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【ジャイサルメール②】キャメルサファリ前編

ジャイサルメールの観光産業はキャメルサファリ一本に支えられているといっても過言ではないので、どこのゲストハウスでも喜んで手配してくれる。
一番人気なのは一泊二日のプランで、僕の泊まった宿では2500ルピー(4500円)だという。
けっこう高えな、というか、そもそもが乗り気でない僕は別に日帰りで全然よくて、ほかの代理店も訊ねて回ることにした。

しかし、結果として僕の宿はむしろ安い方で、日帰りでも2000〜3000、中には8000ふっかけてくる輩がいたのには仰天した。もはや言ったもん勝ちである。

そういえば、直接クーリーに行けば安くツアーが組めるという情報をネットで見た気がする。クーリーとはキャメルサファリの出発地点となっている村の一つで、そこにいるアルジュンというゲストハウスのオーナーが格安で手配してくれるのだとか。
こういう時の僕は無駄に行動が早く、だからしょっちゅう失敗もするのだけど、とりあえず行ってから考えようの精神でバス停へと急いだ。

バス停(らしき路上)に着くとちょうど出発するところだったらしく、ボロボロのローカルバスはほぼ満席になっていた。

運賃は60ルピー(2023年11月時点)
途中の停留所で乗車率は100%を越えた

砂漠地帯とはいえ、こちらが心配になるくらいのスピードでバスは爆走し、約1時間後にクーリーに到着した。
バスを降りると、僕が来ることをあらかじめ知っていたかのように1人の青年が近づいてきて、アルジュンゲストハウスの名刺を差し出す。どうやら日本人御用達の宿であるようだ。

青年の運転するバイクに跨りゲストハウスに向かうと、話に聞くアルジュン当人が出迎えてくれた。気になるキャメルサファリの金額を訊ねると、なんと一泊二日で800ルピー!相場の4分の1程度じゃないか!
ちなみに日帰りプランというのはここでは組んでいないらしい。というのも、日帰りだと戻る頃には市内に戻るためのバスがもうないのだから、当たり前の話であった。

レベル100の吹き抜けを持つアルジュンゲストハウス

ゲストハウスにはすでに先客がいた。韓国から来たという年配の女性教諭で、学校行事で生徒たちを引率しているらしい。確かに、部屋からは若者たちの賑やかな声が聞こえる。

僕がクーリーに来た経緯を話すと、彼女は「ジャイサルメールのキャメルサファリは高すぎる!」と楽天の米倉涼子が憑依したかのように大袈裟なジェスチャーで激昂した。それに引き換えアルジュンはどうだ、と。ファミリービジネスの素晴らしさ、クーリーという村の温かさについて彼女は10分ほど力説し、横では当のアルジュンがニコニコしながらそれを聞いている。

なんにせよ、安く済むに越したことはないので、泊まりにはなってしまうがここでキャメルサファリをお願いすることに決めた。出発は16時なので、それまでゆっくりしていてくれと言う。

カメラ慣れしているアルジュンファミリー
僕のApple Watchに群がる子どもたち

しかし、クーリーという村には、驚くほど何もなかった。リキシャーはおろか、車すら走っていない。人口数万人のジャイサルメールすら大都会に思えるほど、のどかな時間が流れていた。

昼頃になると、先生を筆頭に学生一行が腕にふるいをかけて作った韓国料理をふるまってくれた。彼らはこの村に1週間も滞在するようなので、厨房も自由に使えるらしい。
はるか韓国からジャイサルメールくんだりまで来て、わざわざこんな辺境の村に長期滞在する尖った学生たちと一緒に食卓を囲む。久しぶりに口にする東アジアの料理はめちゃくちゃ美味かった!!!

手前の女性が先生、奥にいるのがアルジュン
スジェビというすいとんみたいな韓国料理。薄味のスープが絶品だった
美術系の学校のようで、学生たちは絵を描いたりセッションしたりして過ごしていた

16時になり、いよいよラクダ氏とのご対面である。ガイドはバスまで迎えに来てくれた青年で、アルジュンの息子さんであるらしかった。

至近距離で見るとラクダには無数のコバエがたかっており、乗るのにかなり躊躇する

ドキドキしながら座っているラクダ氏の背中をまたぐと、息子氏の合図でグイと身体が持ち上げられる。思ったよりも高い!
てっきり自分で運転(?)するのだと思っていたら、手綱は常にガイドが握るっぽい。そりゃそうか。というわけで、砂漠に向かって一泊二日の小旅行がスタートする。

〜旅のBGM〜
ユニコーン/車も電話もないけれど

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