ちょっとした興味にどう応えるか

 どうも!上杉健太です。
 埼玉県富士見市の総合型地域スポーツクラブの代表をやったり、スポーツ推進審議会委員をやったりしながら、生涯スポーツ社会の実現を目指して活動しています。最近のジメジメが本当に嫌だ・・・。
 さて今日は、『ちょっとした興味』というテーマでお話したいと思います。


 僕が総合型地域スポーツクラブのキャリアをスタートさせた1年目か2年目あたりに、指導者資格を取得して始めたコーディネーショントレーニング。富士見市に移住をした今でも、ずっと子ども達相手に指導を続けています。
 小学生以下を対象に行っているのですが、そこでは、「できるだけ子ども達のやりたいことをやる」を大切に運営をしています。ダイレクトに「やりたいスポーツや遊びある?」と聞くこともあるし、子ども達の表情や盛り上がり具合を観察してこちらから察する場合もあります。特に小学生については、できるだけ色々なスポーツを体験できる場にもしたいと思って、環境やレベルによって色々とアレンジしながら毎週違ったスポーツを体験できるようにしています。(※会場が狭いクラスはできることが限られているのが現状・・・)

 さて、子ども達に「やりたいのある?」と聞くと、伝えるのが好きな子はどんどんと教えてくれます。サッカーとか野球とかテニスとかバスケとか、まぁメジャースポーツが多くなるのは仕方がないのですが、色々なスポーツ名が挙げられます。中にはふじみスポーツクラブで定期活動としてやっているものも多く、そういう子に、「何曜日にやってるけど、よかったら来る?」というような声掛けをしても、そこにはあまり乗って来なかったりするんですね。

 子どもの興味というのもやはりグラデーションがあって、ガッツリやりたい興味もあれば、ちょっとだけやってみたいくらいの興味もあるんですね。あるいは、”この仲間で”やりたいという性格を持った興味もあると思います。サッカーやりたいならサッカークラブに入れば?なんていう単純な話ではないことがあるんです。

 例えば一昔前、それこそ僕が子どもの頃であれば、僕は野球チームに入っていましたが、同時の野球vsサッカーの構造があったせいでサッカーチームに入ることは断念していました。それでも、放課後の校庭でサッカーをやったり、近所の公園や道路でやったり、メイン種目ではない色々なスポーツを気軽にやる場があった気がします。しかし今はその環境はだいぶ失われてしまいました。道路で遊ぶなんて言語道断だと思いますし、そもそも多くの子が放課後に習い事などの活動へ行ってしまい、遊び相手を探すのも大変という状況も多いと思います。だからこそ、やりたい子があれば教室やクラブに入らないといけなくなる流れがさらに強まっていきます。これはつまり、「ちょっとやってみたいくらいの興味」を叶えることが結構難しくなってしまっているのだと思います。

 実はこのちょっとやってみたいくらいの興味というのが、スポーツの普及においては重要な気がするんですね。そこでちょっとやってみて、気に入るかどうかを判断する。気に入ればもっとガッツリやればいいし、気に入らなければ興味がまだそれほど強くない内にスッと引くことができる。もしも、まだまだ興味が弱い段階からガッツリやることを求められてしまうと、これって結構キツイんだと思うんですね。だから、ちょっとした興味には、ちょっとした経験。これを叶えることが重要な気がします。
 そういう意味では、コーディネーショントレーニングの場はそういう「ちょっとした興味」に応えるには最適とも言えます。1時間の内の30分くらいをその種目の体験にあてることが多いのですが、大体ちょっと物足りないくらいで終わるんですね。そこでもっとやりたくなった子は、「またやりたい!」とよく言っています。さらにもっとやりたい子は、その種目に特化したクラブや教室などに入ろうとするでしょう。こういう段階を踏めることはとても重要だと思うし、ちょっとした興味で留まり続ける子のニーズに応える場も重要だと思います。

 どうしても大人は、「そんなに好きならもっとやればいいじゃん」みたいに、子どもにトコトンやることを求めがちな気がします。でも子どもだってそんなに単純じゃない場合もあるんだと思います。「別にそんなにやりたいわけではない」という気持ちは、たぶん子供も持っています。大人もそういうのありますよね?

 ちょっとした興味に応える場。これはスポーツで人が幸せになろうとする時には、結構重要な視点かもしれません。総合型地域スポーツクラブは、特にここはちゃんと意識をしておかないといけないでしょう。これはつまり、練習時間が多ければいいというわけではないということに繋がりますし、こちらから与えすぎてもいけないということにもなるのかなと思います。「ちょっと」を下に見るなんてことも絶対NG。これは認めるべき大切なニーズなんです。ここにもきちんと応えていきましょう。


 ということで今日は、『ちょっとした興味』というテーマでお話しました。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

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