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デカさの科学 〜海・空・大地に棲む巨大生物たち〜

みなさんこんにちは。

今回は、デカさの科学をテーマに、地球上に棲む巨大な生物について考えていきます。

現在の地球であれば、陸上で最大と言われる生物"アフリカゾウ"や海に棲む巨大な生物"シロナガスクジラ"がいますよね。

Wikipediaより
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%BE%E3%82%A6

アフリカゾウは、体長が6〜7mほどあり、シロナガスクジラなら、30mほどの大きさがあります。

exciteより
https://www.excite.co.jp/news/article/Karapaia_52298124/

30mの大きさにもなれば、学校のプールを余裕で覆い隠すほどの巨大さです。

これらの話からも、彼らがどれだけ規格外な大きさなのかが良く分かります。

では、彼らはなぜそれほど巨大になったのでしょうか?

そして、何がその巨大さを可能にしたのでしょうか?

ここからは、地球史の全体を見渡して、巨大と呼ばれた生物たちの秘密に迫っていきましょう。

1.地球に潜むデカい奴ら

まずは、生命の歴史を俯瞰的に眺め、巨大と呼ばれてきた生物たちをいくつか見ていきましょう。

そのために、最初は5億年ほど前まで時計の針を戻してみます。

今から5億年ほど前というと、時代はカンブリア紀。

カンブリア紀とは、約5億4200万年前から約4億8830万年前までの時代の区分のことで、

その時代はまだ、生物たちが陸上への進出を果たしておらず、海が生命の舞台となっていた時代です。

そして、そんな時代の海を支配していた、まさに地球上で最初の支配者とも言える存在が、アノマロカリスです。

古世界の住人より
http://paleontology.sakura.ne.jp/anomarokarisu.html

その全長は約1mほどあったと言われています。

1mと聞くと、「それほど巨大じゃないのでは?」と思うかもしれませんが、

それは僕たちの尺度で考えた場合に限ります。

当時は、アノマロカリスよりも遥かに体の小さい生物たちばかりでしたから、

そんな小さな生物たちからすると、アノマロカリスは超巨大な生物に映っていたはずです。

ねずさんの学ぼう日本より
https://nezu3344.com/blog-entry-4678.html

なので、アノマロカリスは十分にデカい生物なのです。

では、もう少し時代を進めて、次は石炭紀と呼ばれる時代を見ていきましょう。

Marchan Blogより
https://nezu3344.com/blog-entry-4678.html

石炭紀は、その名前からもイメージができるように、この時代の地層からは多くの石炭が取れます。

その量は、現在の地球上における石炭の埋蔵量の20%を占めると言われているんです。

そして、石炭紀の陸上には、既に陸上への進出を果たし、多様化した生物たちが暮らしていました。

その中でも特に目を引くのが、節足動物たちの存在です。

当時の陸上には、今では想像も付かないような巨大な生物たちが多く生息していました。

次のテーマで、その生物たちについて詳しく見ていきましょう。

2.石炭紀のデカい生物たち

では、石炭紀にはどんなデカい生物が暮らしていたのでしょうか?

これに関して少し例を挙げてみると、

アースロプレウラやメガネウラなどの生物が思い浮かびます。

まずは、アースロプレウラの方から見ていきましょう。

*この先、昆虫の画像が出て来るので、苦手な方はご注意ください。



Quoraより
https://jp.quora.com/%E4%BA%BA%E3%80%85%E3%81%8C%E3%81%BB%E3%81%A8%E3%82%93%E3%81%A9%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84-%E3%81%8B%E3%81%A4%E3%81%A6%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%81%AB%E7%94%9F%E6%81%AF%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F

アースロプレウラは、体長が3mほどもあるデカい生物で、史上最大の節足動物でもあります。

また、見た目は凶暴そうな感じですが、食性は草食と意外に大人しいんです。

そして、アースロプレウラの体は、キチン質の硬い殻で覆われていたので、防御力も高かっただろうと予想されます。

さて、それではメガネウラの方はどうでしょうか?

UMAファンより
http://umafan.blog72.fc2.com/blog-entry-418.html

こちらは、アースロプレウラと比べるとサイズは控えめですが、40cmほどの大きさがありました。

ですが、その姿はまさに巨大トンボで、現在の地球上に暮らすトンボよりも遥かに大きいですよね。

ちなみに、メガネウラの凄いところは、体の大きさだけではないんです。

実は、ハンターとしての素質も十分に備わっていました。

例えば、頭には2つの複眼が付いており、後ろを見たり、獲物との距離を正確に知ることが出来ました。

他にも、個別に動かせる翅を持っていたことから、機敏な飛行が可能となり、

最大で時速70kmもの速さで飛ぶことが出来たと考えられています。

巨大なトンボが高速で追いかけて来るなんて、想像するだけで恐怖ですよね。

3.彼らはなぜ巨大化できたのか

さて、それでは最後に、アースロプレウラやメガネウラなどの石炭紀の生物が「なぜ巨大化できたのか」について考えていきます。

これに関しては、少し石炭紀という時代の環境について知っておく必要があります。

ここで重要になるのが、大気中の酸素の濃度です。

石炭紀では、酸素の濃度が35%ほどあり、現在(約20%)よりも遥かに多くの酸素が存在していました。

そして、その酸素の多さが、石炭紀の生物の巨大化に貢献したんです。

では具体的に、どのように貢献したのでしょうか?

この質問に答える前に、アースロプレウラやメガネウラのような節足動物の呼吸の仕方について話をさせて下さい。

彼らは、体中に気管と呼ばれるパイプを張り巡らせているんですが、

そのパイプを使って、全身に酸素を運んでいます。

そして、その酸素の運搬には、大気中の酸素の濃度が大きく関係してきます。

今回は詳しい説明を省きますが、大気中の酸素が多いほど、体中に酸素が巡りやすいと考えて下さい。

一方で、大気中の酸素が少ないと、体内での酸素の巡りが悪くなります。

ですが、石炭紀は大気中の酸素の濃度が高かったため、アースロプレウラやメガネウラのような巨大な昆虫でも、効率良く呼吸をすることが出来ました。

もし石炭紀の酸素の濃度がもっと低ければ、体中に酸素が上手く巡らず、窒息してしまったことでしょう。

35%という高い濃度の酸素が存在していたことで、彼らは巨大化しても窒息しなかったわけです。

こうして、石炭紀の生物たちは巨大化が可能となったのです。

次回は、もう少し時計の針を進め、他の巨大な生物たちについても見ていきましょう。

ありがとうございました。

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