11月26日(Choclate & Cofee)
久しぶりに会う友人と深夜、コーヒーもチョコレートも豆の焙煎から行っているというチョコレート&コーヒーショップに行く。
滑らかな木製の椅子とテーブルの店だった。
思えば、コーヒーもチョコレートも豆を焙煎して挽いて作るという意味では一緒なのだなと思いながらカカオの産地を選んだりする。
ベトナムのカカオはベリー系のフルーティない香りが特徴なのだそうだ。
半個室になっている空間の、窓際の席に女の子が座った。
小さなバッグを放り出すと「カフェオレ」とだけ言った後、少し不機嫌そうに何かを待っている。その雰囲気が、深夜の木製のテーブルにしっとりと染み込む様で、その空間だけ額縁に切り取られた様だった。
しばらくして女の子は無言で店から出て行く。
待って居た何かは訪れたのだろうか。
思えば私たちはいつだって何かが訪れるのを待って居て、大抵の場合、何を待っているかすらわかっては居ないのだと思う。
私たちは2杯の珈琲といくつかのチョコレートを食べて、客層が変わったのを機にお店を出た。
いつか私に、あなたに、それは訪れるだろうか。それは、幸福と呼ばれるものだろうか。
望んで苦味をオーダーする私たちにも。