして、その『守り』を固める上で最も大事なポイントと言ってもいいのが、コストです。「コストをかけすぎるな」です。
授業では、定年退職したサラリーマンが退職金を元手にこだわりの喫茶店を開業したことを例に、”掛け過ぎのコスト”として以下のモノが挙げられています。
高すぎる家賃
こだわりの内装
こだわりの原材料
安価
価格はコストではありませんが、大事な点なので入れておきます。
もうこの時点で総合型地域スポーツクラブに置き換えてみて、「ドキッ!!」とする人はいるのではないでしょうか。私は動画授業を見て、ドキッとしました。これは総合型地域スポーツクラブのことやかいなーい!って。
家賃・会場費
総合型地域スポーツクラブの家賃として考えられるのは、事務所の家賃や会場として使う場所の会場費(利用料・貸借料)があります。これは特に事務所の家賃は、固定でかかってくるものなので、ここをいかに抑えるかが重要です。
たかぎスポーツクラブの場合
私が前にマネジャーを務めていたたかぎスポーツクラブでは、設立当初は教育委員会の事務所に居候させていただく形でここのコストを完全にカットしていました。
また、教育委員会から自立した後も、行政が建設した複合型の公共施設の中に事務所を構え、その施設を管理することで家賃を免除してもらっていました。むしろ管理料をいただいていたので、非常に有難い環境でした。
行政と組んでいる場合、このようにして家賃を実質ゼロにしているクラブは多いです。学校の空き教室や廃校などを事務所としているクラブもありますよね。
また、会場費もゼロです。これは行政が条例で定めている特例に総合型地域スポーツクラブを入れているからですね。同じ立場の団体としては、体育協会や公民館、学校関係などがあります。これらの団体が公共施設を使う場合、基本的には使用料はゼロ円です。行政の支援があると、会場使用にかかるコストもゼロにできるわけです。これも、総合型地域スポーツクラブが国が推進しているような公的な立場として認められているおかげですね。
ふじみスポーツクラブの場合
現在私が経営しているふじみスポーツクラブも家賃として計上しているコストはゼロ円です。自宅を事務所としているからですね。
自宅を事務所とする場合、問題点は受付方法が限られるということです。窓口に来て面と向かってお話しするということができません。それを何が何でも避けたい場合には、どこか事務所スペースを借りて窓口を設置することになるのでしょうが、そこにコストをかけなくても最低限の窓口業務はできます。それが、ネット上での手続きですよね。
ふじみスポーツクラブでは、全ての手続きをネット上で行うことで、自宅事務所での運営を可能にしています。体験の申し込みも、入会の申し込みも、全てホームページのフォームから行っていただき、相談などがある場合はメールかLINE,電話で対応させていただいています。
現在のところ、お金のやり取りだけは現場でやらせていただいていますが、それも来年度にはなくす予定です。クレジットカード決済かコンビニ払いにしてもらいます。
また、自宅事務所とするともう一つ考えられる問題が、スタッフを雇用できないということです。自宅と事務所スペースを完全に分けられている場合にはいいですが、私は普通に自宅の自分の机周辺を事務所的にしているというだけなので、とても他のスタッフを雇用した場合に、「ここに通勤してきて」と言うことはできません。絶対に来ないで欲しいです(笑)
でもこれも、オンラインでの作業を確立さえしてしまえばほとんどクリアできる問題でしょう。今時、何千人の社員を抱える企業だってオンラインで色々な人が繋がって、コミュニケーションを取りながら仕事をしているんです。たった3~4人程度の職員を抱える総合型地域スポーツクラブがそれができないわけがありません。家賃のコストと、オンライン環境を整えるコスト、比較したらきっと家賃の方が高くなるでしょう。
かけるべき家賃コスト
ここで非常に重要になる視点が、『コミュニティ形成』というものです。事務所を自宅にした瞬間に、そこに人を呼ぶことは想定できません。すると、本来クラブが形成していきたいコミュニティの拠点としての事務所は存在し得なくなります。クラブハウスの機能は失われるということですね。これは総合型地域スポーツクラブとしては非常に痛いところです。家賃コストのカットは、コミュニティ形成のチャンスを捨てることに繋がりやすい。もちろんやり方はあるのでしょうが、基本的にはお金をかけて人が集まれるくらいのスペースのある事務所機能を持つか、行政と組んで場所を提供してもらうか、中長期的にはどちらかを目指すべきだと思っています。
逆に考えると、人を呼ぶような手続きのやり方をしていないのに事務所を構えている場合、それって実は自宅事務所で十分かもよ?ということなのかもしれません。コロナ禍においては特にそうかもしれませんね。
”見た目”や体裁にかかる費用
動画授業で言うところの内装費用とは、総合型地域スポーツクラブの場合は何にあたるでしょう。クラブハウスを持っている場合、その施設の内装にかかる費用と考えることはできるかもしれませんが、ここはもっと視点を広げて、『見た目』とか『体裁』にどれだけお金をかけているか、ということで考えてみたいと思います。そんなところにお金かけすぎると良くないよ、という部分ですね。
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総合型地域スポーツクラブ研究所
総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…
総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5