細分化ではなく、まとめるという可能性

 肩が痛いのがデフォルトになってきた。(※痛いけど動けるから気にしないでいい説)

 どうも!上杉健太です!埼玉県富士見市の総合型地域スポーツクラブの代表をしながら、長野県のクラブのアドバイザーをしています。総合型地域スポーツクラブのキャリア10年目に突入しました。

 今日は、『まとめることの可能性』というテーマでお話したいと思います。


 総合型地域スポーツクラブというと、『多種目』『多志向』『多世代』というキーワードに象徴されるように、色々なスポーツを、色々な目的で、色々な世代の人がやっているという状態になっていきます。それは主に、コンテンツの細分化という形で実現されていきます。つまり、同じ時間・場所に、色々な世代の人が集まってみんなで一緒に色々なスポーツをして楽しむというのではなく、「小学生のサッカーは日曜日の9時からね」「高齢者の卓球は火曜日の10時からね」「小学生の競技志向のバドミントンは月曜と水曜と金曜と土曜の17時からね」みたいな感じです。
 多様なコンテンツの中から、自分に合ったスポーツ活動を選択して参加し、それぞれの活動クラスを見た場合には似たような世代・志向の人たちが集まっているが、クラブ全体として見た時には『多種目』『多志向』『多世代』が実現されている。それが多くの総合型地域スポーツクラブだと思います。

 基本的には僕はこれが一つの”正解”の形だと思って総合型地域スポーツクラブを作っています。多様なコンテンツをなるべく多く持つようなクラブです。(※それがちゃんと生涯スポーツになることが大前提)

 しかしこのやり方には大きな障害があります。それは、場所やスタッフの確保です。たくさんの活動クラスを作るには、それだけの場所やコーチ、スタッフが当然必要になります。いくらニーズがあって、クラブとしての理念やビジョンと一致していても、場所や運営スタッフが確保できなければコンテンツを増やすことはできません。そして、基本的には公共施設や学校施設で活動する総合型地域スポーツクラブの場合、活動場所の確保には限界があるわけです。

 あるいは、優先的に公共施設の確保が認められるような行政支援がある総合型地域スポーツクラブの場合は、場所の確保は比較的容易にできるかもしれません。しかし、行政支援がないクラブの場合、場所問題は非常に大きな問題としてのしかかってくるわけです。場所が安定的に確保できないと、コーチの確保も難しくなります。「コーチ!今週は場所がないのでお仕事ありません!」なんてしょっちゅう言われたら、さすがにお仕事としては続けられないですよね。


 現在のふじみスポーツクラブは、行政支援を全く受けていない総合型地域スポーツクラブなので、早々に確保できる場所の限界にぶつかる可能性が高いです。そうすると、現実的には『めちゃくちゃ多くのコンテンツを持つ』という方向性では、総合型地域スポーツクラブとして十分な多様性を実現するのは難しいかもしれません。

 その時に、一つ舵を切る方向性があります。それは、”むしろまとめていく”という方向性です。これまではそれぞれのニーズに対応したコンテンツをそれぞれ作って、分けていくという細分化のイメージで総合型地域スポーツクラブをつくっていました。でも、それに限界がありそうなので、逆をやるんです。むしろまとめる。
 どういうことか分かりやすく言うと、『ファミリークラス』みたいなのを作って、1つの時間・場所で色々な世代が同時に活動しちゃうということですね。小学生も中学生も、大人も高齢者も、みんなで同じ時間・場所に集まって同時に活動する。その中で、志向やレベルでちょっとグループ分けして練習や試合をするとかは全然ありだけど、コンテンツとしては分けない。現場のマネジメントがかなり難しくなるとは思いますが、これができたら場所があまり多く確保できないような地域の総合型地域スポーツクラブでも、多様なニーズに応えることができて、生涯スポーツ社会を実現するような形にもっていくことができるかもしれません。

 さらにこの形は、細分化してそれぞれが別々に活動を行うよりも、総合型地域スポーツクラブとしての一体感が出たり、多様性を普通に認められるようになったり、志向の上下関係(※何となく世の中に蔓延る、エンジョイ志向より競技志向の方が凄い、みたいな)ものを根絶することにもなるような気がしますよね。
 繰り返しますが、たぶんこの形は現場のマネジメントがめちゃくちゃ難しくて、そしてそれこそが肝です。でも、場所が確保できないのだったら、残された道はこれしかないのかもしれません。いかに一つの場所でまとまって活動できるか。(※あるいは自前施設を作ってやるか。それには大きな資本が必要だから、ものすごい寄付が集まるクラブにするか、営利目的で資本を集めるかしかないような気がする。今回のアイデアは、あくまでも非営利で公共施設を会場に活動する典型的な総合型地域スポーツクラブの場合)

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5