総合型地域スポーツクラブのマネジャーに必要な能力

 インフルエンザにかかる人も増えてきていますね。

 どうも!総合型地域スポーツクラブをやっています、上杉健太です。

 今日は、『総合型地域スポーツクラブのマネジャーに必要な能力』というテーマでお話したいと思います。仮に若者が総合型地域スポーツクラブの経営をしたいと思った時に、「こんな能力を身に付けておくといいと思うよ」を伝えられるようになる回です。


 最初に言っておきたいのは、総合型地域スポーツクラブのマネジャーに必要な能力と言っても、そのクラブによってかなり差異があるということです。例えば、結構な規模と歴史があり、分業制などが整っているクラブと、創立まもなく体制が整っていないクラブのマネジャーとでは、その求められる役割は絶対に違うわけです。さらに、その地域の環境や課題によっても違います。なので、「絶対にこの能力が必要だ!」とか、「これとこれを身に付けておけば大丈夫!」ということはないと思っています。

 ただ、「こういう能力はこういう風に武器にできるよ」という提案はできると思っているので、今日はそのつもりで読んでいただければと思います。


情報収集能力

 僕がマネジャーをやっていて一番と言ってもいいほど強い能力だと思うのが、『情報収集能力』です。会員は今のクラブをどう思っているのか、現場の課題は何か、コーチが望む働き方は何か、自治体のスポーツ振興の方向性や担当職員の考えは何か。そういった情報を収集できる能力は、クラブに大きなメリットをもたらせると思います。

 それこそ、「誰誰がバドミントンをやりたがっている」という情報を得ることができれば、その人を起点に新しい活動を作り始めることができるわけです。

 この譲歩収集で気を付けた方がいいと思うのは、”一般のトレンド”みたいなものはあまり関係がないということですね。それこそテレビの情報番組とかで、「このスポーツが話題です」とか言っても、その地域にはまったく響かなかったりします。その地域にはその地域の風土があり、歴史があり、現在の環境があり、その上にブームなどが作られたりするので、一般的に言われていることよりも、小さくてもいいから地域のピンポイントの情報を得られるということが重要だと僕は感じています。それこそ、正論を唱える有名人の言葉を聞くよりも、会員一人の想いを聴く方が重要だということですね。だから、人との会話・対話が好きだという人は、それを武器に情報をクラブにどんどんもたらし、チャンスを作ることができると思います。もしも企画力や実行力がなければ、他に動ける事務員でもコーチでも仲間に入れておけばいいわけです。大体の人は0→1が苦手だったり嫌いなので、そのきっかけを作れる情報収集能力は貴重です。


コミュニケーション能力

 続いて挙げたいのは『コミュニケーション能力』です。コミュニケーションというとちょっと広すぎる感がありますが、先ほど挙げた情報収集能力がインプットの能力だとすれば、コミュニケーション能力はアウトプットの能力だと思っていただければ分かりやすいかなと思います。情報発信能力ですね。

 総合型地域スポーツクラブは多様な会員が活動をしているので、情報共有というのが結構難しいです。例えば、野球に関する情報をバスケをやっている人に発信してもほぼ関心を持ってもらえませんから、発信先によって情報は変えなければいけません。情報によって発信先を変えると言ってもいいです。一方で、総合型地域スポーツクラブとしての流動性を担保しようとすると、個別に情報発信をしているだけでもダメです。それこそ、バスケをやっている人にも野球に興味を持ってもらうことで、何かのタイミングでバスケをやめようと思ったり、違うスポーツもやろうと思ったりした時に、『野球』という選択肢が出て来るわけです。こういうことの積み重ねが生涯スポーツの実現可能性を高めてくれると思います。そうすると、クラブ全体に共通の情報発信をするというのもやっぱり大事なんですね。このあたりの微妙なさじ加減をできる情報発信能力が大事なんです。これが得意な人は、会員に適切に情報を届けることができ、退会を阻止できたり、複数種目に取り組む人を多く生み出せたり、会員を多く集めたりすることができるでしょう。
 最近では、動画や写真を撮影・編集してSNSにアップしたり、会員向けに発信したりする能力も貴重ですね。それでかなり満足度を上げられると思います。(※僕はコーチ兼マネジャーだからなかなかこの作業時間が取れないけど、マネジャーに専念できるクラブならこれができれば強いと思う)

 ちなみにこの能力には、情報発信ツールを使いこなす力というのも含まれています。メールで発信するべきか、紙で発信するべきか、SNSで発信するべきか、適切なツールを判断し、それぞれのツールに合った発信方法を使える力ですね。これは地味に大事だと思います。


コーチング能力

 『コーチング能力』もかなり武器になります。というのも、多くの総合型地域スポーツクラブでは、マネジャーがマネジメントに専念できるということはないと思うんですね。自信がコーチとなってコンテンツを作り、クラブに収益をもたらすことが結構求められたりします。なので、コーチングスキルがある人は、超強いと思います。

 コーチング能力というのも、色々と解釈がありそうな気がする言葉ですが、僕としては、『相手が望む姿になる為に支援する力』みたいな捉え方をしています。決してゴールを提示して引っ張る力ではありません。どちらかというと、相手と対話をして、相手の行動や表情を観察して、相手の求めること(ゴール)を慎重に見極めて、そこに向かって知識を提供したりトレーニングを行ったりする感じ。

 まぁもっとシンプルに言えば、特定の種目だけでもいいからそのスポーツの技術をある程度有していて、それをある程度実演することができて、現場を仕切ったり、その技術を伝えることができればいいと思います。本当のコーチングはその先にある感じではありますが、とりあえずコンテンツは作ることができるので、それだけでも貴重です。(※能力はやっている内にどうしても向上する)

 とにかく、ダイレクトに収益を作ることができるコーチング能力は、総合型地域スポーツクラブ経営において貴重だし、真のコーチング能力があれば、ある程度体制が整ってきた時の組織マネジメントにも活かされます。


 まだまだ細かく言えば武器になる能力はありますが、今日は『情報収集』『コミュニケーション』『コーチング』の3つに留めておきましょう。3つにしておくと”できる人”っぽいですしね(笑) (※あれは最初に言うから効果がある)


 ということで今回は、『総合型地域スポーツクラブのマネジャーに必要な能力』というテーマでお話しました。誰かの何かの参考にもなれば幸いです。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5