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総合型地域スポーツクラブ登録・認証制度の効果

 総合型地域スポーツクラブの登録・認証制度には、絶対に『認証マーク』が必要。

 どうも、ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。

 今日は昨日の予告通り、『総合型地域スポーツクラブ登録・認証制度の効果』をテーマにお話ししたいと思います。

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 まずは一応おさらいしておくと、令和4年度から始まる総合型地域スポーツクラブの登録・認証制度は、基準を満たす総合型地域スポーツクラブを全国組織に『登録』をし、さらにそれぞれのクラブをタイプ別(例:子育て支援タイプ)に『認証』をするというものです。これを昨日の記事では、”タグ付け”と呼びました。色々あってよく分からなくなっていた総合型地域スポーツクラブを、”タグ付け”によって社会的な機能や価値を見える化する試みだと思っていいと思います。

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 さて今日は、その効果やいかに!?という話です。まずは日本スポーツ協会が公開したリーフレットで説明されている情報から見てみましょう。

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 ここで挙げられている総合型地域スポーツクラブにとっての効果は以下の3つ。

①地域住民・国民への認知度向上
②社会的な仕組みとしての確立
③上記による企業等とのより一層の連携

 この効果が出てくるプロセスとして、「登録・認証制度を活動することで皆さんのクラブのガバナンス・組織体制が確立されますよ~。すると、活動がより公益的な取り組みとして評価されますよ~。さらに、皆さんのクラブが総合型地域スポーツクラブや認証された”タグ”をどんどん見せていくことで、全国的に、『総合型地域スポーツクラブっていいよね』というブランドができていくんですよ~」という説明をしている図だと思います。

 若干、”絵にかいた餅感”が否めないですが、狙いとしてはそういうことだということですね。

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 私はこの制度は、ある程度の効果を挙げるのではないかなと思っています。実はこの感触は、私の今の立場が大きく関係していると思います。

 私の今の立場とは、『ゼロベースで総合型地域スポーツクラブを立ち上げ、行政支援を受けていない』という状態を意味します。この状態のクラブにとって、登録・認証制度は一種の”箔付”のチャンスであり、クラブの信用を高めることに繋げられるものなのです。

 つまり、「うちは公的な機関に認められているクラブなんですよ」とアピールできるということです。その時に、何か『認証マーク』みたいなちょっとしたロゴデータがあるといいですね。

↓こんなやつですね。

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 そもそも制度の認知が一般市民にとっては0%で推移し続けるようなものだと思うので、おしゃれさよりも分かりやすさを重視したロゴ(マーク)が必要。それを各クラブがしっかり運用することで箔付ができます。「どや!これが目に入らぬか!」って。

 実はこれまでも、こういう箔付は各クラブが行ってきていると思います。例えば、文部科学省が推進していたことを受けて、『文部科学省』という文字を入れて告知しているクラブもありますし、都道府県や市町村に認められているクラブであることをアピールしているクラブもあります。

 ふじみスポーツクラブでも、埼玉県からの認知を得た後のチラシではこのように入れています。

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 今回のチラシはわりと反応がいいように感じているのですが、もしかしたらここがポイントだったかもしれません。特に、事務所も持たず、連絡先が携帯電話の番号のような若干怪しいクラブにとっては、公的な機関に認められているというだけで信用度が大きく異なってくるのだと思います。

 この効果は登録・認証制度でさらに大きくなることは間違いありません。信用の向上ですね。あと、認証によるタグ付けで、クラブの特色が分かりやすくなるという意味での認知向上。

(※恐らく、登録・認証制度でクラブを知っている人が増えるという意味での認知が上がることはないでしょう)

 でもそれらの効果も、ただ待っているだけでは生まれません。登録して、認証してもらって終わりではないんです。登録・認証された状況を、如何に活用するかにかかっていると思います。制度は使ってナンボ。ただ何もしないで待っていても、日本スポーツ協会も総合型地域スポーツクラブ全国協議会も行政も、たぶん何もしてくれないと思います。いや、何もということはないですね。情報提供とか、情報交換会の招待とか、今まで通りのことはやってくれるでしょう。でも、自分から制度を活用していかないクラブにとっては、その程度のメリットしか感じられず、「これで年会費5,000円かよ!」と怒り、この制度から抜けていくことになるのでしょう。

 これは、誰かがクラブに対して何かをしてくれる制度ではなく、クラブが何かを仕掛ける為の制度と捉えなければならないのだと思います。

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 最後に一応付け加えておくと、既に地域で十分な信用を得て、ブランドを構築できているようなクラブにとっては、この制度はほとんど魅力的ではないはずです。実際に、たかぎスポーツクラブにいる時にはこの制度にはまったく興味を持っていませんでした。登録するつもりも当時はありませんでした。たかぎスポーツクラブがどうするかは今のメンバーが決めることですが、まぁ必要ないんじゃないかなと思います。ただ、行政側から、「登録・認証制度を利用してもらえるとありがたい。じゃないと行政からクラブの支援を続ける必然性を議会で説明するのが苦しい・・・」と言った要請があれば別ですね。

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 というわけで今回は、『総合型地域スポーツクラブ登録・認証制度の効果』というテーマでお話しました。まだまだ運用が始まってみないと本当の効果のほどは分かりませんが、現段階で”箔付”(信用の獲得)については各クラブの取り組み次第で確約されているだろうと思います。とりあえず制度の設計者には、認証マークをちゃんと作っておいて欲しいです。これがないと効果は結構減ってしまうと思います。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5