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選手の『命』を守る応急救護

こんにちは。

戸次健太です。@kenta_bcn

今回は、試合や練習、ピッチ外等様々な状況で起こりうる怪我やアクシデントに対する応急処置について書きたいと思います。

選手の命を預かる責任者

サッカー指導者というものは、サッカーを教えればいいだけではありません。

学校では教員が、施設では職員が子供達の命を預かるのと同様、サッカーの現場では指導者・スタッフが選手達の命の責任者であります。

サッカーはコンタクトのある激しいスポーツで多くの怪我をする可能性があります。また元気盛りの子供達は思いっきり遊び回るのでそれに伴うリスクもありますし、真夏の炎天下でもサッカーをする日本では熱中症の危険とも常に隣り合わせです。

いつ起こりうるか分からない怪我やアクシデントに対応できるようにnoteにまとめたいと思いますので、いざと言う時に思いどせるように心の隅に止めておいてください。

カタルーニャサッカー協会主催のコーチングスクールでは応急救護も必須科目として合計20時間近く学びます。

救急バックの内容

既に各クラブ試合や練習に持ち合わせる救急バックはお持ちだと思います。(もしお持ちでなければ早急に揃えてください)

試合や練習中に起こりうる怪我に最低限対応出来るように以下の物を揃えることを推奨します。

・氷 (これは必須です、コールドスプレーを常備してるチームは多いと思いますが捻挫や肉離れなどは瞬間的ではなく氷水やアイスバッグで冷やす必要があります)
・消毒、ガーゼ (最も多い怪我が擦り傷では無いでしょうか?日本はまだ土のグラウンドが主なので傷口に菌が入りやすいです必ず消毒して新品のガーゼで拭き取りましょう)
・ゴム手袋 (出血がある際は素手で触ると感染症のリスクがあり救護してる人にも良くないので必ずゴム手袋を着けて対応しましょう)
・テープ、ハサミ 
・包帯
・ピンセット
・絆創膏
・マスク

応急処置の4つのステップRICE 

RICEとは肉離れや打撲、捻挫などの外傷を受けた時の基本的な応急処置です。

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①Rest安静 →怪我をしたらまずは安静にすることが大切です。必ずしも横に寝かせるわけではありませんが楽な姿勢を取り、患部を動かさないように固定します。

②Icing冷却 →患部を氷や水で冷やします。体温を下げることで患部の毛細血管が収縮して腫れや内出血、痛みを抑えます。ただし直接氷を当て続けると凍傷のリスクもありますのでタオル越しに行うなど注意が必要です。

③Compression 圧迫 →患部にテープなどを巻いて圧迫し、腫れや内出血を最小限に抑えます。きつく圧迫しすぎると良くないので痺れや変色を感じたらすぐには圧迫を緩めましょう。

④Elevation 拳上 →患部を心臓より高い位置にあげます。血液が心臓に向かって流れているので内出血などによる腫れを抑えることができます。しかし腫れの酷い場合や目視で骨折な変形などが確認出来る場合は動かさないように固定します。

基本的な応急処置の流れはこのように推奨されていますが、最も大切なのはむやみに動かさないことです。目視で確認できなくても骨折や脱臼を起こしている可能性がありますので出来るだけその場から動かさずどうしても動かざる得ない場合は板やタオルで固定して動かします。

熱中症の症状と処置

まず第1に真夏の40度近い炎天夏の中で1日に数時間練習したり、何試合も行うことは殺人行為です。

私が日本で指導をしていた時にも何度も救急車で運ばれていく選手を見たことがあります。大人のエゴで真夏に開かれる大会はプレーヤーズファーストとはかけ離れています。死者が出る前に改善しなければいけません。

熱中症の症状は以下事があげられます。

・めまいや顔のほてり 
・筋肉の痙攣
・だるさや吐き気
・異常な量の発汗もしくは、汗が出ない
・体温が高い、皮膚が赤くなる
・焦点が合わず、返答がない

このような症状が見られたら重症に近い熱中症のサインなので素早く対処する必要があります。

熱中症の応急処置

まず初めに重度の熱中症が疑われた場合は処置を行いながらも素早く救急車を要請しましょう。応急処置はあくまで最低限の処置なので病院でしっかりとした処置を受ける必要があります。

・できるだけ風通しがよく涼しい日陰や冷房のある部屋へ速やかに移動させる
・嘔吐等が喉に詰まらないよに横向きに寝かせます。しっかりと呼吸が出来るようにする。
・できる限りの衣服や靴は脱がし体温を下げる
・水分、塩分を与える
・反応が無く、呼吸が確認出来ない場合は人工呼吸を迅速に行う

熱中症予防対策

・屋外ではなるべく日陰で行い、屋内では換気を十分に行う
・濡れたタオルなどでこまめに体温を下げる
・喉が渇く前に水分補給を行う
・日頃から運動で汗をかく習慣をつける。習慣が無い選手にはプレーさせず体を動かす事から始める
・睡眠、食事を必ず取る
・疲れやす、汗をかきにくい等個人の体の特徴を知っておく

指導者は家庭環境や選手それぞれの持病等を全て把握して最大限に注意を払いながら試合やトレーニングを行う必要があります。少しでも異変を感じたら素早く練習を止めて上記の対応をしましょう。

まとめ

私もコーチングスクールで習ったとはいえ、いざ現場で怪我やアクシデントが起こると焦ってしまうかもしれません。そんな時に知識があるだけで少しは冷静に対応出来ると思います。

怪我をしている本人に焦っている姿を見せると余計不安を煽ってしまいます。

まずは冷静に。

そして、頭の片隅に置いてある応急処置の手順通りに救急車が到着するまで行えるようにしましょう。

また、トレーニング・試合会場では必ずどこにAEDが設置されているのかを確認しておきましょう。

私もシュートが至近距離から胸に当たり心停止になった選手に対して適切な対応をして小さな命が救われた事がある事を知っています。

冒頭にも書きましたが、サッカーで子供たちを預かっている時間はピッチ内外問わず指導者が『命』の責任者です。

しっかりと対応出来るように最低限の知識は頭に入れておきましょう。

それでは今回はこのへんでっ!!

また次回もよろしくお願いします!!

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