報酬を発生させる時、発生させない時。
富士見市の小中学校の夏休みが1週間延長されるようです。
どうも、ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。
今日は、『報酬を発生させる時、発生させない時』というテーマでお話したいと思います。
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総合型地域スポーツクラブの運営には、クラブの為に働いてくれるスタッフの存在が不可欠です。クラブマネジャー、コーチ、事務員などなど。ちょっとしたお手伝いをしてくれる保護者や、場合によっては行政担当者などもスタッフとして見ることもあるかもしれません。
このような人たちの報酬設計をどのようにするか。実はこれ、結構難しい問題でした。業務が固定化されている場合には、「この仕事にいくらね」とか、「この仕事は自給いくらね」とか決めやすいと思うのですが、日常的にある業務ではなかったりすると、その度に報酬を決めるのか?という話になります。特に報酬の話をせずに、そのままボランティアでお願いしてしまうなんてことはザラにあります。
例えば、時給で勤務をお願いしている相手に、勤務時間以外で30分程度の電話相談をするとか。この場合、30分の報酬が発生してもおかしくはないのですが、「電話で相談を受ける」というのが相手に頼んでいる仕事がどうかはっきりさせていない場合、相手も報酬を請求していいのかどうか迷ってしまうでしょう。おそらくこのような場合、この30分の電話はボランティアで対応したりしていると思います。
このようなケースはこの世に無数にあると思うんですね。でも、じゃあ、このような仕事全てに報酬設計をしていったらいいかというと、そうでもないと思うんです。30分の電話のケースだと、報酬が発生すべきという場合もあるとは思いますが、逆に、「そんなものはいらない」という場合だってかなりあると思うんですね。その報酬は野暮ってもんよ、という場合が。
では、どのような時に報酬は設計されているべきで、どのような時には報酬設計はいらないのでしょう。
昨日、この答えになりそうなヒントを某オンラインサロンでもらいました。それは、『ハレとケ』です。原則として、『ハレ』には報酬がいらない場合も多く、『ケ』には報酬が必要という考え方です。私なりに説明してみますね。
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ハレとケ
『ハレとケ』についてまずはWikipedia先生から引用して説明します。
ハレとケとは、柳田國男によって見出された、時間論をともなう日本人の伝統的な世界観のひとつ。民俗学や文化人類学において「ハレとケ」という場合、ハレ(晴れ、霽れ)は儀礼や祭、年中行事などの「非日常」、ケ(褻)は普段の生活である「日常」を表している。ハレの場においては、衣食住や振る舞い、言葉遣いなどを、ケとは画然と区別した。
『ハレ』は非日常で、『ケ』は日常です。つまり、非日常的な仕事の場合は報酬が必要でない場合も多く、日常的な仕事の場合は報酬設計が必要だよね、ということです。これ、結構分かりやすいですよね。日常とは生活のことですから、そこにはちゃんとした報酬設計がないと生活ができなくなっていってしまいますが、非日常は生活を支える部分ではありませんから、金銭という面での報酬設計は必要性が下がるということです。だから、非日常の仕事に対して何でも報酬をつけようとすると、「それは野暮ってもんよ」と言われることもあるわけですね。
たまに、お店が何かちょっとしたサービスをつけてくれることがありますよね。「あの、お代はいくらでしょうか?」「あ~、いいのいいの。これくらいサービスでやっとくよ」っていうあれです。あれは、非日常だからサービスしてくれるんですね。たった1回限りの非日常的出来事だから、そこに対する金銭的報酬は受け取らず、感謝とか信用とかを得ておいた方が価値が高いからそうしているわけです。
でもそれも日常化してくると生活に支障が出てきてしまうから、そうなった場合には報酬設計をちゃんとした方がいいということですね。
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実は仕事を頼む側としてでなくても、頼まれる側としても悩んでいたことがあったのですが、これでかなりスッキリした感じがしました。例えば私は、総合型地域スポーツクラブの運営について、視察を受けたり、相談を受けたり、講演の依頼を受けたりすることがあるのですが、以前はそれについて一切報酬の話を自分からはしませんでした。
すると、多くのかたは報酬の話を持ち出さずにそのままにしてしまいます。視察の場合は、お菓子とかを持ってきます(笑) この時に私はどう解釈して視察や相談を受けていたかというと、『自分へのインプットを報酬とする』としていたのです。相手が持ち込んでくる悩みや地域の状況を知れることが、自分の為になると考えたということですね。なので金銭的な報酬は受け取らずにいました。
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総合型地域スポーツクラブ研究所
総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…
総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5